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初めてのイベント運営を終えて思うこと。「SEMohenro茶屋vol.1」

2018年11月22日(木)。
「SEMohenro茶屋vol.1」というSEM従事者向けのイベントを開催しました。
初めてのイベント企画、運営を終えて、反省も含めて今の気持ちを残しておくためにnoteを書きます。初めてです。初めてづくしです。

もくじ
1. きっかけ
2. 準備のこと
3. 当日のこと
4. これからのこと

1. きっかけ

「チャンスは前髪」。
以前の職場の上司によく言われていた言葉です。
「好機はすぐに捉えなければ後から捉えることは出来ない」という意味です。
これは本当やなぁと。
私は運よく、前髪を掴むことができました。

私はデジタルマーケティングの運用コンサルティング会社で働いています。
簡単に言うとリスティング広告の運用代理業です。
全くの異業種からの転職で、現在4年目。
地方を拠点に、リスティング広告運用をお客様に代わって行っています。
首都圏のお客さまも多く、最近は東京への出張も増えました。
そんな中で、いつも思うことがありました。

「地方は首都圏に比べて、情報が遅い」
「地方は最新の情報に触れられる機会が少ない」

首都圏で頻繁に行われているセミナーや交流会への参加は、
気軽に、というわけにはいきません。
幸い、私の会社ではセミナーなどへの参加が推奨されているので
地方にいながら、情報の遅れを取り戻しやすい環境にあります。
ただ、距離の問題はやはりあって、移動時間や費用面で制限されることがあるのが現実です。

また、ここ数年、運用型広告の世界にはAIによる自動化の波が押し寄せています。
自動化をうまく活用するための方法論など、テクニックに関する情報が爆発的に増えました。
自動化が進むと、これまで私たち運用担当者が人の手で行ってきた業務が不要になってくるという結論に向かっていきます。

「私たち運用担当者がするべきことは何か?」

向かう先でこの問いにぶつかります。
ぶつかって、私が出した結論は
「人の手でしかできないことをやろう。」です。

リスティング広告運用の自動化が進むことによって、
誰でも同じ合格点が出せるようになります。

5W1Hで例えると、
When:いつ(時間帯)
Where:どこで(エリア・配信面)
Who:だれが(ユーザー属性)
What:なにを(広告)
Why:なぜ(KWの検索意図)
How:どのようにして(広告)

このようなイメージと捉えることができます。

「Why・What・How」とは
「ユーザーが検索した言葉にどんな意図が含まれているのかを読み解き、どの言葉を使って、どう表現するか。」
つまり、「広告」こそ、結果に差が出る要因
人の手でしかできないところだと思い至りました。
(とはいえ、広告もAIによる自動作成が進んでいます。しかし、言葉のデータベースは人によって作られています。)
このことに気が付いてから
「テクニックだけではなく、もっと広告にこだわりたい。」
と思うようなりました。

「地方は首都圏に比べて、情報が遅い」
「地方は最新の情報に触れられる機会が少ない」
「テクニックだけではなく、もっと広告にこだわりたい。」

これらの問題を一発で解決できる方法を思いついてから
1年ほど、心の中であたためていました。

2018年4月、業界の第一人者のうちのおひとりにお会いする機会がありました。
会話の流れで、あたためていたタマゴが孵化。

「広告文の甲子園みたいなことを、やりたいんですよね。」

このひとことが、全てのきっかけです。

2. 準備のこと

「それ、おもしろそうだから、やりましょう。」
その一言で、さらにもうひとり、業界のリーダー的存在の方とお会いする流れになりました。
3人での初めての打合せ。
よくわからないまま、企画書(予算計画も特にない!)らしきものを作って持っていきました。

11月に道後でイベントやるぞ、
甲子園だけでは集客できないかもしれないから、セミナー抱合せるぞ、
ついでにこれからを担う若手にもチャンスの場をセッティングするぞ、
各地のSEM系コミュニティにも協力仰ぐぞ、

