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こざき亜衣/あさひなぐ(34完)

漫画の主人公の条件について考える。
主人公はエースでなくてもいい。
ただ物語を引っ張る存在である必要がある。
多くの読者が惹かれ、その動向が気になる存在。
そうした存在のメンタリティや言動とは、
いかなるものか。

まっすぐであること。

東島旭を見ていると、何よりも大切なのは、
まっすぐさだと感じさせられる。
才能があるわけではない。
身体能力や体格に恵まれているわけでもない。
どちらかというと普通の家庭に育つ、
ごく普通の女の子だ。

憧れの存在。

も大きな条件かもしれない。
ああなりたい、そう思えるまっすぐさと、
そのまっすぐさが向かう先があること。
憧れの先輩を追うことで、
旭は大きく成長する。
その背中を見続け、
少しでも追いつこうと歩み続ける。

どんな困難にも打ち克つ。

歩みは楽ではない。
ライバルに打ち勝つ、
といった誰にとっても心躍ることではなく、
日常のちょっとした努力をひとつずつ積み重ねる。
誰しも一足飛びに成長することはできない。
不断の努力、ささやかな繰り返しが、
ある時、大きな成果として結実する。

成功は約束されていない。
それでも成功した人は皆、
そうした日々を積み重ねている。
言い訳はいくらでもある。
できない理由は次から次に噴出する。
それでも、やると決めたことをやる。
誰もが望んで、なかなかできないことなだけに、
時に馬鹿にされたり笑われたりしても、
やり続ける者は心を打つ。

いつも東島旭を心に持っていたい。

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