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米国株をやるにあたって為替を気にするより儲かっている企業を見つけることに集中した方がいいんじゃない?という話

Xのポストでこんなのを見つけたのですが、返信しようと書いていたら長くなったのでnoteに書くことにしました。

最初に言っておくと、私は2010年以降の上昇相場にたまたま運良く乗れただけの下の下の人間だけど、唯一自分がやった良いことは2015年に会社を辞めたときに長期投資に切り替えたことくらいです。そんな人間の戯言です。

米国株を始めたインターネットバブルの頃からのドル円の為替チャートを見たけど、今から2012年の円高の水準になったら150円が75円に!なんて騒ぐだろうけど、パーセンテージで言ったら半分になっただけで、保有する株が2倍以上になっていれば全然問題無い話。むしろ株価が2倍、3倍となる可能性の方が高く、為替を気にするよりそういう銘柄を探すことに注力すべきだと思うし、実際そうしている。へんな言い方かもしれないけれど、為替での評価損は半分が限度とみることもできると思う。

インターネットバブルの頃からのドル円チャート

あと米Yahoo!Financeでドルベースで何パーセント上がった下がったしか見てなかったから知らなかったけど、楽天証券のマーケットスピードIIが米国株に対応したってことでインストールして見てみたら評価損益率がドルベースだけでなく円ベースでも表示されてて、ここ数年の円安トレンドのおかげで円ベースだとドルベース以上の損益率でとても驚いた(スクリーンショットは先ほど撮った)。もちろん逆になっていた可能性もあるけど、為替の評価損で半分だったとしても十分なリターンだと思う。

といったこともあって、繰り返しになるけど為替を気にするより儲かっている企業を探すことに集中した方がいいんじゃないかと思う。ちなみに保有期間は一番長いのがマスターカード(MA)の8年2ヶ月で、2番目がアップル(AAPL)の8年。NVIDIA(NVDA)は3番目の7年7ヶ月。

保有米国株のドルベースと円ベースの評価損益率(2024年3月24日(日))

なので「何パーセント上がったら売る」といった足かせ(売買ルール)を自分からはめて儲かる機会を捨てに行く必要もないと思う。成長する企業はそのまま伸びてもらえばいいのだし、バフェットも「4割打者にあれこれ注文をつけることはしない」と言っていたと思うし、たまにはつまづくこともあるだろうけど地力のある企業なら立ち直ってまた伸びるからそんなに気にすることではない。

米国株のご意見番みたいになっている人はアナリスト予想を下回ったらウンヌンと言っているけど、20年以上米国株やっている経験から言うとアナリスト予想なんていうほとんど願望や占いと言ってもいいようなものと比較することに意味があるの?と思うし、ExcelでDCF法を使って企業価値を見つけようとしたことのある人なら分かると思うけど、将来の成長率や割引率が0.1%違うだけで大きく変化するし、場合によってはプラスだったものがマイナスになったりして、ちょっとの変化でこんなに違った数値を出してこられては成長率なり割引率なりをかなり正確に予想しなければならず、それって可能なの?といったこともあって(そういうのが楽しいってのも分かるけど、これについてはバートン・マルキールの「ウォール街のランダムウォーカー」でも同じような指摘がされていた)、自分にとってはノイズでしかなく、実際見なくても困ってない。困るのは予測ビジネスをしている人くらいだと思う。大事なのは企業が出した数字であって、アナリストの予想ではないでしょ。

といったこともあるけど、ただし、新規事業と称してエビの養殖といった今の事業と全然関係ないことをやり出したり、ビットコインを会社の資産として買ったりしたら手放すことも考えなければいけない。ツイッターの創業者であるジャック・ドーシーが同じく創業・経営しているBlock(スクエア(SQ)から社名を変更)がビットコインを会社の資産として買ったときは「なに馬鹿なことをやってるんだ!」と頭から湯気を昇らせ、その後バランスシートをチェックしていたらビットコインの残高が増えていて頭が噴火したりといったこともあって、NVIDIA(NVDA)と同じ時期に20倍銘柄になったけど、結局手放しました。

スクエア(SQ)とビットコインで思い出したけど、「MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣」という本を書いていて(発売当初はひふみの藤野英人が書いた帯がついていた)YouTubeにも動画を上げていたシバタナオキがYouTubeの中でインタビュー形式で米国企業についてあれこれ回答していたけど、ある動画で、もう記憶が曖昧で申し訳ないけど「スクエア(SQ)の売上が伸びていますが、これはビットコインを買って、それを売ったからですか?」といった問に「はい、そうです」と答えた瞬間、「あ、こいつ何も見ないでいいかげんなこと言っている!」となってその瞬間からシャットアウトしたことがあります。

スクエア(SQ)はスクエアのアプリを使っているユーザーに対してビットコインの売買ができるようにしたけど、ここでの「これはビットコインを買って」はニュースにもなっていた会社の資産として買った物を聞いているだろうに、それを「はい、そうです」と言うのならバランスシートの固定資産に載っているビットコインは何なんだということになります。ちなみにスクエアアプリでビットコインの売買ができるようにしたことで計上された売上は既存ビジネスと桁が1つ違ってて売上だけ見ると急成長となるのですが、利益率が1~2%しかないため、損益計算書の粗利(gross profit)のところを見るとしょぼんとした数字になり、利益率の低いビジネスが売上の大部分を占めたことでぱっと見ヘンテコな状態になり(そんなわけで会社の利益率が悪くなったように見える)、「売上ではなく粗利から下だけを見るべきだ」なんていうアナリストもいました。

手放してからは追いかけたり株価を見たりといったことをしてないので現在どうなっているのか分かりませんが、ジェラルド.M.ワインバーグの「コンサルタントの道具箱 勇気と自信がもてる16の秘密」にあった以下の言葉は肝に銘じておくべきだと思います(私が書いていることが間違っていることもあるだろうし、特に最近は2回ほど自爆しているので、こいつ(私)も要注意人物です)。

カモ症候群(TheSuckerSyndrome)
何でも知っているつもりの人間ほどだましやすいものはない。

ジェラルド.M.ワインバーグ「コンサルタントの道具箱 勇気と自信がもてる16の秘密」

そんなことを思ったポスト予定だった記事でした。


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