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【シャドウバース】マスター帯28連勝!rare式TierGODAF【シャドバ】

《マーキュリーイージス・シオン》上方修正後からアディショナル追加までのVEC期アンリミテッドフォーマットにおけるアーティファクトネメシス(以降、AFNm)について整理する。

目次
Q1.AFNmについて、どのようなデッキなのか
Q2.マッチアップ事に考えていたことについて
Q3.採用が検討できるカードの評価について
Q4.デッキリストについて

Q1.AFNmについて、どのようなデッキなのか

カードゲーム的に分類する場合「コンボウィニー」に該当する。
具体的にはコンボを起点として盤面を形成して、小型フォロワーによるビートダウンを遂行するデッキ。
考え方としてはSFL期の【アグロエルフ】が近いかもしれないが、あちらと比べてコンボデッキとしての側面が全面的にフィーチャーされてるのでやはり別デッキである。

デッキの性質上とにかく制御が難しい。原因は以下の3点にある。

1:管理リソースの多さ
2:選択肢の分岐
3:ゲームプランの理解

1:管理リソースの多さ
手札や盤面といった普遍的な2つのリソースに加えて「デッキ」「共鳴」「PP」「時間」の4つのリソース管理を要求される。しかもこれらのリソースは管理ミスが致命傷足り得てしまう。
よって全リソースを管理することが求められるのだが、残念なことに一般的な人類のワーキングメモリは、おおよそ3つまでしか同時にタスクを管理できないと言われている程度には脆弱であるため、これが中々難しい。
上記を踏まえて、個人的に実践している各リソースの管理メソッドを記載する。ワーキングメモリ強者の方々には無用の長物と思われるので、読み飛ばしていただきたい。

「デッキ」
《デウスエクスマキナ》着地前後で管理対象となるカードを切り替えることで、最低限の管理で済ませる。
着地前はトークンカードの総数と《エンシェントアーティファクト》枚数のみ管理する。
各種トークンの中でも《エンシェントアーティファクト》を優先して覚える理由はデッキ内の除去カードの有無も併せて管理することと、キャントリップ付きトークンの総数と区別できるため。
なお3コスト以上のAFトークンカードについてはチョイスする状況が特殊でありゲームプランの検討に注力した方が良いため、積極的に暗記することは実践していない。(もちろん余力があればするに越したことはない)

《デウスエクスマキナ》着地後は《レディアントアーティファクト》《オートメーション》《生命の量産》《メカニカルガンナー(※)》の4枚を管理する。
なお《デウスエクスマキナ》着地ターンに限り、90秒というリソースをバトルログ精査に割り当てることが可能となる。以降のゲーム展開においてバトルログをノーリスクで確認できる時間は一切訪れない。
※マグナジャイアントによる共鳴操作の致命傷を防ぐため。不採用であれば考慮不要。
「共鳴」
《デウスエクスマキナ》着地後の共鳴調整ミスは即敗着となる可能性が高いため、最優先でケアすべき事項。
主に加速解放からデッキを回転させる場合に起こりやすい事故であり、最大値を敢えて捨てて《製造術》《アーティファクトコール》《マグナジャイアント》を温存することで共鳴調整ミスを防ぐ。
「PP」
《デウスエクスマキナ》着地前は手札のゲームプランで算出可能。
問題は着地後だが、こればっかりは四則演算なので最終的にプレイしたいカードを検討した上で逆算するしかない。
「時間」
前提として、90秒という制限時間をリソースとして認識することが大切。エフェクトに足を引っ張られるこのデッキにおいて、思考にリソースを割くという行為は「カードのプレイ可能枚数」というリソースを代償とする。
この前提を理解していれば「大量のカードプレイが必要」と判断した時点で確定行動までは実行に移せるため、少なくとも時間切れという敗着を減らすことができる。

2:選択肢の分岐
主に《オートメーション》および《生命の量産》のタイミングとチョイス、AFトークンカードを温存するかの選択が極めて難しい。
これに関しては後述する「3:ゲームプランの構築」と密接に関わるため、まとめて整理する。

3:ゲームプランの理解
非常に大まかに区別するとAFNmのインフラストラクチャで実現可能なゲームプランは3パターン。加えて採用カード次第で2パターン追加される。
また、各ゲームプランは手札状況次第で併用が可能となる。

