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魔女の館の秘密 24 (終)

「由香さん!どうして?」

「良かった無事で・・・」

「何が起こったの?」

「なみさんは過去に行った時に、未来を変えてしまったんだよ。」

「えっ?」

「主人が何か嫌な予感がするって言って、
なみさんが戻った過去に主人も行ったのよ、
そうしたら20年後に会う約束してた!っていうから・・・」

「えっ?ダメだったの?」

「そこから未来が少しづつ変わってしまうんだ。」

「そうなの?ごめんなさい。」

「なみさんは悪くないわよ、私たちが注意しなかったことが原因だから、
でも無事で良かった。」

「未来を変えるとトラブルになってしまうことがあるんだ、
だから急いで過去を戻したんだ、
過去を変えてもすぐに未来は変わらないから、
心配になって見に来たんだ。」

「過去が変わったからかずやが消えたの?」

「そうだよ、怖い思いをさせてしまって申し訳ない。」

「いえ、大丈夫です・・・」

私は恥ずかしかった、旦那に内緒で元カレに会いに来るなんて、
おばさんが何してるんだろ・・・

私は由香さん夫婦に送ってもらって家に帰って来た。

「送ってくれて、ありがとう。」

「月曜日無理そうならお休みしても大丈夫だよ。」

「大丈夫、伺います。」

「そう、無理しないでね。」


家に入ると、旦那も娘も家にいなかった。

私は1人で考えていた。

あの時かずやが消えなかったら、
私の家族は崩壊していた。

浮気、不倫なんて他人ごとだったけど、
些細なことで家族が崩れてしまうことがある。

私は恐怖を感じた。

私はこの家族と生きて行きたい。

大切なものは失いかけて始めて気が付く。

過去は変えることが出来ない、
今に満足出来ないなら未来も満足出来ない。

魔女の館で働いて色々な気が付きがあった。

私にとっては魔女の館じゃなくて、
魔法の館だった。

私はこれからも秘密を守りながら働いて行く。


しかし・・・

あの小さなドアにはまだ秘密があることを、
この時の私はまだ知らなかった・・・


おわり




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