自分はめちゃくちゃラッキーに恵まれ、もう一生困らないほどのお金を手にすることができたが、今の人生に満足しているかと言えば、全然満足していない。

20代中盤で起業した頃は、とりあえず年収800万くらい稼げれば幸せになれるかな？と思っていた。単純にお金だけの話しではなく、年収800万稼げるということは、社会である程度認められている証拠だと思ったからだ。

この目標は程なく達成。次の目標を1,500万に置いた。これもすぐに達成できた。次は3,000万、5,000万、１億、２億とどんどん金額を上げていき、それも運に恵まれ達成することができた。

でも全然幸せにはなれなかった。むしろ今度は売り上げが落ちたり、収入が落ちることに対して、恐怖を感じるようになっていた。

ここで「そもそも俺の人生にこんなにお金がいるのか？」ということに気づき、自分で給料をガンガンに下げだしてからは、収入増の呪縛からは逃れることができた。

そうなると心は次の幸せを探し出す。できる範囲で寄付したり、困っている人をサポートしたりしてみた。

それはそれで幸せなのだが、事業をやりつつなので限界があるし、自分ができることの幅がとても小さいことに悩むようになった。

もうお金は十分あるのだから、寄付やボランティアに本腰を入れるのも選択肢の１つかもしれない。ただそこに集中したとしても、きっとまた新しい悩みが出てくるし、不幸を感じだすことだろう。

結局人生はないものねだりの連続なのだ。

そのことを理解し、どこかで折り合いをつけながらやっていくしかない。そんなことを日曜日のタリーズでコーヒー（トールサイズ）を飲みながら思うのだった。そしてこんなことを延々と考えることができている時点で、自分はきっと幸せなのだろう。