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魔女の館の秘密 22

私は家族に仕事だと言って、
かずやとの待ち合わせ場所に向かった。

この駅で降りるのは、
高校生の時以来だった。

随分と雰囲気が変わっていた。

私は公園のベンチに座りかずやを待った。

(来るわけ無い。)心の中ではそう思っていた。

でももしかしたら・・・

心のどこかでは期待していた。

待ち合わせ時間を30分過ぎてもかずやは来なかった。

私はがっかりしたような、
ホっとしたような、
複雑な気持ちで公園を出ると、

そこにかずやがいた。

「なみ!」

「かずや!」

かずやは老けていた、
この前、高校生のかずやに会ったばかりだから、
おかしな感覚になった。

「おまえ覚えてたの!来ないと思った。」

「私もかずやは来ないと思った。」

私たちは公園のベンチに座り話すことにした。

「この公園に来るの何年振りかな?古くなったけど変わってないな!」

「そーだね、かずやは今何してるの?」

かずやは自分のことを話し始めた。

かずやはレストランのシェフをしていてまだ結婚はしていなかった。

私も自分のことを話した。

「そっかお母さんなんだ。今幸せなんだね。」

「うん幸せ。」

「じゃなんでここに来たの?」

「えっ?」

「こんなこと言うと迷惑かもしれないけど,
俺は今でもなみが好きなんだ。」

「えっ??」

「今日ここになみが来なかったら諦めようと思った、
でもなみはここに来た。
なみもここにいるってことは旦那と上手く行ってないんじゃないの?」

私は驚いて言葉が出て来なかった。

つづく




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