見出し画像

こざき亜衣/あさひなぐ(28)

自分は一人しかいない。
だから世界はいつだって自分から見た、
側面だけが見える。
けれどその反対側から見れば、
世界はまったく異なって見えるかもしれない。
自分が見たことがない、
未知の世界が広がっているかもしれない。

自分のチームに、さまざまな経緯があり、
葛藤があり成長があり今があるように、
相手のチームにもそれなりの事情がある。
自分のチームから見たのでは
決して見えない風景が、
それぞれのチームの中に広がっている。
そのチームが過ごしてきた時間、
共有してきた想い、抱えている感情がある。

勝負は勝者と敗者を分ける。
それは時の運に過ぎないかもしれない。
普段の稽古の積み重ねの違いが、
きちんと反映されたものかもしれない。
勝っても負けても、チームには何かが残る。
何かがもたらされる。
チームの中のそれぞれのメンバーの心に、
いい意味でも時には悪い意味でも爪痕を残す。

負けたチームがきちんと描かれるのがいい。
勝つことより負けることの方が多い。
さっぽりまた道を行けばいい。
次の今を生きればいい。
その経験が意味があるものかどうかは、
その後の時間が決めてくれる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?