01ミッドレンジネクロマンサー

【OOT】ミッドレンジネクロマンサーの所感【ローテーション】

【アーティファクトネメシス】をこよなく愛好する隠居ゲーマーの私は、環境が変わる度に率先して当該デッキの可能性を探るのですが、残念ながら十禍絶傑(以降、OOT)環境においては秒で切り捨てる決断を迫られてしまいました。
その最たる原因こそ、今回の掲題である【ミッドレンジネクロマンサー】に他なりません。

"持つもの"と"持たざる者"の格差

対戦結果を集計している"Serdowverse Log"においても【ミッドレンジネクロマンサー】は"一強"と言って差し違えないほど高いスコアをたたき出しており、【アーティファクトネメシス】以外に対しても強力なデッキであることを示唆しています。

そもそも【ミッドレンジネクロマンサー】が単なるミッドレンジデッキであれば【アーティファクトネメシス】で勝てない理由がありません。

強いデッキには相応の強い理由・根拠があり、それを解明することにゲーム上達の近道があります。
ということでナーフ実行から一週間少々経った現在、【ミッドレンジネクロマンサー】に"魂"を売った所感を書き綴っていきます。
(※あくまで一個人の所感でしかないという点は念頭にお願いします。)

目次
1.【ミッドレンジネクロマンサー】というデッキ
2.『冥界の番犬・ケルベロス』というカード
3. 展開を支えるカード群
4. 2018/11/10時点で推奨するデッキリスト
5. マリガン・立ち回りの指針


1.【ミッドレンジネクロマンサー】というデッキ

まずデッキ名について。本文中では便宜上【ミッドレンジネクロマンサー】という呼称を使用しますが、これには些か誤りがあると認識しています。
このままでは諸君らに「何を言っているんだこいつ」と思われかねないので、私の尊厳のためにもこのデッキの勝利パターンについて解説することで弁明させてください。

1-1.『冥界の番犬・ケルベロス』を起点にしたミッドレンジ戦術
短気な諸君らは今ごろ「やっぱりミッドレンジデッキじゃないか」と、私に対してツッコミを入れていることでしょう。
このデッキにも確実にミッドレンジ戦術を取る術はあります。否定はしません。

しかしながら言い換えればこのデッキ、ビートダウンを遂行できる展開は『冥界の番犬・ケルベロス』が絡む以外ほとんど起こり得ず、加えて相手の体力20点を殴って削りきるためには、『冥界の番犬・ケルベロス』以外にも展開,バフを実現できる手札が要求されます。
暫くプレイすると実感することと思いますがこのデッキ、1コストと7コストに枚数を割いている都合でマナカーブはあまり優れておらず、これを緩和するためにテンポを損なうドローソースを絡めて繋ぐアプローチを取っています。

上記よりビートダウンを実現できる手札の要求値は想像以上に高く、そのためミラーの後攻を捲る以外では率先しては狙わないプランとなります。
また後述しますが『冥界の番犬・ケルベロス』というカードは特性上、無理やりこのカードでビートダウンを強行するよりも次の2つのプランへのアプローチとして活用したほうが強力です。

1-2.『飢餓の絶傑・ギルネリーゼ①』+『幽想の少女・フェリ』+『飢餓の絶傑ギルネリーゼ② or グレモリー』による10ターン目15点OTK

9ターン目以前に『飢餓の絶傑・ギルネリーゼ』を着地させて、『幽想の少女・フェリ』の能力で3回攻撃を付与しつつ、バフを乗せて火力をたたき出すコンボです。
3枚ものコンボパーツを要求する上に10ターンもかかってしまうため、一見するとロマンコンボとしか思えませんが...

