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"指し初め"について(2023/2/1)

はじめに

⓪"Especially for you"~幻の手順~

あけましておめでとうございます。
遅くなりましたが、本年もどうぞよろしくお願いします。

元日に、通信将棋を募集しました。
つまるところの"指し初め"なのですが、こんな私相手の勝負を快く引き受けてくださる方がいらっしゃったのです。まずは感謝を。

指し初め、ということで、今年の自分の運勢を占う将棋として。
また、私と指してくださることへの御礼として、持てる全力を尽くして戦いました。一月に亘る、その対局開始から決着まで、ここにひっそりと記していきたいと思います。

この対局、この記事は、ただ一人のために。

私の文章が目に触れるか、それは分かりません。
ただ、貴女に”見せたかった手”を、ここに。

序盤戦

①"Alea jacta est!"~戦型選択と静かな駆け引き~

銀冠穴熊系対三間飛車、王道の展開です

それでは、対局の内容について触れていきたいと思います。
見る人もいないと思うので、棋譜のリンクは一応ここに貼っておきます
基本的に自分の読み筋の話をしますが、ソフト検討での筋も少し入ると思います。

先手は私。
対局相手は、"黒魔術師"の呼び声も高い御仁。
激しい変化をあまり選ばない受け棋風寄りですが、盤面を混沌とさせる"黒魔術"に長けており、作戦家でもあります。

以前はオールラウンダーの印象も強く、一度お手合わせいただいた時は矢倉急戦だったはずです。その際は、序盤のリードを"黒魔術"により逆転され、非常に追い詰められるような将棋になってしまいました。

今回は四筋に飛車を振り、私の居飛車と真っ向からぶつかります。
△94歩の打診に一度は応えませんでしたが、△95歩はなく、次の▲96歩で両者端を突き合わせる形になりました。
私は主力の銀冠穴熊を繰り出そうとしますが、△71玉型での待機は銀冠穴熊を牽制する狙いがあり、相手の対策を伺わせます。

形は違いますが、お相手はとある棋戦で銀冠穴熊に敗れていました。(その相手を便宜上M氏とする)きっとこの対局の教訓から、相手陣が堅くなる前にアプローチしていく対策を選ぶようになったのだろうと推測しています。

私が、私こそが、銀冠穴熊マスターだ!!!!

「なるほど、そういう趣向ですか。ですが、
私の銀冠穴熊、M氏ほど甘くはないですよ」

一人呟いて、71玉保留を咎めに△63金に▲35歩と早期開戦しました。
(注 甘くはない=「ファミレスの鰻に負けるわけにはいかない」、M氏の銀冠穴熊も大変良い銀冠穴熊でした。決して彼を貶めようとする意図はありません)

途中図。三間側の強烈なカウンター。
一度目の激しい攻防です。

②"INITIATIVE"~鍔迫り合い~

▲36銀まで。角を手放したものの、後手は45歩を守りにくいです。
主導権を取り、僅かに指しやすいと感じました。

初めての攻防は、先手が角を打ち直したのに対し、後手は飛車を一旦躱すことで局面が落ち着きました。ここからは陣形の再整備になります。(この攻防では△44角の打ち直しの筋を本線で想定していました)

図(▲36銀)の時点では、先手の角のラインが飛車に当たりやすく、3筋を抑えていることから先手が若干良い(+200~+300程度)と考えていました。

後手はここでどう指すか。
普通であれば△54銀と支える形ですが、▲34歩が絶好手になります。それゆえに難しい局面。

でも、貴女は簡単に土俵を割るタマではないでしょう?