基本ゲームプラン
・コンボプラン(4t目に複数枚のトークンカードを用いて展開するプラン)
・テンポプラン(AFトークンカードを小出しにしてテンポに変換するプラン)
・コンシードプラン(《デウスエクスマキナ》および《レディアントアーティファクト》を前提としたロングゲーム)

追加ゲームプラン
・《暗雲の巫女エネス》プラン
・《粛清の英雄メイシア》プラン
コンボプラン
《機構の解放》《加速装置》《マーキュリーイージス・シオン》のうち2種類と、2枚のAFトークンカードで成立する本デッキにおける強烈な上振れ展開。
『エイラB』、『AFNm』を除く対面において大体勝利が約束される展開であり、エイラビショップに対しても5ターン目の《デウスエクスマキナ》安着を実現する。
コンボカード以外にも1PPのAFトークンカードを2枚集めることが要求される、即ち複数枚のAFトークンカード生成してアクセスする必要がある。
テンポプラン
おそらく基本プラン。コンボの実現が困難な際、《アナライズアーティファクト》によるデッキの回転およびテンポ損失を抑えることを目的としてウィニーを小出し展開してビートダウンを遂行する。
多面のビートダウンに対して脆弱性を持つ『ドロシーW』、『豪風E』、『庭園D』に対してはこれを起点とした展開でも十分に勝利を狙える。
当該プランにおいて最も重要な役割を担うカードが《アナライズアーティファクト》である。
テンポアドバンテージとリソースの補填を一枚で担えるカードであり、これで獲得したテンポと手札で別プランへの移行を図れるためである。
余談として当該プランを取る際、《エンシェントアーティファクト》を埋める行為はデッキ回転率・リソースの2点を損なうため、ケア手段がないとかなりリスキーな択となる。《エンシェントアーティファクト》が忌避される所以である。
コンシードプラン
上記2つとは併用可能な別枠にあるゲームプラン。上記2プランでは押し込むことが困難な『エイラB』に対して積極的に狙っていくこととなる。
ビートダウンデッキであるにも関わらず当該プランを有している点こそが本デッキの最大の強みとなっている。
《暗雲の巫女エネス》プラン
暗雲の巫女エネスを着地させてクロックを刻む一種のテンポプラン。
今期アンリミテッド環境はコンボデッキが主流であり、そのため軽量除去がバリューを大きく損なっている。またコンボデッキ側が序盤を準備に費やす都合、一定の生存性が担保されている点においてプランとして成立する。
ダメージクロックとして相当足が速く、2ターン生存すれば概ねゲームに勝利できる。盤面処理能力も兼ね備えている為、処理されなければあらゆるダメージレースに勝利できる。
《粛清の英雄メイシア》プラン
PP軽減を活用して最速7ターン目に問答無用でゲームを決着させる一種のコンボプラン。
長期戦を想定したプランとなるため、今期狙っていける対面は『エイラB』および『AFNm』だが、それぞれ『安息の領域』『暗雲の巫女エネス』がゲームの焦点となるた優位性を損なっている。
なお《浄化の輝き・ミュニエ》リリース後は上記前提が崩れる為、メタゲームの変容次第では再び検討される可能性はある。

Q2.マッチアップ事に考えていたことについて

対面ごとのゲームプランを考えるにあたって、ランクマッチでの今期のシェアはかなりざっくりと以下の通りと推定した。

Tier1:エイラB(30%)、ドロシーW(30%)
Tier2:豪風E(10%)、庭園D(10%)
Tier3:アグロV(5%)、AFNm(5%)、その他(10%)

上記シェアを前提とした場合、アディショナル追加前のVECアンリミテッド環境における焦点は、Tier1の「エイラB」と「ドロシーW」に対して如何に勝率を伸ばせるかであったため、主にこれについて考えていたことを記載する。

エイラB
まずゲームに勝利する展開は概ね以下の3パターンであった。

①《デウスエクスマキナ》+《レディアントアーティファクト》
②《聖弓の使い手・クルト》が絡まないテンポプラン
③《暗雲の巫女エネス》+《マーキュリーイージス・シオン》