カードデザイナーの"大罪"

その実態は、+2/0修正によって盤面へのインパクトを損なわずに設置でき、加えて潜伏能力による除去体制を兼ね揃えており、挙句には5ドローによってコンボパーツへのアクセスまで担える『飢餓の絶傑・ギルネリーゼ』というカード1枚で実現できる脅威のコンボになります。

「潜伏持ち」の「高打点」

事実として1枚で特大リーサルをたたき出せるこのコンボは、OOTローテーション環境のネクロマンサーの強さに多大な貢献をしています。

しかしこれだけであれば、『飢餓の絶傑・ギルネリーゼ』を処理するカウンターカードによって対策を図ることができます。

1-3.『幽霊支配人・アーカス』を起点にしたバーストコンボ
手札の3コスト以下をすべてゴーストに変換する『幽霊支配人・アーカス』が登場すると、【ミッドレンジネクロマンサー】は【OTKネクロマンサー】へとデッキチェンジします。

デッキチェンジは"資本主義"の象徴

【OTKネクロマンサー】は『蒼の少女・ルリア』+『『幽想の少女・フェリ』より手札2枚から21点バーストをたたき出せるため、『飢餓の絶傑・ギルネリーゼ』の設置に依存せずにゲームの勝利条件を達成することができます。】
【ミッドレンジネクロマンサー】対面では有効な『飢餓の絶傑・ギルネリーゼ』へのカウンターは【OTKネクロマンサー】相手には通用し辛くなります。この「二面性」こそ、このデッキへの対策を困難とさせる最大の要因に他ならないのです。

上記より【ミッドレンジネクロマンサー】というデッキは、『冥界の番犬・ケルベロス』を主軸とした【ミッドレンジネクロマンサー】であり、同時に『幽霊支配人・アーカス』および『幽想の少女・フェリ』を主軸とした【OTKネクロマンサー】であると捉えることができます。
飢餓の絶傑・ギルネリーゼ』は双方のデッキにおいても寄与するカードといった立ち位置です。


2.『冥界の番犬・ケルベロス』というカード

【ミッドレンジネクロマンサー】が強力なフィニッシャーを抱えているデッキということは示しましたが、フィニッシャーを有効に機能させるためにはそこに至るまでのアプローチこそ最重要ファクターとなってきます。
今の【ミッドレンジネクロマンサー】にはそれを実現できるカードがあります。『冥界の番犬・ケルベロス』です。

パックから出る度にスキンカードと間違えてビビる俺おる?

いろいろ語るべき要素の多いカードですので、本項にて分けて記載します。

2-1.盤面への影響力
このカードの合計スタッツを考えた場合、おおよその方々は6/6と捉えることと思いますが、これは進化権を切らなかった場合のみ正解です。

進化権を使用した『冥界の番犬・ケルベロス』は本体に+2/+2修正に加えてラストワードによる盤面1点をトークン含む他のフォロワーに付与できるため、実質10/8相当になります。
盤面に他のフォロワーが存在する場合はさらにバリューが上がり、最大値は12/8です。

これはスタッツだけで考えても驚異的なカードバリューですが、多面展開およびラストワード1点付与による盤面処理能力の高さが【ミッドレンジネクロマンサー】というデッキの性質とすこぶるマッチしています。
なにせ、相手の高スタッツ単騎と多面展開のどちらに対しても無駄なくダメージを分配することで盤面処理を行えるわけですから『幽霊支配人・アーカス』を設置する隙を生み出せますし、多面展開という特性は『飢餓の絶傑・ギルネリーゼ』へのアプローチとしても抜群に優れているからです。

2-2.ダメージレースへの影響力
...と、先ほど合計スタッツの話をしましたが少々嘘を交えてしまいました。それは、先ほどの合計スタッツ8/6はあくまで「盤面」に対してダメージを割り振る想定で計算を行った点です。
相手プレイヤーへのダメージレースにおける『冥界の番犬・ケルベロス』の打点は、進化時ボーナスのラストワード盤面1点を計上しないため、あくまで『番犬の右腕・ミミ』のラストワード本体2点火力を計上した8/6が正解です。

...?

