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佐々木倫子/チャンネルはそのまま5

とんでもないエースに化けるかもしれない、
「バカ枠」採用の女子と、
その面倒を見る優秀な「バカ係」の男子。
バカ枠女子はその馬鹿さぶりを存分に発揮し、
バカ係男子もまたその優秀さを髄所で見せる。
報道と情報と所属部門も異なるのに、
ことあるごとに二人は引き寄せいあい、
時に行動をともにする。

バカ係男子は心底、
バカ枠女子にうんざりしている。
その無神経さ軽率さに心乱れまくる。
夢にまで見てうなされる。
バカ枠女子はバカ係男子を、
自分をフォローしてくれる奴、
困った時に頼る便利な奴として見ていない。
お互いがお互いに想いは一ミリもない。
恋の生まれる隙間はない。
単なる同期、腐れ縁の同僚。

男と女は分からない。
二人の過ごす時間は長い。
互いのことを考える時間も、
たとえそれが負の感情だったとしても、
たぶん他の人よりずっと多い。
何かのきっかけで、ふとした拍子に、
それが恋の方面に向かわないとは言えない。
二人の中で互いの占める割合が高まり、
一気に燃え上がってもおかしくない。

ということは二人に限って、
今のところなさそうですが。
火のない所に煙は立たぬというけれど、
二人の間に立ち上るのは果たして、
煙だろうか。

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