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子供の性格って、変えられる?(その2)

次に、後天的な要素である3因子「性格」について、お話します。
この要素は、子供の育ち方(育て方)や環境によって、まったく変わってきます。
また、大人になってからも変えることができる因子です。

性格 
   ⑤自己志向性・・・自尊心。自分という存在や自分の行動に対しての信頼感。
  ⑥協調性・・・他人を思いやり、他人の気持ちを尊重しながら行動すること。
  ⑦自己超越性・・・現実世界を超えた自然や宇宙への関心。

まず、自己志向性(自尊心)について。
この性質は、性格形成の上でももっとも重要な因子です。
これがないと「気質」がすべてマイナスの方向にでてしまいますし、協調性や自己超越性も発揮できません。

自尊心(自己愛)を育てるためには、自分自身を欠点まで含めてありのままの自分を認め、受け入れて、そのうえで「気質」をいい方向に高めていく意思をもつことです。

そのためには、子供が思春期に入るまでに、

お母様(お父様)が、子供が失敗をしても

「だいじょうぶだよ。あなたができるやり方でチャレンジすればいいんだよ。」
「こんなふうにやってみたらどうかな。」
「あなたにはこんなすばらしいところがあるから、自信をもっていいんだよ。」
「そんな失敗をするおちゃめなあなたが大好きだよ。」

など、子供が「今の自分でいいんだ、こうすればよくなるかもしれない。」と今の自分が肯定でき、そこから1歩1歩進んでいけるようにサポートをしてあげることが大切です。


「そうは言っても怠惰な子供をみていると、腹が立ってつい感情的にあたってしまって、その後自己嫌悪になるんです。」
なんて思ってらっしゃるお母様もいらっしゃると思いますが、お母様ご自身が、そんな自分を認め許すことが大事です。

人間だから、親だって感情的になったり、子供を傷つけるようなことを言ってしまうこともあります。

そうしたら、素直にあやまればよいのです。
そして、自分も子供もまず、今のありのままを受け入れて、そのうえで、よき方向にいけるように考えていけばよいと思います。


⑥の協調性は、⑤の自己志向性(自尊心)があって、そのうえでそだてられるものです。

「自分自身にこんな欠点や嫌なところもあり、こんないいところもある。だったら、ほかの人だって、ひとそれぞれの性格の違いがあって当たり前なんだ。だから、自分とは違う相手もまず認めよう。」
あるいは、「ひとはひと、自分は自分」と思うこともできます。

ただし、注意しなければいけないのが、自尊心(自己愛)が低い状態で、他人の言動を受け入れる(受け入れたふりをする)と自分自身がどんどん苦しくなり、結果不幸になります。

協調性とは、自分を犠牲にして周りに合わせることではありません。まず、自分ありきです。

他人を認めず、すぐに他人を攻撃するような人も、
逆に他人に合わせてひたすら自分を押し殺して、あるいは自分を否定する人も、いずれも自尊心、自己肯定感、自己愛が足りない、構築できていない人です。

ご自身の子供が自信をもって歩んでいけるように愛情をいっぱいそそいでください。

⑦の自己超越性というのは、
たとえば何か大きな失敗やアンラッキーなことが起きた時、

「これは、成功するための試練があたえられているのかも。」
「神様のお試しなのかな。」
「宇宙の大きな力に導かれているのかも」

など人知を超えた何か大きな存在を考えたりすることです。

このような考えは、宗教だったり昔からの言い伝えだったり、色々あり、こういったことは、特に日本人にはなじみがない考えかもしれませんが、信じる信じないではなく、そのようなパラダイム(見方・考え方)があり、それを採用すると自分にとってプラスになるのであれば、採用するればよいのです。

考え方・パラダイムというのは、その時その時に自分にとってプラスになるさまざまなパラダイムを採用していけば、行動はさらに自由になると思います。
(これは、逆に日本人が得意なところではないでしょうか。ある時は、神道、ある時は仏教、またあるときはキリスト教など)

以上、クロニンジャーの7因子についての概要をお話ししましたが、さらにこれらを子育てにどのように生かしたらよいかをお話しますね。

(その3に続く)


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