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こざき亜衣/あさひなぐ(27)

深紅の優勝旗、白河の関を越える。
夏の甲子園は仙台育英高校の初優勝で幕を閉じた。
初の東北地区の優勝校だ。
ただし誰もその優勝に驚かないだろう。
コンスタントに勝利を重ねる甲子園常連校だから。

甲子園初出場のチームは、
まずその空気に飲まれるという。
その広さ、独特の雰囲気、
小さいころから憧れてきた風景に名門の校名。
試合時間を守るために、
緻密に設定されたスケジュールにも、
焦らされるようだ。

常連校は先輩たちがその地に立つのを見ている。
来年は自分たちがあの舞台にと誓い、
練習の時からその時をイメージしている。
その地に立つだけでなく、
その地で躍動する自分を思い描いて、
颯爽とやって来る。
憧れの地ではあると同時に、
活躍すべき地、見慣れた地でもある。

高校野球と違いインターハイは、
毎年、全国の都道府県持ち回りで会場を変える。
だから甲子園ノウハウのようなものはない。
それでも全国の強者が集まる独特の雰囲気がある。
それを味わったことがあるか、ないか。
初参加のチームは、
大きな洗礼を浴びることとなる。
そこを乗り越えられるかどうか。

乗り越えてしまえば、
高校生には大きな可能性がある。

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