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【和訳】全方位に向けて反撃の狼煙をあげまくるエミネムのラップを解読する(Eminem - "Fall")

Writer:@imamole_

今回はエミネムの新曲『Fall』の対訳をシェアさせて頂きます。

エミネム(本名:マーシャル・ブルース・マザーズ3世)は、ドクター・ドレーのプロデュースによって1999年に『ザ・スリム・シェイディLP』を発表。その後は、圧倒的なラップスキルと過激なリリックで、ラップゲームにおいてその名を広めた、デトロイト出身のラッパーです。

また、貧しい生い立ち、黒人社会の中でひとり白人として勝ち抜いてきた経歴、薬物中毒で死に際を彷徨った過去を背負いながら、見事に今でも大御所として活躍を続けています。

そんな彼が8月31日に突如発表した、1年ぶりとなる10枚目のスタジオアルバム『Kamikaze』では、現在の音楽業界におけるメインストリームや流行りのラップスタイルに対しての疑念、多方面に向けられたディス、不振を振るった自身の前作アルバムへの言及、ヒップホップとロックのミクスチャー音楽を確立した白人3人組Beastie Boysの『Licensed to Ill』のジャケットパロディなど、オーディエンスを楽しませてくれる内容で盛り沢山です。

そんな中でも、彼の熟練の押韻とリリックの濃厚さ、そのラップスキルを存分に見せつけたのが、Mike WiLL Made-Itによってプロデュースされた、この曲『Fall』ではないでしょうか。

それでは、さっそく彼のラップを解読してみましょう。

イントロ(Eminem & Justin Vernon)

You know, everybody’s been tellin’ me what they think about me for the last few months
It’s too loud
Maybe it’s time I tell ‘em what I think about them
Can’t hear it coming down the hallway stairs from the parking lot
It’s too loud
Three’s not a crowd all up in it, slow fire

【意訳】
ここ何ヶ月かみんなが俺についてどう思ってるか話してるだろ
騒がしい
そろそろ俺がどう思ってるか言おうか
駐車場から、廊下を歩く音は聞こえない
騒がしい
お喋りな3人がいれば、それは十分な起爆剤

サビ(Justin Vernon)

Don’t fall on my face
Don’t fall on my faith, oh
Don’t fall on my fate
Don’t fall on my faith, oh
Don’t fall on my fate
Don’t fall on my-

【意訳】
俺の顔に泥を塗らないで
どうか俺の信念を曲げないでくれ
俺の運命を踏みにじらないで
どうか俺の信念を曲げないでくれ
俺の運命を踏みにじらないで
どうか俺のー

1バース目(Eminem)

Gotta concentrate, against the clock I race
Got no time to waste, I’m already late, I got a marathoner’s pace
Went from addict to a workaholic, word to Dr. Dre
In that first marijuana tape—guess I got a chronic case (yeah)
And I ain’t just blowin’ smoke, ‘less it’s in your momma’s face

【意訳】
集中しないと、時間との闘いだ
グズグズしてもいられない、すでに出遅れてるんだ、マラソン選手の速さで行こう
薬物中毒者から今じゃ仕事中毒者、ドレーのお陰だ
あの初めてのアルバム『2001』で、俺は彼のように働き者に変わったんだ
ただ悪口を言うわけじゃないさ、お前のママと面と向かわない限り

*イントロに留まらず、『Revival』以降に受けた批判に対して沈黙を破り、アンサーを返そうとしています。

また、完璧主義であるドレーと共に仕事をし始めたことで、彼の仕事ぶりに影響を受けていると歌っています。

I know this time Paul and Dre
They won’t tell me what not to say (nope)
And though me and my party days
Have all pretty much parted ways

【意訳】
ポール、そしてドレー、今回はわかってるよ
二人とも何が禁句なのかを教えてはくれない(決してない)
今の俺は薬物漬けの日々とは無縁の人生を歩んでいるんだ

*過去に、アンビエンやヴァリウムなどの処方薬に依存した末、死に際ギリギリまで陥った経験がある彼ですが、見事に2008年からは一切のアルコールやドラッグを断っているそうです。今年の8月には、アルコール中毒者更生会からその努力を称えられた証であるコインを与えられたことを、SNS上で明かしていました。

You’d swear to God I forgot I’m the guy that made “Not Afraid”
One last time for Charlamagne
If my response is late, it’s just how long it takes
To hit my fuckin’ radar, I’m so far away