△54金、悪形ですが45歩を支えるならこの手でしょう。
そして、この手から私は深い沼に陥ってしまうのです。

△54金。想像していなかった手。
何故なら、本譜の▲55歩の対応が悪形の△44金しかなく、金の活用手段が見えなかったため。▲55歩に△65金は▲45銀が飛車の横利きを通しながらの歩得で味が良いですね。
お相手は手厚い形を好みますが、良識派のイメージなので悪形を苦にしないわけではないはず。自分の若干のリードを確信しました。

(実際、△54金は評価値的に0→-200となる手です。ただ、最善の△44角など一見指しにくい手が多く、人間的には最善かもしれません。私も△44角は本命視していましたが、▲45銀に△35角が見えず歩損甘受で角交換を読んでいました。ガバガバです💦)

ただ結果的に、良い手に見えて、手拍子(といってもある程度考えました)で指した▲55歩があまり良くありませんでした。
長く、けれど一瞬の拮抗状態が始まったのです。

中盤戦

③"BLAZE UP"~二度目の開戦~

手堅い△52金。一方先手は、
▲45桂もしくは▲45銀から激しく仕掛ける変化を探していました

先ほどの△54金▲55歩にはすぐ△44金、自然な▲37桂に△52金は手堅い手です。

当初のプランとしては図の局面ないし、図の局面から数手で▲45桂もしくは▲45銀と仕掛けて激しく攻めたて、玉形の差で勝つつもりでした。
しかし、▲45桂の際の△37角、▲45銀の際の△35金を簡単に消すプランが見つかりません。おかしい。玉形、攻め味、約束されし勝利の歩得……、悪い理由がないはずなのに。

ソフトは、この局面で互角ながらも▲45桂を跳ねることが出来ると読んでいます。
ベストは、▲55歩を保留して▲37桂を跳ね、将来的な△44銀▲34歩△同歩▲45銀の筋が分かりやすいようです。安易に角道を閉じてはいけないんですね。

黒魔術に視界を奪われ、深い深い霧の中を彷徨う。
絶対の信頼を置く羅針盤、私の評価関数は互角を示しているのに、じりじりと押される嫌な感覚。冷たい汗が背筋を伝いました。
(結局ある程度互角の評価自体は正しかったようです。貴女と、貴女の魔術が発するプレッシャーにやられたのかもしれません)

ゆっくり、それでも着実に手は進んでいきます。
私の感覚は既に狂っていたようで、
たとえば▲66角は△65歩を突かせることによって(突かなければ△85桂の筋が緩和される)将来的な△85桂に▲86角が有効になるのではないかという読みでしたが、そもそも手損であまり良い手ではないですね。

先手は並なら55の拠点を守る▲59飛
ですが、本局はあえて攻めを呼び込みました。

そして辿り着いたこの局面。
△55銀と歩を取り込んだタイミングでの▲75歩を消す△63玉。
長考に耽りながら、読み筋として、肌感覚としてここが分岐点だと理解をしました。

自信はだいぶ失われてしまいましたが、評価関数への信頼と意地で進路を定めました。

(④"If… ~I wish~"~後悔の構想~)

先手が▲88玉を保留したIF局面
中盤はずっとこうしなかったことを後悔していました。

混迷した状態で、良い結論の読み筋が出てこないと、自問自答、反省が始まります。

握ったはずの主導権はどこに行ったのか。本来はもっと早く仕掛けられたはずではなかったのか。
そんな後悔の中、対局中に考えた末の結論は、早い段階で▲53桂成△同金▲45歩の仕掛けという可能性。

ただ、この構想もよく考えると△46角の王手で△55金と脱出できるのであまりいいものではなかったようです。

⑤"Rebirth the edge"~全面戦争へ~

▲46歩△55銀▲78金と進行。
5筋の拠点を見捨てた上、さらに手渡しをする決断の三手

▲46歩が"私らしい"一着。
本譜のように55の歩がなくなったタイミングで▲33桂成△同桂▲45歩が厳しい狙いですね。

以後、馬を作って先手の模様良し。ただ、馬の働きが悪く、目まぐるしい乱戦へと突入します。

実は、▲46歩や▲78金のタイミングに、角道を止める△66歩がとてもとても嫌でした。良い変化を読み切れていなかったです。
本来は△55銀に▲56歩打を入れるつもりでしたが、△66歩が非常に嫌だったので、辛抱と思いながら玉形を安定させ力を溜める▲78金を指しました。(そしてこれが最善のようです)