大変おかしなことに単体で見た場合のスタッツについては盤面、ダメージレースともに8/6と結果に相違がありません。
実際はラストワードのため、8/6相当ではないですが、結局3回殴れば勝てるだけの打点は有しており、顔を詰める能力も高いと言えます。

攻撃性能はさながら、『番犬の左腕・ココ』の持つ2点ライフゲインも、強引にダメージレースを進展させるデッキである【蝙蝠ヴァンパイア】が一定数存在するフィールドにおいては強力に作用しています。
単純なライフゲインは古来から過小評価される傾向にありますが、今回の『冥界の番犬・ケルベロス』のような、火力とライフゲインを同時に担えるカードの場合は状況を選ばない万能カードとして扱えるわけです。

"包囲サイ理論"

2-3.[3/3]というスタッツ
冥界の番犬・ケルベロス』本体は、進化後5/5スタッツとなります。
たったそれだけですが、相手の2/2進化に対してノーリスクで上から処理を行えるため、多面展開カードでありつつも低リスクでのプレイを実現できる要素となっています。

以上が『冥界の番犬・ケルベロス』というカードを構成している要素です。
端的に言ってしまえば、現在の【ミッドレンジネクロマンサー】はこのカードの暴力的なスタッツの盾として容易くフィニッシャーを通せてしまっている側面があります。

暴力的なスタッツで盤面を荒らしては
容易くフィニッシャーを通せてしまう"獣"

もっともナーフ以前は『侮蔑の絶傑・ガルミーユ』というカウンターカードがあったため、許容できる性能に留まっていましたが、これが一方的にナーフを受けたことで抑止力がなくなってしまったのが問題です。
なぜ併せてナーフを行わなかったのか理由が気になる次第ではあります。(エーテル補填による経済損失を嫌った形?)

何にせよナーフによる弱体化、または多面展開という性質上AOEという弱点は抱えているためアディショナルカードによる抑制は避けては通れないカードといった認識です。使用側から見ても明らかにバグだから致し方ない。


3. 展開を支えるカード群

【ミッドレンジネクロマンサー】は『冥界の番犬・ケルベロス』以外にも序盤・中盤の展開を補強できるカードを多数保有しています。

3-1. 序盤の展開補助カード
1枚で多面展開を実現できる『心眼の双葬女・レディ・グレイ』および『スカルリング』は序盤・中盤の展開を補強できるカードの筆頭といえます。
特に『心眼の双葬女・レディ・グレイ』はドレイン能力によって最序盤での展開負けを防げるため、これ1枚でデッキの負け筋を一つ減らすことができてしまいます。
また1枚で多面展開できかつカードバリューも高いこれらのカードは『『冥界の番犬・ケルベロス』や『飢餓の絶傑・ギルネリーゼ』へのアプローチとして非常にかみ合っています。

また、『ベレヌス』や『アンドレアルフス』といった2コストで追加アドバンテージを見込めるカードも序盤の展開補強に貢献します。
ベレヌス』はラストワード盤面1点によって相手の多面展開を拒否しやすく、『アンドレアルフス』は手札を消費せずに展開できるフォロワーとしてそれぞれ盤面の補強を見込めます。
加えてこの2枚は『心眼の双葬女・レディ・グレイ』および『『スカルリング』のリアニメイトに対応しており、1度プレイできれば複数回の効果起動を見込むことができるのです。

3-2.除去カード

怪物の少女・フラン』と『冥界の闘犬・オルトロス』の2枚のカードのおかげで、【ミッドレンジネクロマンサー】は盤面の処理も充実しています。
惜しむらくはこれらの2枚はPPが若干重たく、小回りが利かないことですが、相手の小型フォロワーはこちらの小型フォロワーでトレードを行えれば問題ないため、大きな欠点とはなっていません。
むしろ『冥界の闘犬・オルトロス』に至ってはネクロマンス3で4点を飛ばせるため、これはかの『魔将軍・ヘクター』と同等のネクロマンス効率であり普通にオーバースペックです。

カードデザイナー君、今回は先4tで機能しない調整よく頑張ったね!