アイデア出しのようなリズミカルな流れで
大枠が決まりました。

こうなったら走るしかないな、と腹をくくりました。
そのあと、すぐに会社の代表に直談判しに行きました。
OKをもらえるとは思っていなかったので、ダメなら協力者の方たちと個人で動くつもりで。

「いいよ。」
ダメ出しも内容の指摘も受けました。
でも、結論としてはOK
何を言われようが、OKならOK!
そうと決まれば、ためらいなく走りだせます。

最初に協力を表明してくださった方々のおかげで、輪が広がりはじめました。
声をかけたおひとりおひとりに会いに行き、イベントの主旨や思いを伝えます。
地方の名も無き1プレーヤーの戯れ言。
みなさん、二つ返事で協力を快諾してくださいました。
なんとありがたかったことか!

気が付けば、驚くような顔ぶれが並んでいました。
これは、地方の規模じゃないぞ…
社内で運営委員会のメンバーを募り、準備を進めながら
初企画でこの規模感はやばいかもしれない…
プレッシャーを感じずにはいられませんでした。

会場の手配、LPのディレクション、全体の進行、チケット販売の方法。
予算の使い方、協力者の方々への連絡、運営委員内での役割分担。
考えなくてはいけないことが山盛り。大盛り。食べきれない。
イベントのやり方すらも手探りの状態で、
時間だけがあっという間に過ぎていきました。

会社員ですから、通常の業務をこなしながらの準備。
空いた時間を見つけては相談をしたり、情報収集をしたり。
出張の移動時間は貴重な睡眠時間でした。

チケットの販売を開始して、50枚のうち25枚まではすぐに売れましたが、
そこから停滞しました。
地元からの集客にも大苦戦。
地方のSEM業界の現実です。
そのことに直面して、地元の広告業界をもっと盛り上げていけたら、と新たな思いも芽生えました。
ご協力者の方々からアドバイスやご指摘を受けることも多々。
そのひとつひとつがありがたく、素直に反省、修正を繰り返しました。

開催まであと1か月、というところで新たな展開。
業界の重鎮的な立場の方とお会いする機会をいただけたのです。
(この対面の実現には裏話がありますが、それは、また機会があれば…。)
1時間ほどの間に、その方に司会をお願いすることが決定。
これから先の壮大(?!)な展望も好き勝手に意見を出し合い、ワクワクがムクムク湧いてくるのを止められない!充実した時間を過ごしました。

運営側では使用するデモ商材の社内プレイベントで、商材にNGが出るなど、直前になって大きな変更が相次ぎました。
10日ほどでデモ商材とデモサイトを作り直してくれた、商材担当者たちに感謝。

3日前に思いついて、開場からイベント開始までの待ち時間用動画の作成。
2日前に会場でのリハーサルを兼ねた最終打合せ。
最終打合せからの当日の役割分担変更。
前日まで進行表を更新している有様。
進行担当を任せた二人のメンバーの通常業務を容赦なく中断させる、当日までの3日間でした。
ギリギリになって色々なことに気が付いてしまう。
不安を抱えつつ、前日を迎えていました。
参加者からの不満やトラブルが起こったとしても、自分たちが楽しい、と思える時間を過ごしたい。
「自分たちがまず、楽しもう!」
運営委員会で宣言しました。

3. 当日のこと

2018年11月22日(木)
前の日の夜に雨が降り、どんよりとした空で肌寒い朝でした。
手描きTシャツ作りを明け方まで続けていて完全に寝不足。
緊張感とわくわくで頭はクリアでした。

会社での朝礼を終え、すぐに会場へ。
続々と協力者の方々が到着。それぞれ挨拶や雑談をしながら、
司会者に当日の進行表の説明と、最終すり合わせ。
あっという間に受付開始時間になりました。