【意訳】
自分が「Not Afraid」を作った男だって忘れてたよ、神に誓ったじゃないか
最後にもう一度だけシャーラメインにディスを
俺の返答が遅いなら、ただ単にそれぐらいの時間がかかるってだけ
だって俺は遙か彼方にいるんだから、注意を引くのは難しいのさ

*アルバム『Recovery』の代表曲である「Not Afraid」で、エミネムは「もうビーフやドラマは御免だ」とラップしていましたが、この曲中で、既に彼は複数人に対して攻撃(ショット)を送っていることが、最初のラインの意味合いですね。

そして、ラジオ『The Breakfast Club』の司会、シャーラメイン・ザ・ゴッドが彼の前作を批判していたことに対して、最後のディスを向けています。(「もう一度だけ」は、収録曲「The Ringer」と「Kamikaze」で、既に彼については言及している為)

These rappers are like Huger Games
One minute, they’re mockin’ J
Next minute, they get their style from Migos or they copy Drake
Maybe I just don’t know when to turn around and walk away
But all the hate, I call it “Walk on Water” gate

【意訳】
このラッパー達はまるでハンガーゲームのよう
すぐさま彼らはJay-Zの真似をして
次の瞬間にはミーゴスのスタイルを盗むかドレイクを真似するんだ
きっと俺は振り戻って立ち去る時を知らないだけなのかも
だけど、全てのヘイトを、”ウォーターゲート事件”って呼んでやる

*現在のラッパー抗争図を、生き残りを争うサバイバル映画『ハンガーゲーム』に例えています。モッキングジェイ(mockin' J)は同シリーズ映画の最終話のタイトルです。また、すぐに他のラッパーのフロウを真似るラッパーを、モノマネを得意とする鳥の一種・モッキングバードに例えています。

ウォーターゲート事件は、ニクソン大統領の辞職に到った政治スキャンダルです。エミネムは、評判が微妙だったシングル「Walk on Water」に対するヘイトと先ほどのスキャンダルを写し重ねているのでしょう。もしくは、「不可能を可能にする」という意味の「Walk on Water」の通り、同曲を嫌った聴衆を今回は見返す、という意味合いで表現しているのかもしれません。

I’ve had as much as I can tolerate
I’m sick and tired of waitin’, I done lost my patience
I can take all of you motherfuckers on at once
You wanted Shady? You got him!

【意訳】
耐えるにはもういっぱいいっぱい
じっとするにもうんざりするし、もう辛抱できない
野郎全員を一気に打ちのめしてやる
シェイディが欲しかったんだろ? ここにいるじゃないか!

*ここでも『Revival』以降に受けた全ての批判に、もう我慢がならない心情が伺えます。

シェイディは言うまでもなく、彼の別名義"スリム・シェイディ"のことであり、デビューEPのタイトルにも使用されています。ちなみに、この"スリム・シェイディ"という言葉は、トイレに座っている時に、たまたま思い浮かんだそう。

2バース目(Eminem)

Somebody tell Budden before I snap,
He better fasten it or have his body bag get zipped
The closest thing he’s had to hits is smackin’ bitches

【意訳】
俺がやる前に誰かバドゥンに言ってやれよ、
俺が遺体袋の中に奴を閉じ込めるか、自分でジッパー締めるか
彼もビッチを殴ったりして似たような事をしたことがあったよな

*ジョー・バドゥンは、トークショー『Everyday Struggle』の元司会者であり、『Revival』発売前にアルバムを批判し、更にシャーラメインと共にエミネムをディスっていたので、それに対するショットですね。最後のラインは、以前にバドゥンが元恋人に暴力を振るったことが原因で逮捕された件と繋げています。

そして、「button(ボタン)」の同音異義語である「Budden snap(丸い留め金)」、「fasten(ひもなどで結ぶ・留める)」、「zip(ファスナーやチャックを締める)」と、3行を使って衣服に関連して言葉遊びをしている部分も面白いですね。

And don’t make me have to give it back to Akademiks say this shit is trash again,
I’ll have you twisted like you had it when you thought you had me slippin’ at the telly
Even when I’m gettin’ brain, you’ll never catch me with a thot

