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鳥かご鍵 24

彼はずっと私を見ていたんだ!

彼を問いただそうとしても、
頭が混乱して言葉が出て来ない、
何が起こっているのか理解が出来ない。

彼はいつから私を監視していたの?

怖い。

私は恐怖で震えた。

今まで感じたこのと無い血の気が引くような、
深い恐怖に襲われた。

「ごめん言い過ぎた。」

そう言って彼が私を抱きしめる、
「もう大丈夫、俺たちやり直せるよ。」

私は彼を突き飛ばした。

私は涙が止まらなかった。

彼が涙を拭こうと手を伸ばして来た、
私は彼の手を払いのけた、
その時に机の上にあったコップに手が当たり、
コップは床に落ちて割れ、
私の手は赤くなっていた、
彼が「大丈夫?」と近づいて来た、

「今日はお願いだから帰って!」
と怒鳴るように私が言うと、
彼は「落ち着いたらゆっくり話そう」と言って家を出て行った。


私は恐怖で動けなかった。

私はこの先どうしたらいいのか?

彼と別れることは出来ないのか?

今日1日で色々なことがあり過ぎて、
頭が上手く回らない、
私は割れたコップを片付けて、
腫れた手を冷やした。

スマホを見ると、
月からメールが来ていた。

「こんばんは、無事家に着いた?
今日は俺が行くところ勝手に決めたけど、
今度は二人で一緒に決めよう、
今日は本当に楽しかった、
星がかわいくて安心した。笑
じゃ明日。」

私は涙が止まらなかった、
これから先どうなるの?
月ともう会えないなんて絶対に嫌。


でも少しの間だけ月に会うのは辞めよう、
彼がどこから見ているかわからない、
そして今の彼は何をするかわからないから。

「こんばんは、
今日はありがとう、とっても楽しかった、
明日は休み明けで病院が混むから、
ランチはまた今度行きます。
ごめんね。」

私は仕方なく断りのメールをした。

「そっか残念、じゃまた友達と来てね。
おやすみ。」

楽しい1日で終わるはずがこんなことになるなんて…

彼をどう説得しよう、
出口の無い迷路に迷い込んだ気分だった。

この迷路本当に出口はあるのかな?


つづく

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