①、②はイメージしやすいと思われるため③についてのみ解説すると、《暗雲の巫女エネス》のヘルスを”3”または進化権込みで”5”まで上げることで、《聖弓の使い手・クルト》1枚では突破できない状況を作ってライフプッシュしていく展開。体感2割くらいのゲームでプラン検討する機会があったため覚えておくとお得。
基本的には①プランを重視していけば十分な勝率を担保できると思われる。

一方で負け筋となる展開は以下の3パターンとなる。

①《聖なる弓使い・クルト》が複数枚絡んだ展開
②《安息の領域》+《聖弓の使い手・クルト》
③《安息の領域》+《テミスの審判》によるコンシード(LO)

これらの敗着はケアこそ難しいものの「エイラB」側の手札要求値も高いため割り切りとした。

なお《安息の領域》1枚の展開は《マグナジャイアント》《マーキュリーイージス・シオン》で盤面打点を受けることが可能なため、セルフ盤面ロックに注意しておくことでケアが可能。これについては実はローテーションフォーマットにおいても有力なケア手段だったりした。

また、上記に記載しなかった敗着として《デウスエクスマキナ》にアクセスできない場合のコンシードも存在するが、マリガンにおいて《アーティファクトコール》の単キープまで検討することでかなり改善を図れる。

構築面に関しては、《レディアントアーティファクト》を生成できるカードを増やすことでより対策可能である。
もっとも、《レディアントアーティファクト》というカードの役割は「エイラB」を除くと希薄なため、よほどトーナメントシーンを意識しなければ《オートメーション》および《生命の量産》、《造られし命・ミリアム》で問題ないと考えている。
(2019年12月11日現在であれば《浄化の輝き・ミュニエ》を採用したほうがよっぽど有効な対策方法でもある)

ドロシーW
こちらから盤面を押し付けて相手の手札打点をとにかく削ぐ考え方が重要となるマッチアップ。単純明快、テンポアドバンテージのレースでしかない。

今期「AFNm」で勝率を叩き出せた最大の要因は当該マッチアップに対する世間一般の誤認だと考えており、言ってしまえば「ドロシーW」の打点形成よりも、《マーキュリーイージス・シオン》上方修正後の「AFNm」の盤面クロック形成のほうが早いため、実態としてはかなり有利なマッチアップとなっていた。

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Tier2以下のマッチアップに対しては特殊なマリガン・ゲームプランを取っていた為そちらも併せて解説する。

豪風E、庭園D
《マーキュリーイージス・シオン》の単キープを行った。これは「豪風E」「庭園D」がそれぞれ共通して4ターン目の盤面形成に脆弱なデッキであるため、コンボプラン成功率を上げること、あるいはテンポプラン時の打点形成手段として《マーキュリーイージス・シオン》がゲームの勝利に直結するカードとして機能したため。
また、オートメーションの埋め方に苦難するマッチアップではあるものの、《粛清の一刀》が絡まない今期であれば単純に「4、5ターン以内のコンボ展開が狙えるなら1:1」「5、6ターン目以降のゲームを見据えるなら3:5」で良いと考えている。

AFNm
《製造術》、《暗雲の巫女エネス》のみキープとしていた。
アンリミテッドのAFNmはローテーション以上に《暗雲の巫女エネス》を除去することが困難なデッキのため、殆どのゲームがこれを一方的に押し付けた側が勝利するゲーム展開に帰結するためである。


Q3.採用が検討できるカードの評価について

使用人口が少なく、無駄に難解な「AFNm」というデッキの考え方について少しでも掘り下げる助けになるよう、採用圏内のカードに対する一個人の見解を整理する。
とは言え、明らかに評価する必要のないカードについては冗長となるため省略とする。

生命の量産
アンリミテッドフォーマットは環境の方向性がテンポレースのゲームに傾向し易いため、0PPから1PPとトークンを生み出せるこのカードは基本的には強力といった認識。
近年は《機構の解放》の恩恵で軽視できているとはいえ、リソース面における欠陥を抱えたカードなので、プールによっては不採用とする選択肢は発生しそう。