詰まるところ、【ミッドレンジネクロマンサー】は『冥界の番犬・ケルベロス』に依存せずとも最低限の展開を行えるだけのデッキ基盤があるということです。
これはフィニッシャーへのアプローチに長けたデッキ構造を取れていると言えます。


4. 2018/11/10時点で推奨するデッキリスト

現在、個人的に推進している【ミッドレンジネクロマンサー】のデッキリストは、見出し画像にて挙げた40枚になります。

一般的なあらゆるリストにてほぼ確実に採用されている14種類のカードのみで構成した極めてシンプルなリストです。

これは上記で語ってきたとおり、【ミッドレンジネクロマンサー】というデッキの強さの根本が、メタゲームの影響によるものではなく、「強力なフィニッシャー」と「フィニッシャーへのアプローチに長けている」という2つの要素から成立した「デッキ構造の強さ」に由来したものであるという判断に基づきます。
ローテーション環境のようなカードプールが狭いフィールドでは、デッキへの採用を検討できるカードの絶対数が少ないため、二面性を含む択を除いてあらゆるカードが対戦相手にはケアをされる想定をしています。
加えて状況を選ぶカード(=メタカード)を採用することで得られる勝率面でのリスクとリターンは、デッキ本来の構造が高ければ高いほどリスクに比重が傾いていきます。

状況を選ばない"メタカード"は"メタカード"ではないという一例

もう一つの理由として【ミッドレンジネクロマンサー】は【OTKネクロマンサー】というデッキを同時に内包する必要があるという点。
これはデッキを成立させるうえで必要となるカードの種類が通常のデッキより多いといった欠点を有しています。

デッキ構造を強引に分解するとこうなる

【ミッドレンジネクロマンサー】は最低限のマナカーブを保証できている半面、【OTKネクロマンサー】はかなり歪なマナカーブであることが伺えます。端的に言ってしまえば「事故を誘発する」構造になっているわけです。
上記ため、メタカードが機能不全した場合に生じる事故リスクが通常のデッキ以上高い割合で発生してしまうのです。

今回の14種類リストは【ミッドレンジネクロマンサー】の特徴である「デッキ構造の強さ」は損なわず、「事故を誘発する」要素を可能な限り排除した形となります。

もっとも「事故を誘発する」要素については『ゴブリンファイター』を採用するといったアプローチでの改善を検討できますが、一方でデッキ本来のパワーを引き下げるリスクを抱えているため、現時点ではデッキパワーへの影響を重く考えています。

以下、採用枚数の意見が分かれるカードを取り上げて解説していきます。


4-1.悪戯な霊魂
悪戯な霊魂』の強みは、デッキの最大出力を底上げできる部分にあります。
1PPで2面を展開できる特性は『幽霊支配人・アーカス』発動後の展開速度の向上とOTKコンボパーツにも、6t『冥界の番犬・ケルベロス』や8t『飢餓の絶傑・ギルネリーゼ』と同時に展開することでワンランク上の展開を実現できます。
とはいえ、単体で考慮した際のカードバリューはお世辞にも高いカードとは言えず、1PPでありながら5ターン目以降の使用を見据えているため、マナカーブ面の不安定さを助長している要素でもあります。
今後の研究によっては、採用枚数を控えてマナカーブの改善を図ることになるかもしれません。


4-2.グレモリー
グレモリー』は今回ナーフの影響により『飢餓の絶傑・ギルネリーゼ』と一部役割が被ってしまうことから明確に採用枚数を調整できるカードとなりました。(『飢餓の絶傑・ギルネリーゼ』の枚数についても同様のことが言えます。)

なお、同じ1PPの『悪戯な霊魂』と比較すると、このカードは終盤エンハンス能力による影響で1PPとしての活躍を見込めない欠点があります。
中盤はドロー付与効果によるリソース変換が可能ですが、7t『幽霊支配人・アーカス』に進化を切る場合はドロー付与できるタイミング少し難しいといった側面があります。
結果としてどのコスト域でも活躍できる代わりに器用貧乏なカードになった印象ですが、OTKのコンボパーツでありながら、あらゆるタイミングで活躍が見込める可能性があるという特性は魅力的です。

