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「強さ」とはなんだろうか?

今回も備忘録的に。
自分のバックボーン・後悔を交えてさらさらと。

最近は七盤をはじめて、通信将棋をはじめました。
電煌戦では悔しい思いをすることが多く、「強さ」とは何か。その本質的な部分に向き合う時間が増えたような気がします。

その中で、将棋の「強さ」という漠然とした概念を分析し、そこから導き出される最適な学習法を試したい。というのが私の欲求です。
どうして同じ人間なのにここまで差が出るのか、どうして学習法が確立しないのか。私は最終的に将棋の勉強はある種、筋力トレーニングに近い「作業」であると思っています。
センスの有無、学習法、努力量など様々な議論がある中で、最適な手順を辿ることで、「効率的」な棋力向上があると信じています。そして、それが人の棋力差を分けるのではないかと。
あまり努力は好かない柄ではありますが、実証できるのは自分だけ。今年は少し「効率的に」頑張ってみたいですね。

基本的に韜晦、不真面目を是としていますが、こんなラクガキは誰の目にも触れません。知りたい人が知っていればいいですし、共感いただけるならそれはそれで無上の喜びです。ぜひ仲良くしましょう。

遍歴

棒銀

私は少し前まで棒銀(早繰銀)の一刀流でした。
理由は明白で、それが正解だと確信していたから。今でも研ぎ澄まされた棒銀は人間の将棋に置いて最強であると思っています。
なんでも棒銀の時代は、対戦相手からバカにされながらも、猛烈な攻めっ気から非常に嫌がられていたことを記憶しています。

棒銀をやめたほうがいいとはよく言われました。
しかし、「じゃあなぜ矢倉が良いんですか?」「じゃあなぜ振り飛車がいいんですか?」の質問に対して明確な回答が返ってきたことはなく、具体的な手順だけを示されていました。
持ち前の逆張り精神と、棒銀以上に理屈に適ったものはないという思いだけが強くなり、私のベースを形成しました。

ソフト将棋との出会い

ソフト将棋とどこで出会ったかは記憶にありません。
Ponanza将棋の中に一つの論理体系を見出し、私はソフトに熱中しました。
「こういう手順だからこちらが良い」ではなく、「棋理を考えるとこちらが良い」という「正解」の存在が、将棋という混沌から私を救い出してくれました。
年を経て体力が落ち、棒銀で攻め潰すことから正確に序盤のリードを取る将棋へと変貌していきます。
そこで重視したのが「評価
探索」の要素で鍛えてきた人を超えるのは難しく、自分の中にある評価関数を徹底的に鍛えることにしました。そうして、今の序盤でペースを築く将棋が出来上がっています。(逆転負けが増えたのでそこまで強くなったかは不明です)

強さって何?

評価と探索

評価ファクターを鍛えることによって、他のボードゲームに対しても、すぐ評価の勘所を抑えて強くなれるという自信を持つことができました。
実際、電煌戦内での形勢判断レベルはかなり高い部類に入ると思います。

しかし、無情にも将棋高段者たちは私よりも遥かに速いペースで成長し、すぐに実力で私を超えてしまいました。
「努力量も序盤知識も負けてないのに何故……?」
それが、今回「強さ」にメスを入れるきっかけとなりました。

探索とは

ここまでの話で単純に考えると
・将棋高段者はあらゆるボードゲームの成長スピードが速い
⇒ 将棋の強さとボードゲームの強さは近く、それは知識要素ではない。
⇒ 「読み」(探索)の要素が非常に大きい

と推測されます。
では、「読み」(探索)とはどのようなものなのでしょう。

探索部の3要素

・候補手生成
・枝狩り
・探索深度

「読み」をソフト的な3要素に分けてみました。
脳内でこの3要素が並行に行われることで「読み」が生まれています。

当初、「読み」自体は「読み」としか言えず、漠然としたイメージでしか考えられなかったです。こうして分解することで、それぞれに対するアプローチが出来るようになると考えました。
そして、他の2要素よりも「強さ」の根源となるものは「探索深度」ではないかと言うのが今の見解です。

詰将棋などで「〇段なら〇分」と書かれているものをよく見かけると思います。棋力によって「これは〇級、〇段の手」と言うこともあるでしょう。
つまり、どんな人でも、棋力……「強さ」によってある程度共通したポイントがあるということです。

便宜上、単純な読みの深さを「探索深度」としましたが、その構成要素として、
純粋な探索深度」(探索の深さ・純粋に何手先が読めるか)
探索局面数」(どれだけの局面を読むことが出来るか・複数の変化に対応する概念)
脳内盤の広さ、クリアさ」(人間独自の概念、9×9のうちどこまでをはっきりと読みに利用できているか)の3つがあると考えています。先述の話のように、現在、それらが個別に鍛えられるものではなく、強くなる過程で3つそれぞれが同時に鍛えられると考えています。

逆説的に、上の2要素のように候補手を生成するものや、候補手を絞るようなものは、好む戦型や勉強法によって能力向上に違いがあるはずであり、「強さ」の直接的要素になり得らないのではないでしょうか。

したがって、「強さ」=「探索深度」が今の私の結論です。

同時に、単純な思考のスペック自体が人間同士で大きく異なると思えません。純粋な探索深度」を例に出しますが、私が3手読めるとするなら、強い人でも7手程度くらい、二段階くらいの違いしかないのではないかと。段・級の差があっても、それは小数点以下のレベルで争っているというのが持論です。
しかし、僅かでも深い探索で練習を続けることによって、同時に鍛えられる「候補手生成」「枝狩り」の二要素にも差が表れるはずです。
結果的に「探索深度」「候補手生成」「枝狩り」の全てにおいて差が生まれ、激しい棋力差が生まれると推測しました。

練習方法

探索強化

つらつらと長文を書きましたが、とにかく「読む」ことが最短ルートだと思います。
筋トレと一緒で、「自分の限界から頑張ってさらに2手読む」ことがキーで、そこには苦しみ、そして達成感が伴うはずです。

加えて、内部の読みだけで補いきれない手筋面を、体系化された手筋本で覚えていく。そして若干の序盤研究。優先度としてもこのようなものでしょう。

上記を踏まえ、私が今年やりたいこと

【メイン】
・羽生の終盤術シリーズを苦しみながら解く
・とことん通信将棋を指す(挑戦お待ちしております!!)
・短い将棋でも「あと2手」読んでから指す!!

【プラス】
・詰将棋を解いて脳内盤の強化
・金子本3冊で終盤力強化
・流行についていけない戦型の序盤知識獲得(知らない戦型も指す)

できるかどうかは分かりませんが、こんな感じでいきたいですね。

こんな殴り書きを読んでくださった方、ありがとうございました。
アドバイスや感想等もお待ちしております。
また、よければ遊んでやってくださいませ。

(2月16日、一部追記)

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