オートメーション
AFNmを使い続ける限り一生向き合っていかないといけない。

製造術
《アナライズアーティファクト》が全アーティファクト中で最も起点として優れているため、確定でスタートできるこれは現在のカードプールだとデッキの安定性向上を図るなら必要となる。

加速装置、機構の加速兵
環境、カードプールの変化に伴って臨機応変に切り替えるべき枠だと考えていて、というのも《粛清の英雄メイシア》を重視するのであれば双方採用を検討できるし、コンシードを重視するならカードバリューの高い《機構の加速兵》のみ採用といった形も検討できるため。

造られし命・ミリアム
これも相対的なバランスを踏まえて採用不採用が変わってくるカードだが、《アーティファクトコール》の登場によって採用機会はかなり減ると考えている。
共鳴管理、デッキ内トークンカードの枚数を考えると共存が難しく、AFNmをコンボデッキとして考えた場合、《アーティファクトコール》のほうが優れているため。

キャットガンナー
個人的にはかなり弱い寄りの評価を下していて、というのも《アナライズアーティファクト》を起点に動かさないとAFNmというデッキは事故を誘発しやすいため。
《イカロス》が強い理由は2/2/2というスタッツと、AFトークンサーチの役割を担えている側面が大きく、《エンシェントアーティファクト》を生成する点はそこまで付加価値としては高くない要素と捉えている。

ハーメルン
不採用リストが増えつつあるが、AFトークンをコピーすれば実質的にAFトークン生成+サーチを2PPで実現しているので、進化込みの《イカロス》と同等の動きを行えると考えると相変わらずリターンの大きなカードという認識。
また《メカニカルガンナー》登場以降はトークンを直接コピーせずともAFトークンを増やすことが可能になったため、運用面の事故は緩和されている。
とは言え、AFトークンを生成するカードでもサーチするカードでもない上に、複数枚採用するとコピー対象不在となりやすい事故要素を含むため扱いが難しい。

熱狂の機兵士
CGSリリース当時と打って変わってカードパワーとしてはかなり平凡なカードとなってしまったため、よほどトークンサーチを必要とする方向にデッキが変化しない限りは採用されないと思われる。

粛清の英雄メイシア
《機構の解放》および《マーキュリーイージス・シオン》を押し付ける方向性が主流なため、メインギミックとして採用することは暫く無さそうといった印象。
とはいえ単体でゲームを決着できるカードに変わりないため、「黄金都市疾走B」における《冥府への道》同様、特定の対面で有効となれば再び採用圏内を検討できるカード。

マグナジャイアント
個人的にかなり評価が高いカード。共鳴調整を行いつつ、共鳴調整を行えるカードをサーチすることができる。
これにより《アーティファクトコール》や《デウスエクスマキナ》の共鳴制約を緩和できるほか、《暗雲の巫女エネス》を補助することができる。
また、《《メカニカルガンナー》を確定サーチとすることで、スタッツこそ低いものの、共鳴調整不要かつ共鳴調整が行える《造られし命・ミリアム》として扱える。本体の7/5/5守護もおまけとして十分すぎるほど有用である。

Q4.デッキリストについて

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連勝時に使用していたリストは上記40枚。

強いカードは3枚!余った1枠は色々試した結果、ハーメルンで最大値と安定面の両取りを狙うのが最も感触としてよかった。

構築思想としてはこれまで語ってきた通りといった内容で、デッキの根幹となる《アナライズアーティファクト》へのアクセスを最重要視して不純物を生成するカードを排除することで安定性を担保する。

また、VECの新規カード《暗雲の巫女エネス》および《アーティファクトコール》は強力である一方、任意のタイミングで活用するためには共鳴操作を要求されるため、《メカニカルガンナー》確定サーチ《マグナジャイアント》のパッケージを採用。
当たり前ではあるが共鳴のタイムラグを削減した結果、展開速度が向上して「ドロシーW」に対して優位に立ち回れるようになった。

念のため触れておくと、《造られし命・ミリアム》を不採用とした弊害で「エイラB」対面の優位性を落としているが、依然として有利なため問題ないという認識である。

また見かけ上、2コストが少ないように見えるが《メカニカルガンナー》で埋めることが可能なため問題ない。寧ろ下手なカードを採用すると途端にデッキが動作しなくなる。

以上。おわり。

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