補足程度に1PPフォロワーのちょっとした小ネタですが、5ターン目『冥界の闘犬・オルトロス』の弾として進化を切る方法がそこそこ強いです。
相手のヘルス7までをトレードしつつ、盤面に4/3を残すことができます。


4-3.蒼の少女・ルリア
幽霊支配人・アーカス』を絡めたOTKコンボの起点およびコンボパーツとなるカードがこの『蒼の少女・ルリア』です。
1枚にして『悪戯な霊魂』と『飢餓の絶傑・ギルネリーゼ』の2枚の役割を同時に兼ね揃えるこのカードは【ミッドレンジネクロマンサー】の勝ち筋として高い貢献をしており、そのため採用枚数を減らす必要性は皆無です。
また、除去体制を活用することで『冥界の番犬・ケルベロス』や『飢餓の絶傑・ギルネリーゼ』、『グレモリー』のバリューを引き上げることが可能で、中盤の展開札としても強力に作用します。
只々強いカードですが、一つだけ注意すべき点としては、これを最序盤に展開してしまうと『スカルリング』および『心眼の双葬女・レディ・グレイ』のバリューを大きく損なってしまうことです。

確定サーチは"咎"

4-4.『アンドレアルフス』
デッキ構造の問題から発生しやすい「手札事故」を緩和できる点が『アンドレアルフス』の最大の強みです。
ラストワードによるドローがあるため、2/1/2という単体での展開速度の遅さは1コストフォロワーと併せて展開することで解消できます。
これは序盤で機能し辛い1コスフォローの有効活用にもつながっており、欠点である「事故を誘発する」デッキ構造の改善に貢献できる大きな強みと捉えています。
また、『スカルリング』および『心眼の双葬女・レディ・グレイ』と併せることでドロー効果のバリューを高く発揮することが可能です。
ドロー効率の良い『純真の歌い手』の存在から、一見するとそこまで強くは見えないカードですが、その実とても器用な立ち回りを実現してくれるユーティリティです。


4-5.『純真の歌い手』
純真の歌い手』は『アンドレアルフス』同様、「手札事故」を緩和できるカードです。
PPが重くなったことで大振りになってしまいましたが、『幽霊支配人・アーカス』発動後のデッキ安定性の向上に一役買っており、また後述する『スカルリング』採用枚数との兼ね合いから現在は最大枚数を採用しています。


4-6.『スカルリング』
採用枚数で最も意見が分かれる『スカルリング』というカードですが、自分は3枚採用を強く推しています。
カードパワーの高さを信頼している部分もありますが、最大の理由はミラーマッチにおいて、『冥界の番犬・ケルベロス』のバリューの底上げを図れるという点です。
ミラーマッチの焦点は『冥界の番犬・ケルベロス』のバリューをいかに引き上げれるかです。
リーサルが早い先行は便面で逃げ切るために『冥界の番犬・ケルベロス』を使い、リーサルが遅い後攻は『冥界の番犬・ケルベロス』を使ってビートダウンを遂行する以外勝ち筋がありません。
そういったゲームにおける3ターン目の『スカルリング』は『冥界の番犬・ケルベロス』のバリューを確実に引き上げることができ、ゲームの勝利条件を確実に近づけてくれるカードとなります。

なお、採用枚数を減らす方々の意見として『幽霊支配人・アーカス』登場後の展開においては一切役に立たない欠点が掲げられますが、『アンドレアルフス』および『純真の歌い手』の枚数を最大まで取ることで手札を構えやすい構造を取ることで解消を図っています。
そもそも、『スカルリング』で『アンドレアルフス』を蘇生できれば手札が増えるわけですから、このカードも一応ドローソースとしての要素を含んでいるのです。


