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シャドーインサイダー取引

 本マガジンは時事ネタ(主に経済)をトピックに呟く分量の短いシリーズです。考察も含まれますが感想メインです。 

1. インサイダー取引の高度化

先日の日経で以下の記事が気になりました。

 技術の進化に応じてインサイダー取引の手法も高度化しているという事例です。本件では個別株を用いず業種別ETFなどを用いて間接的にインサイダー銘柄を取引するという手法が紹介されています。 

 規制と不正はいたちごっこであるため、抜け穴が発見されては塞がれての繰り返しとなります。米国の場合、業種別ETFにもある程度、流動性があるので問題なさそうですが日本株の場合には流動性観点から同手法は厳しいかもしれません。 

 記事を読む限り、異常検知にデータ分析が活用されていますが大規模データの処理にはAIの活用も含まれているかと思います。技術の進化がこれまで表面化してこなかった不正の実態を明らかにするというのは素晴らしいです。 

 この手法の場合、大きな取引高であればシステムの異常検知に引っ掛かるように見えますが、少額の取引の場合はどのように判定されるかが気になりました。 

 あわせてM&A情報を利用して競合他社の株式を売買したケースでもインサイダー取引に該当、というのは少し驚きでした。実態を見ればその通りですが、形式要件にだけに捉われる場合、このような判断には至らないと思います。 

 シャドーインサイダー取引は従来のインサイダー取引よりも発見が困難であることは間違いないため、技術を活用した高度なデータ分析が不可欠となります。

 注文を受注する証券会社には不正な取引を防止する義務がありますが、従来通りの運用方法では対応が難しくなってきています。 本件は証券会社では売買審査部門が管轄するところですが、バックオフィスの高度化はどこもあまり進んでおりません。

 アナログな手法では市場に出し抜かれ、最終的には投資家の信頼を失うことに繋がります。非収益部門における業務管理態勢の高度化の必要性を感じました。

※記事のネタがAIの活用絡みでしたので実験的にサムネ画像を生成系AIを利用して自動生成してみました。

 

 

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