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雪の筑波山

 朝起きて、小屋を出て筑波山を眺めたら上の方が雪をかぶっていた。
筑波山は標高877mの双峰の山で、関東地方東部の平野に独立峰のような神奈備型の優美な姿で屹立している。古代から霊山とされ、『万葉集』などでも多く謳われている。『常陸風土記』にも登場する。

 山頂近くには、まだ一昨日の雪が残っている。そこに朝日が射して白く輝いている。実に美しい。神々しい。きっと、こんな時に登ったら光り輝く樹氷が見られるかもしれない。

2024.2.7   7:40am


 筑波山といえば、男体山と女体山の双峰の山として有名だが、それは南方面から眺めた姿で、僕の小屋のある東方面から見ると、先の尖った三角錐の形をしている。夕焼け時には、赤く染まった空を背景にしてシルエットになって浮かぶ。「西方浄土」を指し示しているかのように。そんな姿を眺めると、昔の人が筑波山を死後の魂が集まる「霊山」とした気持ちがよくわかる。

 僕は樹木調査などで、この山を隈なく歩き回っていた頃がある。その話は、また後で(笑)。


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