4-7.『幽霊支配人・アーカス』
幽霊支配人・アーカス』の採用枚数はこのカードをマリガン初手でキープするかしないかに影響を受けます。
ゲーム中のドローソースの有無で確率は変動しますが、マリガンキープ有2枚採用の7t目までに『幽霊支配人・アーカス』を引ける平均確率は約60%程度に対して、マリガンキープ無3枚採用の平均確率は約65%程度だと認識しており、そこまで大きな差異ではありません。
むしろ、『幽霊支配人・アーカス』が手札で重なる確率は2枚採用時は約18%に対して、3枚採用することによって34%と倍近く増えます。
(アタリ札が1枚から2枚に増える訳ですからまあ倍になりますね。)

つまり、このカードを3枚採用することのメリットはマリガン初手でキープしなくて良い = カード1枚追加で見れるという一点に集約されます。
今の【ミッドレンジネクロマンサー】には終盤の事故を差し置いてでも序盤のたった1枚の手札交換を行いたい大義が2つあります。
一つは序盤の手札事故の緩和です。マナカーブを欠陥としているこのデッキにおいて、7PPのカードをキープすることはPPを外してしまうリスクを引き上げる行為となってしまいます。

そしてもう一つの理由が...

"結論"

冥界の番犬・ケルベロス』です。
詰まるところ、【ミッドレンジネクロマンサー】は是が非でも『冥界の番犬・ケルベロス』を引きたいデッキであるということです。もはや呪い。


5. マリガン・ゲームプランの指針

プレイについては日が浅く詰めれていない部分が多いため、指針程度の粒度で記述します。かなり諸説含みますので、参考程度でお願いします。

5-1.マリガン
①全対面でキープするカード
・共通(先行/後攻)
 - 『ベレヌス
 - 『幽想の少女・フェリ
 - 『スカルリング
 - 『冥界の番犬・ケルベロス
・先行
 -『純真の歌い手
・後攻
 - 『心眼の双葬女・レディ・グレイ

②ロイヤル以外の対面でキープ(『簒奪の従者』に対するケア)
・先行
 - 『アンドレアルフス』(+1PPフォロワー)

③ロイヤル対面でキープ
・共通(先行/後攻)
 - 『冥界の闘犬・オルトロス

④ビショップ、ネメシス対面でキープ
・共通(先行/後攻)
 - 『幽霊支配人・アーカス

5.2ゲームプランの優先度
①対ネクロマンサー
 ⇒ミッドレンジ>アーカス>ギルネリーゼ

②対ヴァンパイア
 ⇒ミッドレンジ>ギルネリーゼ>アーカス

②その他
 ⇒アーカス>ギルネリーゼ>ミッドレンジ





これまで述べてきた通り、【ミッドレンジネクロマンサー】はミッドレンジ戦術とOTK戦術の二面性を取り入れたデッキ構造にこそ強さがあります。
純然たるミッドレンジ戦術であれば相手のライフを詰める必要性から盤面トレードの行い辛い部分を、OTK戦術によって補強できているため『冥界の番犬・ケルベロス』の盤面トレード性能を遺憾なく発揮できる状況を生み出しています。

BO1であれば確実におすすめできるデッキです。
「全体のカードバリューが高く」「ゲームプランを複数持っている」このデッキは、単一のデッキで様々な対面を打ち倒すポテンシャルを保有しているためです。

またBO3においても、性質上対策が困難なこのデッキは容易に採用を検討できることと思いますが、こうなった場合のゲームの焦点としては2デッキ目に何を"持ち込むか/持ち込まれるか"に当たると思います。
そういったBO3のゲーム性においてはメタに焦点を合わせて対策することが重要となってきますので、【ミッドレンジネクロマンサー】もデッキ構造が少し変化するかもしれません。


ところで諸君らは今回の本文中でWLD全盛期の【Nヴァンパイア】のカード画像をいくつか使っていることに気が付いたでしょうか。
一部こじつけ感はありますが、【ミッドレンジネクロマンサー】で採用されているカードデザインは"奇しく"も【Nヴァンパイア】の"犯罪者たち"との類似性が見受けられるのです。

これが示す意味とは...『株式会社Cygames』の陰謀論を信じるか信じないかはあなた次第です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?