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5感で書くクリエイティブライティング講座


小野美由紀さんの『5感で書くクリエイティブライティング講座』に参加した。
少し時間が経ってしまったが、学んだこと、そのとき感じたことを記しておこうと思う。


noteのおすすめで目に止まる記事があった。
そのときは思い出せなかったが、noteを開いて思い出した。
「ピュア」の作者だった。
Twitterのいいねから見つけた小説。
世界観に引き込まれて一気に読んだ。
その体験が今回の機会に繋がっているとするととても不思議だ。

「創作モード」に没入し、作家の脳を追体験する4時間半

とてもわくわくした。
書くことを学ぶ、純粋に楽しそうだなと思った。

わたしは自分の身の回りに起きた出来事の記録として、このnoteを書いている。
書くことがすきだ。
思考が整理されて頭の中がスッキリする。

学んでみたい。
率直にそう思った。
わたしにとって書くことはあくまで記録なので、学ぼうと思ったことがなかった。
そもそも、ひとから学ぶという発想がなかった。

講座に参加して、書くことがより楽しくなった。
自分の得意な書き方がわかり、いろんな書き方を試してみたいと思った。
純粋にその世界に入り込むことの楽しさ、どんな世界に行き着けるかのワクワク感で、ひとはこんなにも没頭できるのかと驚いた。
自分で世界を広げていく、どんな世界をも創り出せる、文章はとても面白い。


自分の世界に入ること

"感じ"を大切にする
"感じ"とは、言語化されていないけれど自分が感じていること
"感じ"ていることと仲良くなろう

作家の脳を追体験する
子供の自分、今の自分、未来の自分
この3つを自由に行き来することで、自分の"感じていること"を伝わる形で表現できる

大人になるにつれて、子供の自分が出にくくなる
子供の自分を引き出すことで、"感じていること"が見えやすくなる

①体のワーク
②脳と遊ぶ
③脳を開く

これらを経て自分の世界に入っていく

大切にしたいことは
①嫌なことはやらない
②できなくていい
③批判しない

嫌なことはしない
意外だった。
講座で行うことは全て必要で、必要であるからこそ実施していると解釈していて、それらをやらない選択肢は無いと思っていた。
しかし、感じていることに気づくためには、自分の心に素直に従う必要がある。
「ちゃんと頑張らない」小野さんがそう仰っていたのが印象的だった。

①体のワーク
周囲から聞こえる音に集中する
目を閉じて、音に集中する
静かだと思っていた室内でも音が聴こえてくる
聴覚へ意識を向ける
クーラーの音、表の道路を車が走る音
普段、意識していなかった音が耳に届く
緊張感が少しだけ落ち着くのを感じた。

部屋の中にあるもので音を出す
どんな音が出るか
振ったり叩いたりしながら音を出す
普段は音を出そうとしてその物を扱わない
意外と鈍い音や予想通りの音
どんな音が出るかを楽しんでいた。

声で音を真似をする
ドンドン、ガチャガチャ、カサカサ、
カンカン、ガタガタ、コツコツ
様々な音に溢れていた
音を声に出す
ちょっと照れ臭くて、呟く程度の声で言った。
こんなに擬音ばかりを発するのはいつぶりだろうか。

擬音語を言いながらエアーキャッチボール
いざ、擬音語を言おうとするとなかなか出てこない
レパートリーが少なくて困った。
けれど、自分やひとの表情が少しずつ和らいでいくのがわかって、楽しくなっていった。

様々な言葉に触れる中で、そのまま発することを忘れていたのかもしれない。

示されたものの名前を答える
敢えて、でたらめな空想を話す
想像を膨らませることはやっぱり楽しい。
ひとの空想世界に触れることもわくわくした。

家にいる「何か」について話す
何がいるのか、何故家に来たか、いつから居るのか
家で何をしているのか、どうやって来たのか
想像を膨らませる

その「何か」について、詳細を質問される
「何か」を想像しながら、設定を作り上げる
何でもありの世界
ただ、自分が感じたこと、考えたことが全て
正解も不正解も、ない
全て正解
その世界が全て
その前提が、自由が、わたしを安心させた。

②脳と遊ぶ
自分の傾向を知るためのワーク

子供の頃に描いていたものを思い出して描いてみる
どんなものが書きやすいか
空想、一人称、読んでくれる人がいるか、など
どれが書きやすいかで自分の傾向を知ることができる

