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秋学期の授業紹介

ミネルバに興味がある人と話しているとよく「ミネルバの学生って実際何勉強してるの?」という質問をよく聞かれるので、私が今学期とっている授業を紹介したいと思います。確かにミネルバについての記事等を読んでいると世界7カ国行くことや授業が全部オンラインのことばかりで、大学で一番大事なアカデミックな部分についての話があまりなかったので、そう言った部分を中にいる人の目線で紹介できたらと思います。

ミネルバの履修のシステムをざっくり説明すると、一年目は学部にかかわらず全員全く同じ授業を受けます。全4科目、分野横断型で各分野の入門コースというよりかは社会で生きていくために必要なスキル80個くらいを一年かけて学んでいきます。交渉とか、ちょっとした統計のスキルとか、アートの批評・分析とか、科学文献の批評とかどの分野に進んでも結局は必要になることを全員で基礎固めします。

一年目の途中に専攻(学部)を決めて、2年目からはそれぞれの専攻の必修を取っていきます。専攻を決めると言っても結構緩くて、途中で「やっぱこれ合わないわ」と言って変える人もザラにいます。私も自然科学専攻で決めていましたが、諸事情あってつい最近数学専攻に変更しました。あんまり遅いタイミングで変えると必修などの要件が満たせなくて4年で卒業できなくなってしまうので慎重になるべき部分もありますが、周りでも「やっぱりOO専攻に変えよっかな〜」とか「ダブルメジャー(二つ専攻を取ること)するつもりだったけど、やっぱ片方をマイナー(副専攻)に落とすわ」という話をよく聞きます。

1年目はこの5学部の中から一つ選んで、2年目以降はさらにそれぞれの学部内の学科を決めて絞り込んでいく(詳しくは大学公式ホームページを参照:https://www.minerva.edu/undergraduate/majors-concentrations/)

ということで今年は自然科学(NS)の授業を二つ、数学の授業を一つ取りました。1学期マックス三つまでしか取れないので少なく見えますが、一個一個の授業でやることがたくさんあるので勉強量としては同じくらいになるのではと思います(日本の大学行ったことないので詳しくは分かりませんが…)

CS111 Single and Multivariable Calculus (単変数・多変数微積分)

日本語に訳すと漢字が多くて難しそうに見えますが、中身は高校数学の数IIIに毛が生えたくらいでミネルバの理系民には楽単として知られています。ただ毎週日曜日に問題集の宿題のようなものが課されるので毎週末これが終わるまでテンションダダ下がりです。個人的なありがたいポイントは授業前の予習で文章を読まなくてよくて動画と例題を解くだけなのでその他の授業で読み物が多い時にさらに読む必要がないこと。

私は高校生の時にAPという試験のためにアメリカの大学一年生レベルの数学をすでに勉強していたのでほとんどの内容は復習感覚で、その分新しいことを学ぶ新鮮味はあまりないです。他二つの授業が今まであまり勉強してこなかった分野なので一つくらい余裕を持ってできる授業があるのはありがたいですが、せっかくなら未知の分野にもっと時間使いたいなーと思うことも時々あります。

NS112 Evolution Across Multiple Scales (進化論)

自然科学専攻の必修の一つで生物寄りの授業。進化論を噛み砕いて勉強していく授業で。とにかく読み物が多い!専門用語だらけの科学文献を読んでそれに基づいてディスカッションしないといけないのでちゃんと理解できてないと授業に全くついていけなくなるという悲劇に陥ります。生物をやったのは中三が最後なのに急に大学レベルの生物に放り込まれる(というか自分を放り込む)羽目になりました笑。でも生物学オリンピックのメダリストのルームメイトによると一番余裕な授業らしいです。内容がわからない時によく助けてもらってます。

個人的に一番難しくて大変な授業ですが、その分初めて知ることが多いので知らないことを勉強している新鮮味は一番あって楽しいです。先生は進化論の専門家なのでたまに予習にないディープな質問で当てられて頭が真っ白になりますが、クラスのメンツも面白くて優秀な人ばかりなのでとても刺激になります。

NS111 Implication of Earth's Cycle (地球科学)

こちらも自然科学専攻の必修科目ですが、NS112に比べるとこちらはより地学に近いアプローチです。ビッグバンから始まり今の地球がどのように形成されていったかさまざまな証拠を用いて紐解いていきます。結構互いに内容が被っている部分もあって、この授業で生命の発展についてやるときに進化論の授業の初めの方に学んだ分子系統樹(生物の進化を時系列順にまとめた図)を使ったり「これ前にこの授業でやったな」というリンクが見える時ちょっとテンションが上がります。

先生が岩が大好きなので鉱物の話になると実際の鉱物を持ってきて見せてくれたりもします。ミネルバのNSの先生は採点に厳しいことで有名ですが、この授業は例外で相当間違ったことをしなければ普通に平均点を取れる授業になってます。課題も授業でやったことの復習+ちょっとした発展事項を探してみるというスタイルなのでひどく重くはないのですが、予習の読み物が結構分かりにくい本なのでよくつらくなります。

来学期は専攻(学部)を変えたので数学やコンピュータサイエンス系の授業が増える予定ですが、まだ履修登録が確定していないのでお楽しみに。

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