最終の申込み:37名(+お子様2名)
協力者:9名
社内参加者:20名(+19年内定者4名)
総勢70名の大所帯に。
北は北海道から南は九州まで。
全国各地から参加いただきました。

50枚のチケットを売り切ることはできなかったけど、
参加者には思い切り楽しんでもらいたい。
13:30、私にとって生まれて初めて企画したイベントが始まりました。

第一部
セミナー3本立て
休憩
パネルディスカッション
休憩
第二部
ユニコーンハンター甲子園
結果発表

イベントにハプニングはつきものと聞きますが、
空調がイケてない!
ビールを調達しに走る!
サプライズでバースデーケーキを探しに行き、
結局、デコレーションケーキが手に入らず、帰り道のピザ屋に駆け込み!
社内参加のメンバーが予想外に多い事態に見舞われ
テーブルが足りない!
などなど…
正直言って、内容をしっかり聞いている余裕はありませんでした。

遠方から参加してくださった方々も多く、ひとりひとりとご挨拶をしたかったものの、叶わず。

リスティング広告の話をエンドレス8時間。
普通では気が狂いそうなイベント。
時間を忘れて、ここにいる全員が楽しめることに集中しました。

ユニコーンハンター甲子園は想像以上の盛り上がりを見せ、
私自身、広告文作りたい!という気持ちになっていました。

初代ユニコーンハンターの表彰!
気合を入れて発注したトロフィーを授与するときは感慨深く
会場にいる全員にハグをして回りたい気持ちを抑え。

締めの挨拶は、きっかけを作ってくださったお二人にお願いしました。
楽しかった、の一言、
私に花を持たせるための配慮、
全てがありがたく、込みあげるものを必死に笑顔でごまかして
思い切り頭を下げることしができませんでした。

最後に参加者全員で記念撮影をして、最高の一体感の中、イベントが終了。
おつかれさまでした!

あぁ、やってよかったな…
学生時代の文化祭よりもずっと、自分の中での学びが大きく、充実感に包まれていることを感じていました。

4. これからのこと

イベント終了後、2次会へと向かうことになりました。
30名以上が参加し、仕事の話が行き交うクレイジーな2次会。
その後、3次会へと進み…
30名ほどが残るという異例の事態。
みなさんが交流を楽しんでもらえている証だと思います。
あたたかいお言葉をたくさんいただき、感謝しかありません。

来年のことは、まだ未定です。
今回の反省をもとに、もっともっとブラッシュアップする必要があります。
次の開催を会社がOKしてくれるのかもわかりません。

ただ、私個人の思いとしては、毎年開催されるSEM業界のお祭り的なイベントにしたい。
普段、会えないような人たちがつながり、そこから新しい何かが生まれるような場にしたい。
地方での業界の認知を広げたい。
何より、自分自身がいつもわくわくしていたい。
わくわく、なんて、ありふれすぎていて表面的にしか聞こえないけど
私が走り続けるための原動力です。

そして、いつか、歴代のユニコーンハンター甲子園の広告文作品をまとめた書籍を出版したい。
変化の激しい業界で、イベントの歴史を辿れば業界の歴史が垣間見える。
これからSEMに携わる人たち、これまで携わってきた人たちを繋げる架け橋になったら、と妄想しています。
妄想も発言もタダ!

2015年くらい(?)に初めてGoogleから「hagakure」という資料が届きました。
「あの、葉隠?!」と興奮している私を、社内の誰もが不思議そうに見ていました。
高校生のとき、三島由紀夫にハマっていて、「葉隠」や「武士道」に熱中していた時期があります。
20年経って、このときのためのものだったのか!!!とひとり、運命を感じていました。
水のように流れに逆らわず、この業界に辿りつきました。
これから先、どこに流れていくのか全くわかりません。
流されるわけではなく、自らの手で流れを作り、柔らかく前に進んでいきたいと思います。

イベントに関わってくださったすべての方へ、感謝を込めて。

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