【意訳】
あとDJ Akademiksにまた「このアルバムはゴミだ」って言わせないでくれよな
お前をコケにしてやる、まるでお前が、俺とテリーがヤってると思っていたように
たとえヘッドジョブされてる時でも、俺がアバズレとヤることはないさ

*そして、またまた同じ様に『Revival』関連で彼を批判した、『Everyday Struggle』の司会者でもあるDJ Akademiksをここでは攻撃しています。

ホテルの部屋にエミネムと女性が共にいる映像がネット上に流れた際に、彼がそれを非難した事に対してもここで反撃していますね。結局その映像はただの『River』のPVの一部で使用されたものでしたが。

Lackin’ with it, “he ain’t spittin” like this on his last shit”
Ho, you better go back and listen
You know me better, thinkin’ I’ll slow or let up

【意訳】
「前のアルバムではこんな風にラップしてないじゃないか」
ホー、もう一度聞き直してみたらどうだ
俺をよくわかっているくせに、低迷していくか辞めちまうかだろうって考えてるんだろ

*エミネム本人は、『Revival』をそこまで悪い作品でもなければ、優れている訳でもないと過去に言及しています。そして、彼の人気が下落するか、彼が引退するかの二つの末路だけを予想しているDJ Akademiksを、皮肉ったラップしているようです。

Call it trap ‘cause it’s a total setup
Hopin’ that you rappers fall in that

【意訳】
完全な仕掛けがあるからトラップって言うんだ
お前らラッパー達がその罠にまんまと引っかかるがいい

*この「完全な仕掛け」とは、彼が今作の中でLil XanやLil Pumpなどのありふれた流行りのトラップ・ラッパーたちに送ったディスに、彼らが上手く引っかかって、それに対してディスのラップを返したとしても、エミネムは彼らが自分よりも優れたラップを出来ないことを知っているという意味です。

Dre said, “Hold your head up!”—Kathy Griffin
Stackin’ ammunition, slap the clip in, cock it back on competition
This is how I shot ahead (pew)—Gabby Giffords
My attack is vicious, Jack the Ripper, back in business

【意訳】
ドレーは言った、"堂々と振る舞いなさい!" —キャシー・グリフィン 
銃弾を詰めて、クリップをあてがって、バトルの中でスライドを引くんだ
こうやって俺は人気を得たんだ(ピュー)—ギャビー・ギフォーズ
俺の攻撃は凶暴、現代のジャック・ザ・リッパーが舞い戻ったぜ

*キャシー・グリフィンは、偽物で作られたドナルド・トランプの血まみれ顔を手で吊るし持った写真を公開したコメディアンで、その意味合いで「あなたの頭を吊るし持ったわよ!」(Hold your head up!)と、ドレーからの助言に重ねています。

3行目は「shot a head(頭を撃つ)」と「shot ahead(人気を得る)」のダブルミーニングですね。更に、ギャビー・ギフォーズは、2011年にアリゾナ州のツーソンで頭部を銃で撃たれ、重症を負った政治家です。

ジャック・ザ・リッパー、通称・切り裂きジャックは、1888年にイギリスで発端した連続殺人事件の犯人の呼び名であって、現在でも犯人は不明。ちなみに、この事件の被害者第1号が殺害された日、今回のアルバムのリリース日、更にジョー・バドゥンの誕生日が8月31日と全部一致するのも面白いですね。

Tyler create nothin’ I see why you called yourself a (faggot), bitch
It’s not just ‘cause you lack attention
It’s because you worship D12’s balls, you’re sack-religious
If you’re gonna critique me
You better at least be as good or better

【意訳】
タイラー・ザ・クリエイターは、何もクリエイト出来ないじゃないか
なんでお前が自分を(ゲイ)って呼ぶのかわかるよ、ビッチ
ただ単にお前が間抜けだってだけじゃなくて
まるでお前がD12を敬愛をしてるようだからだ、この冒とく者め
もしお前が俺を批判するなら
俺並みかそれ以上に上手くやってみせろ

*以前にタイラーが「Walk on Water」を「最悪な曲だ」とツイートしてディスった事に対してのレスポンスです。ゲイだと公表している彼を「子供を作れない」という意味でcreatorとcreateをかけています。同性愛者を批判しているように受け取れることから、この部分は波紋を呼んでいます。

