グッド・オーメンズS2 初見感想

初見感想を記録しておく。
これから何度も観るうちに考え方は変わるだろうし、いろんな方の知見・感想でまた変化していくだろう。
それはとても楽しいことだけど、とりあえず今は今しかないので、吐いておこう。

公式画像より転載

まずはS1との違い。S1は天使と悪魔目線だったもののハルマゲドンをめぐる話で、中心はそこにあった。何度も視聴を投げ出すほどのナンセンスギャグが多く、多分メジャーなものとしては作っていない。私は得意じゃないけど、80年代90年代を感じさせ尖っているところが気に入っていた。
今回は完全に天使と悪魔の話とし、S1の3話目を深掘りしたような筋立てで、普通のステキな面白いドラマになっていた。多分これが今の時代の『グッド・オーメンズ』なのだろう。

良い場面は数多かったが、2話目の最後が今は一番印象に残っている。
神の教え通りに行動しなかったアジラフェルが、自分は堕天使で地獄へ行くのだろうと覚悟しうなだれているところに、クロウリーが「お前が天使じゃないって?」と、それはないよと伝えるシーンだ。この短いやり取りでどれだけクロウリーがアジラフェルを想い、自分にはなれない理想の天使としてリスペクトしているかが伝わってくる。デヴィッド・テナントの演技の真骨頂を観せられて心震えた。

S1もそうだったが、ドラマはクロウリーに感情移入させ、観進める構成になっている。今回も素晴らしいスーパーダーリンぶりだった。S1よりよりデヴィッド・テナントに寄せているというか、アテ書きだなと感じられる。
アジラフェルは最初は「クロウリーがアジラフェルを好きなのよくわかるよね」的存在だけど、ハマる人はやはりアジラフェルに行く。(バディものなので最後は「この2人」なのだけど)。
この天使は本当に複雑というかその大きさがなかなかわからないし、正直今もよくわからない。マイケル・シーンと原作者ニール・ゲイマンの英国人的なところが凝縮されていて、魅力的だが決して本心は見せないという頑なさを持っている。

ラストシーンは、ほとんどのファンを苦しみに陥れただろう(笑)。この2人はいつも最後はすれ違ってしまう。アジラフェルが大天使の地位を引き受けたのは、究極にはクロウリーの名誉回復のためなのだけど、クロウリーはそれをわかっていつつもそんなものはどうでもいいのだ。
2人のキスシーンは実はネタバレされてて知っていたけれど、こういう想い合っているからこそ大事にするものが違ってしまう場面だったのですね。

私たちはニール・ゲイマンという優れたストーリーテラーの深い懐に抱かれていて、愛し愛されているのだなあということに胸が熱くなる。
早くS3が観たい(笑)

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