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第16回 マイクを掴んだそれ故に

神戸とゆっても六甲山の向こう側だと同じ神戸でも全然違う

どうもRAP狂四郎です

Kダブシャインの楽曲を聴きいてもたってもいられなくなり、RAPをやると決めたがいかんせん片田舎でそんなカルチャー誰も知らない(まぁ、やってる人がいたらやらなかったと思う)スマホもない、何も情報もない時代。
色んな人の楽曲を聴き、曲の中から情報を得た。
どうやらみんな機材はアカイってのを使ってる。
三ノ宮の楽器屋に買いにいった。少ない給料を貯めた10マンを握りしめmpc1000を買った。
当然、教えてもらえる人なんかいない。説明書片手に毎日毎日mpcを叩きサンプリングする日々になった。次の日仕事だろうが関係なかった。無我夢中だった。何の音楽的知識もなかった。
毎日毎日触る。レコーディング雑誌を読む。明けても暮れてもそれしかしなかった。楽しいとゆうより充実してた感じだ。
それと並行し、ラップも毎日練習した。小節やリズム、ライム、フロー、わからない事ばかりだったが見様見真似でずっとずっとラップをした。
取り憑かれたように。見る物全てに対しライムを考えラップした。

ライブがしたかったからだ。後で現場で知ることになるが、当時はオリジナルトラックじゃなくても向こうのラッパーのオケを流してライブしている人もいっぱいいた。オリジナルトラックを持ってライブしたら驚かれたもんだ。

ネットカフェが近くに出来て、どっかライブやイベントがないかと探したら三ノ宮のピーズとゆうクラブで毎週月曜日無料で参加できるオープンマイクイベントの情報を得た。そもそもオープンマイクの意味すら知らなかった。
覚悟を決めて行く事にした。正直めちゃくちゃびびった。深夜イベントなんて行った事もない。ましてや三ノ宮。クラブも初だ。近くにいくと明らかに雰囲気が変わってくる。雑居ビルの地下、爆音が響いてる。1人きり。心臓がはちきれんばかりだった。

一応、16小節だけ準備していた。

扉の近くにイベント名が

ビックリマンデー

扉を開けると、重低音で煙で真っ白。ステージでラップしてる人がいた。ステージの上の横に数人ラッパーがいた。どうやら順番待ちをしてる感じだ。

オープンマイクとはフリースタイルでラッパー達が順番で繋いでいくとゆうフリースタイルイベントだったのだ。フリースタイル?はにゃ?

とりあえずテーブルに座り様子をみた。ある程度ラップしたら途中から違うラッパーが入ってフリースタイルする、そしてある程度フリースタイルしたらまた違うラッパーが入ってフリースタイルをする。フリースタイルってのは即興ラップだぜ?

マジ?ホンマに即興?いや、8マイル公開前やで?

喋りかけてくれた人がいた。神門くんだった。
彼も最近出入りしてるとゆっていた。とりあえずやってみたら?とゆわれたので

やってみたが

まぁお察しして下さい

このビックリマンデーには後の神戸シーンを引っ張る早々たるメンツだった。
神戸薔薇尻、神門、zigen、hrcなど凄いラッパー達が集まっていた。

そこからフリースタイルを練習する日々になっていく。

寝ても覚めてもラップだ。それが今も続いている。

そこに感情はなかったような気がする

ただ無我夢中に一心不乱に

あの時マイクを握った時からRAP狂四郎は取り憑かれたのかもしれない

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