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「こんなところで裏切り飯」の秘書課長

志田彩良と伊武雅刀とのW主演の「こんなところで裏切り飯」が意外とおもしろい。第1話は松山のグラタンの話だった。

冒頭で「孤独のグルメ」に喧嘩を売ったように、社長と臨時採用の秘書との物語である。描かれるのは祖父母と孫という離れた世代間の関係性であり、「釣りバカ日誌」のスーさんとハマちゃん的な共通の趣味なり事項において、身分や地位を超える関係性を描いている。そこに、ご当地グルメではない料理を挟み込む。グルメに飽きた社長が喜ぶ隠れた料理が紹介されるというわけだ。

となると、二人の間に挟まれて、秩序を保とうとするキャラクターが重要となり、それが秘書課長となる。この位置に、コメディのできるうまい役者を当てることができるのかが成功の秘訣だ。「社長シリーズ」だと、「浮気」のためにあの手この手を考える森繁に翻弄される三木のり平であり、川島潤哉は、それなりに役目をはたしていた。

さらに第1話では、他に最年少取締役が出てきたので、話がマンネリ化しかけたときにかき回すキャラクターは用意されているようだ。料理紹介とのバランスを崩さなければ、最後まで順調にいけるだろう。

W主役どうしが、じつはインスタグラムを使って間接的に交流をしている、というのも今風だが、最大の眼目は「言語化しないと伝わらない」という教訓を社長の伊武雅刀が学んでいく過程を描く点にあるようだ。

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