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ヤング・サグとJコールのイケイケなセルフボーストを読む。(Young Thug - "The London" feat. J.Cole & Travis Scott)

Writer:@raq_reezy

今回は、ヤング・サグが、Jコールとトラヴィス・スコットを客演に招いた曲「The London」を解読していきたいと思います。

「The London」というのは、ビバリーヒルズに立っている高級ホテルのことです。

(Booking.comより)

ちなみに、Booking.comで確認してみると、スイートルームで一泊4.5万円程度となっています。

(Booking.comより)

興味がある方は泊まってみてください(笑)

ということで、歌詞の中身を見ていきましょう!

コーラス(Travis Scott)

Me-meet me at The London
If you find time, we can run one
Talk about some things we can't undo
You just send the pin, I can find you

【意訳】
「ザ・ロンドン」で待ち合わせしよう
もしも時間があったら、計画を実行しよう
巻き戻せないことについて話そう
居場所のピンだけ送ってくれれば、俺はお前を見つけられる

*トラヴィス・スコットが、ザ・ロンドンで待ち合わせて遊ぶ計画について歌っています。

*ピンというのは、居場所をマップ上にピンを刺して、メッセージを送ってくれればいいということですね。今っぽい。

6'1", on the money, 9'2"
You just say the word and I'll run through
Two texts, no reply, that's when I knew
I knew, I knew, yeah, I knew

【意訳】
俺の身長は6フィートと1インチ、金の上に乗れば9フィートと2インチさ
お前は、あの言葉を言ってくれればいい、俺は駆け抜けていく
2回のテキスト、返信はなし、その時、俺は気付くんだ
知ってた、知ってたさ、知ってたんだ

*トラヴィス・スコットの身長は6フィートと1インチですが、お金を積み上げた上に立てば9フィート2インチになる、つまり3フィート1インチ分のお金を積み上げられるというアピールになっています。ちなみに、トラヴィス・スコットの保有資産は推定22億円ほどだそうです。夢がありますね。

1バース目(J. Cole)

Yeah, circumnavigate the globe as the cash grows (Grow)
Get a nigga whacked like you get the grass mowed (Mowed)
I'm talkin' slick when I'm with the Big Slime, nigga (Slime)
Could hit your bitch, you could never hit mine, nigga (Mine)

【意訳】
いくぜ、資産が増えるにつれて、世界を一周するようになる
まるで芝を刈るように、他のラッパーたちを鞭打つ
ビッグスライムと話してるとき、俺は饒舌さ
お前のビッチとヤることもできる、逆は起こりえないぜ

*Jコールは売れてお金を手にしただけでなく、ツアーなどで世界を回ることができるようになったことをアピールしています。

*ビッグスライムというのは、ヤング・サグのニックネームです。

*Jコールはとても有名なので、彼氏がいながらもJコールと関係を持ちたいという女性は後を断たないようです。一方で、逆にJコールの彼女が他の男と関係を持ちたいと思うことはないくらい強い信頼で結ばれていることを歌っています。

In my DM, they electric slide, nigga (Huh, slide)
No catfishin', this is not a fish fry, nigga
Never switch sides on my dog
Catch a contact, hitch a ride, go to Mars
Everybody sing

【意訳】
俺に会いたいってDMがエレクトリック・スライドダンスみたいに滑り込んでくる
偽物のペルソナで誘惑したりしない、ナマズの揚げ物じゃないのさ
俺の仲間を決して裏切らない
連絡先を聞いたら、運転して火星に行くのさ
みんな歌ってくれ

*英語では、DMが送られてくる様子を「DMが滑り込む」と表現しますが、ここでは「エレクトリック・スライドダンスのように」という比喩がくっついています。エレクトリック・スライドダンスというのは、アルシア・グリフィスというアーティストの「Electric Boogie」という曲のミュージックビデオに見られる、4列に並んで行う大人数によるラインダンスです。つまり、JコールがDMが大人数から次々と送られてくるということを歌っているのです。

*インターネット上ではプロフィールを盛ることができます。プロフィールを盛れば、たくさんのDMを受け取ることができるかもしれませんが、Jコールはプロフィールを盛ることなく、多くのDMを受け取っています。ちなみに、インターネット上で偽物のペルソナを演じたり、プロフィールを盛ることを「Catfishing」というらしく、そこからナマズの揚げ物とワードプレイで繋げています。

How could you come up out your face
And say I ain't the hardest nigga you done ever heard?
I left a flock of rappers dead and buried
A verse from me is like 11 birds
Just did the math, that's like two thousand dollars every word

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