一見受けにくそうな桂打ち。
しかし、既に先手ペースを感じ取っていました。

後手がこの局面から攻めるなら△56桂が第一感ですが、この変化は難しいながらも指せると読んでいました。

▲16馬の時点で、△56桂打▲47金と強く出て、△同銀成▲同銀△48桂成▲56銀△38角打▲同馬△同成桂▲55桂打で先手が有望(したがって、どこかで△62玉などを入れておかなければいけないはず……くらいまで)までが読み筋です。とにかく、先手は▲55桂打を実現させれば、攻めは途切れにくく玉形差で勝つことが出来ると踏んでいました。

▲55桂が激痛の上に、意外と▲16馬のラインがうるさい。
後手は手に窮しているように思っていました。しかし、

本譜の△57金打は予想外だったものの、悲願の▲55桂打が実現します。
はじめて、はっきりと優位を確信しました。

相手が相手だけに、簡単にはいかないでしょう。
ですが、もう勝敗は揺るがない。そう思っていました。

終盤戦

⑥"Cross Illusion"~魔術師の蜃気楼~

△64玉。それは一瞬も脳裏に浮かばなかった手
”黒魔術”の本領。貴女は何を見て、何を思っていたのでしょうか。

△64玉

私はこの一手の中に”貴女”を見た、そんな気がします。
読みの本線だった△62玉は先手の主張が完全に通るので、最善ではあるものの諦めの手と言わざるを得ません。
△64玉は入玉含みの手です。ただ、先手陣に飛車と馬が存在し、駒損の順がすぐに見えるため選びにくいと候補手とは考えていませんでした。しかし、読んでみると意外と難しい。
(一例は、▲65銀打△同桂▲同歩△同金▲同銀△55玉▲26飛△46歩の形が寄せにくく、▲58歩△同成桂……以下読み切れず)

貧弱な終盤力と、スッパリ寄せ切りたい自分の性質を考えると、通信将棋レベルの時間がなければ寄せ切れずに負けていたと確信しています。

将棋は真実のゲーム。
しかし、それと同じくらい、それ以上に虚構が大事だと思っています。
人間である限り、最善を指し続けることは出来ずどこかで嘘を入れなければなりません。虚実の織り交ぜ方——、私はそこに人間の息遣いや思想を感じるのです。

貴女がついた△64玉という”嘘”
それは魔術であり、私へ叩きつけられた挑戦状であり、貴女そのものでした。
読むほどに、考えるほどに、私なんかと指していただけることをとても光栄に感じられました。

この手にどう応えようか。
私なりの真実か、それとも嘘か。
悩んだ末に、自分なりの答えを出し、私は強く▲65銀打と指しました。

⑦"Lair,Lair"~どちらへ逃げるか。逃げ切れるか~

△73玉。最善手です。私もそう考えていました。
それでも、△同金であってほしかった自分もいます。

がっかり、失望、解釈不一致。

違います。
遊んでみたかった玩具を取り上げられた、そんな感覚。
貴女の”選択”にこそ意味があって、一番尊いものだと知っているのに、少し残念に感じる自分がいました。見せたかったな、私の”手”。

入玉の可能性がなくなった瞬間、局面がとても簡単に、退屈に感じられました。
最善と思しき数手を、比較的深く読まず一気に吐き出し返答を待ちます。

なるほど。
ですが、△33金より△42金でしたね。
と考えながら、訪れた更なる好機に比較的深い読みを組み立てます。
明快とは言えないものの、もう追いつかれることはないでしょう。▲55歩を駒音高らかに指しました。

▲55歩には△66桂が最速、▲54歩△78桂成▲同銀△68銀▲52馬と進みますが、
△79角▲同飛で詰まないため何かあるかもしれないですが、先手勝ちの読みでした。