テーマに対して思いついたものを書くこと
絵からのインスピレーションで書くこと
音からのインスピレーションで書くこと

それぞれをきっかけに書くワークを行った

人それぞれ得意の傾向が違う
得意なことが着想のきっかけになる

自分の傾向がわかって面白かった。
わたしは俯瞰して書く。
一人称として主人公は居るのだけれど、その更に上に立ち全体を見ながら書いていく。

絵から物語を創り出すのが得意。
空想の世界がどんどん広がる。
絵が好きなのも影響しているだろうか。

その次に音。
絵ほどの直感的な広がりはないが、何度も聴き込むことでその音の世界に没入していく。
繊細な音の変化から想像を膨らませていく。
心地よい空気に包まれて、映像が広がっていく。



③脳を開く
小説でもエッセイでも詩でもいい
ひとつの作品を作り上げていく
書くテーマを決めるにあたり、まずは素材集めから
ZENマップを書き上げた
紙に渦を書いて指定された単語からスタートし、連想ゲームのように広げていく
そのとき自分が気になっていることや自分がすきなものが端々に垣間見えた。

2人1組で感じを深掘りするインタビューワーク
インタビュアーはプロデューサーの立場で「この人に書かせたら面白そうだな」という視点で質問を繰り返す
書いた人は、書きながら感じたことに注目し、味わいながら言葉にする

第三者の視点は面白かった。
自分では繋がると思っていなかった単語が実は繋がっていたり、物語をより面白くするスパイスになったりする。
迷わずに書き進められたポイントを尋ねて頂いて、そこの部分の想像を広げたら物語の景色がみえてきた。

他の受講者の話を聞くことも興味深かった。
そのひとの世界に入る。
どんな世界が広がっているか知る。
描きたてのその世界は鮮明で、語るひとは皆生き生きと楽しそうな表情をしていた。その世界を共に味わえることに喜びを感じた。

時間が限られているからこその集中力。際限なく書き続けるのではなく、一旦区切ることも大切なのだと気付いた。
その時間で設定を書き出した物語がまだ途中だ。
設定を決めてから約半月経ってしまった。
書き終えたい気持ちと、書くなら細部まで創り上げたい気持ちが葛藤し、後者が勝っている。
未完了のタスクがあって、やるべきに囚われている。
優先順位を下げてしまっている。
でも、物語の続きを書きたいな。
一日の中で少しだけ時間を作ってみようか。
今決めた。書こう。

どう、感じたか。

直後の感想は、楽しかった!に尽きる。
4時間半があっという間だった。
書くことを生業にしているひとたちと、書くことの話が出来たことも良い経験になった。
頭をフル回転させていたため、疲れているはずなのだが、講座の後も物語を書いていた。書くことを止めたくなかった。区切りを付けたはずの作品の、その先の物語が次々と浮かんでくる不思議な体験をしていた。
『5感で書く』ことができていたからだろうか、身体が創造を、物語の世界を求めていた。
このワークを実践すれば、またこの不思議な体験ができるだろうか。また自分の世界に没入したい。

なぜ、書くのか。

一様に書くといっても、様々な意味合いを持つ。
記録としての文章
自分の世界に入り込む文章
誰かに伝えるための文章
何のために書くのか。
その目的によって文体は変化する。

自分の世界に入り込むことは自分を知ることに繋がる。
書きたい内容、そのテーマにした理由を探ると、真意が見えてくる。
最近自分の興味が向いていることが全て繋がりはじめていて、面白い。

書くことでより深く自分を知る。
わたしにとって書くことはその手段に他ならない。

自分のために書く。しかし、それ以上の意味を宿すことがある。自分のために書いた文章が、思わぬところでひとの心を動かしている。そんな経験をした。

わたしの世界に触れて、ひとの心が動くのはどうしてだろうか。
わたしの経験とそのひとの経験に重なる部分があるのか。そのひとが考えていることのヒントになるのか。そのひとの感受性が豊かなのか。
理由はひとそれぞれだと思う。

どんな理由であれ、少しでも人に響くのならば、それはとても喜ばしいことだ。
自分のため、と書いたが、真意はそれに留まらないのかもしれない。同じような経験をしているひとに伝えたい。経験をしていなくても、文字を追うことでそういう出来事があるんだと知ってほしい。

本当は誰かに届けたい。
その想いに気づいた。

わたしの文章が誰かの役に立つといいな。
そんな願いに気づいた。


これからも、書き続けようと思う。

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