そんなタイラーは過去に、エミネムを尊敬しており、特に『Relapse』は彼の大好きな作品だと公言していました。ですが、このような不穏な関係に終わっているのは、タイラーが好意を見せつつも結局は彼をディスる結末となってしまったことが、エミネムにとっての「冒涜」だということかもしれません。D12はエミネム率いるゴリゴリギャングスタラップ軍団ですね、今はほぼ活動していないと思いますが。

Get Earl the Hooded Sweater
 Whatever his name is to help you put together some words,
more than just two letters
The fans waited for this moment like that feature when I stole the show (ha),
Sorry if I took forever (haha)

【意訳】
アール・ザ・フード付きスウェットだかを呼んだらどうだ
彼の名前はなんだろうとリリック書きを手伝ってもらえばいいさ
せめて「OF」の2文字以上をな
俺がショーを掻っ攫ってやったあの客演の時みたいに、ファンはこの瞬間を待ち望んでたんだ
もし俺が永遠に演り続けたらゴメン(ハハ)

*「もしも、このディスにレスポンスするのなら、Odd Futureの中でもライミングに定評があるEarlに手伝ってもらえ」と、更にタイラーを馬鹿にしています。彼の正しい名前はEarl Sweatshirtですが、ここで彼が適当な名前で呼んでいるのは、彼にとってはそれくらいどうでもいいという皮肉でしょう(笑)。

また、エミネムが特に強烈なヴァースを客演で放っている曲といえば、カニエ、リル・ウェインとドレイクが客演している「Forever」ではないでしょうか。エミネムがサプライズで登場するなり、大熱狂を巻き起こしたドレイクのデトロイト公演で、共に披露したのも同曲でした。最後にドレイクがお辞儀でまくし立てたりと、ファンの記憶に残るコラボです。

3バース目(Eminem)

Just remember, I was here before you
And I’ll be here after you make your run-in for you
Detractors, I might have to fuck Pitchfork with a corkscrew

【意訳】
覚えておけよ、俺は大ベテランなんだ
お前たちが1発売れて枯れた後もここに居座るつもりさ
中傷する奴ら共、俺がコルク栓抜きでピッチフォークをシメてやろうか

*音楽メディアPitchforkは、彼の『Recovery』に10点中2.8点と、かなり厳しいレビューをつけています。エミネム、かなり評価を気にする性格の持ち主なのかもしれません。

Just what the doctor ordered
Revenge is the best medicine
Increase the dose, from least to most

【意訳】
医者が出した処方箋
報復が一番の薬
最大限に服用量を増やすんだ

And then tell the Grammy’s to go and fuck themselves
They suck the blood from all the biggest artists like some leeches
So they nominate ‘em, get ‘em there, get a name to MC the show
Every parasite needs a host (haha)
Then give Album of the Year to somebody that no one’s ever heard of

【意訳】
あとグラミーは消え去ってくれよ
偉大なアーティストたちの血をヒルのように吸い上げるような連中
入選した彼らはただショーを見て、有名になって終わり
どのたかりも主催者が必要だろ(ハハ)
そして無名な誰かに年間最優秀アルバム賞を与える

*アーティストの血は、彼らの作品やお金を指しています、そして「leech(ヒル)」と「leach(ろ過)」で洒落を効かせています。

グラミーは開催の際に協賛してもらう「ホスト」が必要という点と、寄生虫と宿主(ホスト)はお互いに必要し合う存在という点でも重ねていると思われます。

All I know is I wrote every single word of everything I murdered
Time to separate the sheep from the goats (yeah)
And I got no faith in your writers, I don’t believe in ghosts

【意訳】
俺はリリック最後の一文字まで確かに自分で書いているんだ
さあ善人と悪人を分けてみようじゃないか
俺は作詞者をこれっぽっちも信用してない、お化けを信じないようにな

*「separate the sheep from the goats」は、マタイ福音書25章で綴られているフレーズです。聖書の中で羊は神の使いとして神聖な存在であり、その反対にヤギは悪者の象徴です。ここで自称ラップの神であるエミネムが言うのは、「流行りを追うだけのラッパー(sheep)」と「年代を問わず史上最高のラッパー(G.O.A.T、Greatest Of All Timeの意)」の区別をつける、の意味ですね。

更に、「お化け(ghosts)」と「作詞者(writers)」で、ゴーストライターを表現しています。この2行前で自身のライティングを主張しているように、彼は自分で自分のリリックを書かないラッパーを信用していないと言っています