⑧"Answer"~芸術的な寄せ~

△56金を見て、数手前から読んでいたプランBを決行しました。
持ち駒、相手から受け取る桂、間駒。全てが噛み合った最高の寄せ。

△56金は先手玉から遠い手。
▲52馬でも十分ですが、もう黒魔術は使わせません。
今まで私を苦しめてきた相手に敬意を表し、最速の順で仕留めることを決めました。

しかし、△66桂を打たれたタイミングで、手順中の△55角or△66角の存在に気付きました。
今ならリカバリーは効きます。▲52馬でも十分勝ちじゃないですか。
そう考えているのに、必死に▲85桂打の順を読む私がいました。

もう黒魔術による逆転が怖いからではありません。
▲52馬でもしっかり勝ち切る自信はありました。
それでも、私の出来るベストを捧げること。ここまでお付き合いいただいてる貴女に対する礼儀でした。

中盤から一手ずつ並べ出した将棋盤。
決して動かない駒たちを、頭の中で必死に動かしました。
局面は完全に頭に入っていたので、布団の中でもぼうっと考えて。
そうして、あらゆる可能性を考慮。万難を排し、私は最後の長考を終えました。

タダの銀捨て、以後は簡単。
▲85桂打以降、確認はしても、新規に読みを入れることはなかったです。
(△55角▲77桂に△75金打や△87歩打に▲同玉なら△75桂▲同歩△76銀打の粘りがあるようです)

終わりが近づいてきている。
完全に読み通りの進行に、次第に強くなる結末の匂いを感じました。

指し手が待ち遠しく。それでも、引き伸ばしたい。この楽しいrendez-vousが終わってほしくない。
アンビバレントな感情の中に、将棋というゲームの答えを出す楽しみのほかに、相手がいて”指していること”そのものに楽しみがあることを知りました。

▲84銀を取らなかったのは、▲74馬の手拍子を狙ったのかもしれません。
いや、タダ銀捨ては取られることを本線で読むはずなので、なるべく相手の読みを外したかったのだと推測します。

自分の負けは読み切っているはず。
なのに指してくれる、終わらせてくれないことに感謝しつつ。

次の手を指せば、今度こそ終わってしまう。
どうにかして続けられないでしょうか。
こんなことを考えるなんて、随分とナイーブな人間になったものですね。

半日の間、対局を振り返りながら、簡単になった盤面に思いを馳せます。
そうしてようやく、▲63馬。私たちの一か月に幕を引きました。

最後になりますが、
対局いただき、誠にありがとうございました。
とても充実した将棋になり、これからの将棋へのモチベーションアップに寄与している気がします。
余韻冷めやらぬうちですが、またこんな熱戦をしてみたいものだと考えてしまいますね。

また、もし何かの手違いでこの記事を読んでくださっている方にも感謝を。説明も少なく、地味な描写が多く退屈な文章だったかもしれません。
たった”これだけ”で伝わってくれる誰かのための文章なので悪しからず。

⑨"Imaginary affair"~答え合わせ~

本譜では実現しなかったものの、課題局面であり、
この後の数手が貴女に見せたかった手。

▲67金△46玉▲37金

最後の▲37金に△同玉は▲57金で必死。
逃げたとしても後手の金が外され、駒損の上入玉は失敗となります。
この順を見つけて▲65銀打が最善と確信したとき、嬉しさのあまり快哉を叫びそうになるほどでした。

たった三手ですが、ここに至るまでとても長い道のりを辿っています。
私は、どうしてもこの気持ちを貴女と共有したかった、ただそれだけで。

おわりに

⑩Knowing~ただのあとがき~

本編は上章まで。
以下は個人的な考えといいますか、雑然としたメモとなります。
誰かのための文章ではございませんので、そのあたりご寛恕くださいませ。

私が今回メインとして触れたかった△64玉、△73玉。
局面としての”正解”とともに、貴女の思考の過程を追っていました。

そんな通信将棋という長い持ち時間の中、読み筋に相手の思考を感じ取れたような、相手の想いに触れたような、そんな気になることがあります。
きっと私の錯覚なのでしょう。

それでも、
教えてほしい、知りたい。
貴女の読み筋、そして答え。どこまで繋がっているのでしょう。私の懊悩の先に、貴女は居ますか?


