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インターオペラビリティ問題は、ブロックチェーンに限った話じゃない

インターオペラビリティとは直訳すると「相互運用性」のこと。ただ、相互運用するためには、個々にあるものを”標準化”=”統一化”することと同様の意味を持つ。

異なるブロックチェーンや台帳により管理されているフィアット通貨や仮想通貨といった価値記録媒体が、それぞれのネットワークを超えて相互に交換できる状態を確保することを指す
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相互運用するためには、ブリッジが必要ですうん。「ブリッジ」と一言で言うたかて、2種類のブリッジがあるとのこと。

ブリッジの種類

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Trusted and centralized bridges (left) vs. interBTC’s decentralized and economically trustless design (right)

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①スマートコントラクト同士のブリッジ

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右の図

これは、 Ethereum と Solana, Avalanche, Near, and Polkadot 等を結ぶブリッジのことを言います。このブリッジは今のところ”中央集権的なアプローチ”を使うことで実現してる。

※例外として、NearのRainbow bridgeSnowFork bridgeなどは技術的な課題を克服することで、スマコン同士を繋げている。

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②スマコン搭載していないものと、スマコン搭載とのブリッジ

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左の図

これは、スマコンを搭載していないBitcoinや、 Ethereum, Polkadot, Solana, Cosmos のようなDeFiプラットフォームをブリッジすること。

スマコンを持っていないと、Ethereumの状態を自動的にチェックしてBTCをロック/アンロックすることができない。故に、中央集権的に管理されているんです。

相互運用性の歴史

と、まあ。記事読んでも正直なんで相互運用性が大事なんって話なんで歴史見てみよってことだあ。

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①産業界において、情報化が進展することでコンピューターが普及する
②各企業内で使用されるものであり、各部門で独立して使われるもの

↡ ただし、メーカや機種を変更すると互換性がないと担当者は苦労する
例)操作手順た命令言語、キーボードの配列が異なると辛いねって話

③オンライン化することで、本社と各支部が繋がっていないと不便
④産業界全体で、使うのと使わないで効率化に差が発生するために、競争関係にある企業間は、強制的にオンライン化の道に進む

↡ ※競争化にない官公庁や独占企業はその流れに遅れていく傾向

⑤オンライン化に伴い、企業”内”での相互運用性が確立されて初めてオンライン化が可能になる。
⑥オンラインシステムの共同化へと舵を切る。これは、自社のみをオンライン化しても、その取引先や下請け企業もオンライン化(統一)しなければ、オンライン化する効率を達成できはしない。

大手がオンライン化し始めると、競争企業にある中も、”対抗上”オンライン化せざる得なくなる。これは、顧客維持のためである

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個別企業の情報化

業界内の情報化

系列内の情報化

国民生活や社会生活の中に情報化

インターオペラビリティにおける手順

①オンライン化に伴って、「通信」分野において国内、国際間ともに技術基準や接続手順を確立することから始まる。

※日本の場合、
公衆電気通信法によって通信回線の共同利用に制約が課されていた。

②基盤を作れば、フォーマット/コード/プロトコル分野における標準化が行われることで、相互接続ができるようになる。

↡ 

・オンライン化することで、決済等が行われると”銀行法”の制約に接触する
・予約等のシステムが接続すると、”旅館業法”に違反することも
・ネットショッピングにおけると、夫 々所 管 の 法 律 に 抵 触 す る

③最終的には、民法/商法/刑法といった基本的な法律にまで影響が及ぶ
※新しい進展には、古い法制度が阻害要因となる。

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競争すべき領域と、インターオペラビリティをとって協調するべき領域をどう区分するかによって、その企業の将来性を見込むことができる。

こういう環境において、先陣を切るのは大手企業になるため、中小企業は、その直属に入るか、合同連盟を作るかどちらかの戦略をとる必要がある。

インターオペラビリティの事例(金融業)

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全銀システム(振込など、国内の為替取引を行うために銀行間で利用されているオンラインのデータ通信システム)の国際版ともいえる、SWIFTの図。

※日本では、国際回線と集配信センターの運営をKDDIが担っている。

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統一としてのインフラが整えば、そこにアクセスするための間口を拡大するために、CDやAD、ATM等の自動機器の導入が行われる。さらに、キャッシュカード一枚で、買い物ができたり引き出しや預け入れがどこでも可能になる。

このように実需として使われ始めることで、法規制は緩和されていく。そこ都度に金融では”競争と協調”の中で、他業界ネットワークとの接続、業界ネットワークの統合が図られていく。

これから

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米国における決算インフラは、上記にようなソリューションを持ったものを良しとしたけれど、米国自体が”どれがいい”と決めたわけではなく、個々のユーザーがどのインフラを利用するか、ユーザーが自由に選択でき、将来の各決済インフラの勢力図は、あくまで、マーケットで決まっていくという立場をとる。

※ただし、複数のインフラの併存を目指すのであれば、円滑に決済が実行できる環境になる必要がある。

http://www.nicmr.com/nicmr/report/repo/2017/2017aut02.pdf

まとめ

”インターオペラビリティ”問題は、なにもブロックチェーン分野にのみ関わるわけじゃない。

どんな分野にでもあること。それを知りたかったら各分野の事例を知れば、今後新しいモノがでてきても人間が作るものなら、その歴史を繰り返すんじゃないかって話うん。


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