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僕も循環に入れてください

ピロール農法は簡単であります。

ピロール資材を田んぼや畑や果樹園に
投入するだけです。

誰でもできちゃうわけですが、
ピロール資材は「毎年」投入する必要があります。

それでよく聞かれるのです。

毎年入れないとダメですか、
そのうち入れなくても大丈夫になったりしませんか、と。

その答えは、「毎年入れなきゃダメ」です。

今日はそんな話。


ピロールを循環させるのがピロール農法

ピロール農法は
土の中のシアノバクテリアを増やすのが特徴ですが
それが最終目的ではありません。

シアノバクテリアが増えた土壌で
ピロールが循環する状態にする、というのが目的です。

そんな土壌で育ったときに
ミネラルが豊富で美味しい作物になってるってこと。

ピロール農法を続けていると
田畑のシアノバクテリアが増えていく、
ような感覚はあります。

でも、それはピロール資材が効きやすくなる、
という話じゃないでしょうかね〜

それで、そのうちピロール資材まかなくても
アルカリの米になるんじゃないか、
なんて思っちゃうかもしれませんけども。

ピロールを循環させるのがピロール農法であって
シアノバクテリアを増やすだけなら
シアノバクテリア農法とか
シアちゃん農法なんて名前の方が
よっぽどわかりやすくていいのです。

なんでピロール農法なんて、
わかりにくくて怪しげな名前をつけたのか、、
ってことを考えてみるといいかもしれません。

今日もピロールは循環しています

ピロールは今も世界を循環しています。

人間がピロール農法を一生懸命にしなくても
自然界では当たり前のように、ピロールは循環しています。

そろそろ、紅葉のシーズンがやってきますが、、

葉っぱの緑色は
葉緑素、クロロフィルの色です。

葉緑素はピロール(化学式:C4H5N)で出来ています。

4つのピロールが輪っかになって(クロリン環、総称テトラピロール環)
その真ん中にMg、マグネシウムが入ったような感じです。

緑の葉っぱは紅葉の時期が来ると
だんだんと赤くなって、それから黄色くなって、
地面に落ちていきます。

土の上に落ちた葉っぱは
そのうち分解されて、同時にピロールも循環します。

人間も循環に混ぜてもらいたいのですが

野菜や穀物、果物なんかの形で
僕らが食べた場合には、どうなるでしょうか。

体内に入ったテトラピロール環は
輪っかが外れて
そのうちに赤い血液(ヘモグロビン)になります。

ヘモグロビンは葉緑素のときと同じ、
4つのピロールが輪になって(ポルフィリン環)
その真ん中にFe、鉄が入ったような感じです。

クロロフィルとヘモグロビンってすごく似ているんです。
ピロールが4つ繋がって、真ん中にMgが入るか、Feが入るか。
これもなんだかおもしろいですね〜

体内で3ヶ月ほど働いたヘモグロビンは
またまた輪っかが外れて(ビリルビン)
黄色いし尿で排泄されます。

色の変化が紅葉から落葉のときと同じなんです。
緑の葉っぱ、赤い血液、黄色いし尿。

なんだか紅葉シーズンみたいでしょう。
不思議ですね〜〜

動物の血液と植物の葉緑素、
どちらも大事なものですが、
それぞれがすごく似ているんです。

うんちの行方

葉っぱが黄色く枯れる季節、
葉っぱは土の上に落ちて
そのうちになくなっちゃいます。

だけど、僕ら人間のうんちが
土の上に落ちることはあんまりありません。

これを土に返していたのが
昔の日本人でした。

そしてそんな循環が
都市のシステムとして機能していたのが江戸、
これがすごいのです。

江戸の中心部で出たし尿は
郊外の田畑へ運ばれて土に還ります。

その土で育った作物が
また江戸に戻ってくるのです。

必ずしも人間のし尿だけを
田畑で使う必要もないのですが、
そこにたくさんあるのだから、
じゃんじゃん使うのは当然でしょう。

江戸で取引されていた下肥は
一日200トン!
すごいでしょ。。

そうやって循環していたのです。

これが毎年ピロール資材をいれなきゃいけませんか、
の答えです。

ピロール農法は普及しません

ピロール農法は普及しません。

それはただの農法ではないからです。

社会のシステムのことだからです。

でも今のところ、人々は変化を望んでいません。

人々が変化を望んだとき、
ピロール農法は必ず必要になります。

だから今、無理して普及させようなんて
全然思わないのです。

なんとなくピンときた人だけ、
ちょっと俯瞰して
循環に思いを馳せることのできる人だけ、
今はそれでいいのです。

今、肝心なのは
この農法を絶やさないことです。

だから、、

ピロール米を食べてください。
庭に花や果樹があるならピロール資材を撒いてみてください。
畑があるならピロール野菜を作ってみてください。
田んぼができるならピロール米を作ってください。

それぞれのできる範囲で簡単なことです。
それだけで十分なんです。


↑ むらも農園の本。Kindle Unlimited でも読めます。


↑ noteに掲載されない記事もこちらで読めます。


蛇足

難しい話は置いておいて
できたお米を毎年検査すればいいのです。

pHはどうか、ミネラルはどうか。

その数値を見れば、
作り方が合っているかどうかは一目瞭然です。

そんな検査結果が
35年以上蓄積されているのが
ピロール農法です。

誰でもできるやり方で
毎年ちゃんと弱アルカリ性のお米になれば
それでいいのです。

そして、そんなお米ができるときには
持続性もしっかり担保されてくるのだから
おもしろいのです。

それは人間にも環境にも優しいってこと。

どちらかが我慢する必要なんて、
本当はないように思うのです。

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