結局のところ私は、他人に強い興味はないのでしょう。
盤上にある「貴女」。「人間そのもの」ではなくて、”将棋”というフィルターを通して見る「貴女」というキャラクター、「貴女」という物語に心惹かれているのだと思います。
それは自分の醜悪さであり、背負っていかなければならない業。
もう少し人そのものに楽しみを見いだせれば、私にもまた少し違った生き方があるのかもしれません。

そして、盤上を通してしか知ることができないものは、もう一つ。
鏡を見ることでしか自分の姿を伺い知ることができないように。
私が貴女と指す将棋の中にだけ、貴女の瞳に映りこんだ私を見つめることはできないのでしょう。

自分と同じくらい、いや格上の棋力を持つG.N.氏に幸運にも6-0の対戦成績を有していたことがあります。彼女に3連勝したあたりから、心の何処かにこの人に負けたい、という願望があることを自覚しました。
それはきっと、G.N.さんを介して自分の”味”を知りたい。あの人なら美味しく私を食べてくれる……という思いがあったのかもしれません。

本局は僥倖にも私が制しました。
ですが、一手一手に貴女の強さの片鱗を感じることができ、私もそのうち討ち取られてしまうような気がしています。
私との激戦を制した時(もちろん、ただで負けるつもりはありません!)、貴女はどんな感情を抱くのでしょうか。出来れば、好意的なものだと嬉しいものです。

いつか訪れるその時のため、貴女に貪られるに足る、歯ごたえのある人間であり続けたい。そう願ってやみません。


すべてを知るためには、すべてを伝えるためには、
一生という時間はあまりに短すぎます。
それでも、情報の次元を落とし、棋譜という媒体にのせ、相手に投げかけ続けます。
例え限りある情報の中、あなたを適切に理解することができず、あなた(のような何か)を知(ったつもりにな)るのだとしても。

媒体や圧縮率の違いにこそ差はあれど、
言葉も、表現も、セックスも、あらゆる対人行為はコミュニケーション。
自分という人間を言語や道具、肉体を媒介として次元を落とすことで、相手を知り、自分を知ることができるということです。

人と人が完全に分かり合うのは不可能。
ある種の真理であり、私もそれを否定しません。
だからこそ、伝え合い、分かち合い、誰かに憧れたり、自分にないものを羨んだり、人を好きになったりするのだと思います。

通信将棋は”文通”、通信将棋は”rendez-vous”とはよく言ったものですね。
私は、その意見に同意しつつももう少しディープで濃厚なものに感じています。

一つ一つ、ゆっくり手を重ねて、信条、思いの丈を交換して。
こんな風に読み筋を開陳して、自分の考え方を露わにすることが、どうにも無防備で気恥ずかしく思えます。
カラダとか、ココロじゃなくて、どうしようもなく気持ちの良い思考と思考の濃密な”交わり”。

こんな些細なことで満たされる自分がいて、
こうして言語化できた、その機会を与えてくれたことにも。

貴女抜きで決して得ることが出来なかった喜びを、
できれば貴女にも分かち合うことができれば、ここまで言葉を紡いだ意味もあり、筆者重畳の思いです。


”盤上命題”(バンジョウメイダイ)
なるほど、そういうことでしたか。
僅かに、ほんの少しだけ。この四字の意味——、貴女に近づけたような。

また指しましょう。
再び貴女と解き明かせることを願って。
そう、答えが見つかるまで。何度も、何度でも。

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