これは2行後に続く”B-R-I-D”をBirdman(ドレイクが契約したcash money recordsの設立者 )と繋げて、ゴーストライター話題には付きもののドレイクに対するディスかもしれません。

When rap needed it most, I was that wing and a prayer
A beacon of hope, put a B-I-R-D in the air
Somewhere some kid is bumpin’ this while he lip-syncs in the mirror
That’s who I’m doin’ it for, the rest I really even care

【意訳】
ラップが最も危なかった時に、俺がその微かな望みであり
希望の光だったんだ、中指を立ててやる
どこかで子供たちがこの曲に合わせて、鏡に映る自分を見ながら口パクで歌ったりするんだ
まさに俺は彼らの為にラップをしているんだよ、それ以外は気にもしないさ

*「wing and a player」は、1942年に製作された米戦争映画の『フライング・タイガース』のシーンで登場するセリフです。劇中で米軍機が日本の航空機に攻撃され燃えてしまうのですが、これは今作のタイトル『Kamikaze』でも使用されているカミカゼ特攻隊に繋がる可能性もあります。

彼らのような強力な存在が、今のヒップホップに必要なんだというメッセージかもしれません。そしてエミネム自身が、若い駆け出しのラッパー達にとってそのような存在だったと示唆しているのでしょう。

「中指を立てる」というのは、そんな彼を疑ってきた人たちに対してでしょう。もしくは「鳥」を空に放って、先ほど述べた「希望」をデリバーしてもらう、という意味合いの可能性もあります。

以前から、彼は「子供達に影響を与えることが原動力である」と発言していますが、彼の幼少期の境遇が関係しているのでしょう。更に、彼は娘を溺愛していることも有名ですので、良いロールモデルでありたい思いも強いのでしょう。

But you would think I’m carryin’ a Oxford dictionary in my pocket
 How I’m buryin’ these artists
On a scale of ‘turnt’ you’re ‘minus’
Mine says ‘very’, yours says ‘hardly’
And what’s scary is you probably can compare me to your car ‘casue I’m just barely gettin’ started (woo)

【意訳】
だけど、俺がオックスフォード辞典をポケットに入れて持ち歩いてると思うだろ
どうしたらこんな言葉豊かににアーティストをディスるのかって
俺が上昇する段階でお前は下降
俺の言葉はいくらでも出てくるけど、お前はほとんど無し
俺が辛うじてエンジンを利かし始めたばかりに、お前の車と俺を比べるのは恐ろしいぜ

And far as Lord Jamar, you better leave me the hell alone
Or I’ll show you an Elvis clone
Walk up in this house you own, thrust my pelvic bone
 Use your telephone and go fetch me the remote
Put my feet up and just make myself at home
I belong here, clown, don’t tell me ‘bout the culture

【意訳】
あとロード・ジャマー、俺を放っておいてくれよ
もしくは俺がエルヴィスのモノマネを見せよう
お前の家で目覚めたら、腰でも突き出してやろう
電話を使ってお前はどこか遠くに失せてくれ
足を伸ばしてくつろごう
俺はこの世界に居座っているんだ、役立たず、知ったような口で俺にカルチャーが何か教えないでくれ

*最後のディスは「白人はヒップホップの世界においてよそ者だ」と言ったロード・ジャマーに向けられています。この「お前の家」は、黒人文化の世界(=ヒップホップの世界)を意味し、エミネムはよそ者などではなく、長い間に渡って「住人」だという風に主張しているのでしょう。

3、4行目では、エミネムと同じように黒人文化を盗用をしていると非難された、白人ロック歌手のエルヴィス・プレスリーの有名な腰を突き出すダンスを引用しています。

I inspired the Hopsins, the Logics, the Coles, the Seans, the K-Dots, the 5’9”s,
And oh brought the world 50 Cent,
you did squat, piss and moan
But I’m not gonna fall. . . bitch!

【意訳】
俺はホプシン、ロジック、J・コール、ビッグ・ショーン、ケンドリック、5’9”に影響を与えたんだ
そして50 centをこの世界に連れ出したんだ
お前はスクワットをするだけでメソメソするだろうが
俺は落ちたりはしないせ、、、ビッチ!

*いかに自分がヒップホップとそのラッパー達に影響をもたらしているか、前のヴァースに加えて強調しています。

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