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COWBOY BEBOP - SPACE LION

思い入れが強すぎてこんなツイートをしちゃって、いい年こいてなかなかだなと思っちゃったわけですが。

まあ、しょうがない、だって思い入れが強いんだもん。(冒頭と同じこと言ってる)

まず、「COWBOY BEBOP」ってなんぞや、と思ってるあなた、そうあなた。1998年に初回放送された古いアニメシリーズなのだが……まあ、見てみなって。バンダイチャンネルで1話だけ無料で見ることができるので、とりあえず再生してみよう。

だろ?(何が?)

ここで、ちょっと違うな―と思っている人は、とりあえずこのnoteを閉じて、自分の好きなものを見よう。無理に人の好みを肯定し受け入れることはない。

あらすじを身も蓋もなく書くと、主人公のスパイク・スピーゲルが過去の遺恨を清算するスペオペです。な?(何が?)あとはWikipediaを読んでください。

アニメシリーズ26話+映画1本だけで網羅できるコンパクトなシリーズなのだが、未だ国内外に熱狂的ファンが多いアニメで、米Netflix制作で実写版ドラマの放映が決まっている。今日現在、スパイク役の俳優ジョン・チョーの撮影中の事故およびCOVID-19の影響で撮影が中断しているが、シーズン2の執筆もはじまっている模様。とても楽しみである。

最高に可愛くない?このアイン。(EIN=ドイツ語で"1"の意味="1"を英語にすると…?)

そんな「COWBOY BEBOP」の監督は渡辺信一郎監督。音楽は菅野よう子女史。もう最強である。もともと「マクロスプラス」で初タッグを組んだ二人だが、相性が良すぎるのか周りからの要望が強いのか、その後も何作品もともにした。(明確にタッグを組んだのは「Wolf's Rain」だけだが、その後も単曲での提供は続いている)

この菅野よう子女史の書く劇伴がとにかく最高にかっこよくて、この「COWBOY BEBOP」のサントラは日本ゴールドディスク大賞(アニメアルバム部門)を受賞するほど音源そのものとしても評価が高かったことを追記しておく。

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ちなみに受賞した当時は、地上波で26話中12話(+総集編)のみの放映およびWOWOWで全26話の放映真っ只中という、アニメシリーズの完結前という状況での受賞というところも、念頭に置いておきたい。

とにかく評価の高いオープニング曲「TANK!」については、地上波ゴールデンタイム(18:30〜19:00)には似つかわしくなく、歌なしのインストブラスジャズファンクって「ルパン三世」か!?(歌ありVer.も存在するが、基本はインスト)と脳裏を過ぎった人も多いのではないだろうか。(わたしもその一人)

公式オープニング映像がなかったので、最新セッションを置いておく。未だテレビ番組のBGMでもちょこちょこ使われているので、作品自体を知らなくても聞いたことがある人も多いのでは?

余談だが、本作品のサントラの一部の楽曲は、かの有名なRudy Van Gelder(ルディ・ヴァン・ゲルダー)氏が録音およびミックスダウンを担当している。おわかりだろうか。泣く子も黙るRVGである。BLUE NOTEレーベルでどれだけジャズの名盤を録音してきただろうか。名盤の裏面を是非見てほしい。必ずその手にある音源にも彼の名が刻まれているだろうから。(わたしの手元でいうと、Miles Davis、John Coltrane、Cannonball Adderley、Sonny Clarkなど…)

そんな超名盤「COWBOY BEBOP」サントラ1枚目に収録されている「SPACE LION」はわたしにとって、とても一言では表せない思い入れの強い音源だ。

作品で説明すると、メインストーリーである主人公スパイクの過去に関係する12話・13話「ジュピター・ジャズ前後編」のエンディングの差し替え曲として流れる。当時中学3年生だったわたしは、アニメの途中回でエンディングがまったく異なる曲に差し替えられる演出をはじめて体感し、ひどく興奮したのを覚えている。事前にアニメ誌で過去話と情報をキャッチしていたわたしは、12話・13話をVHSに録画していたのだが、まさか何気なく録画していたその放送を、その後何度も再生させるとは予想だにしていなかった。

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この「ジュピター・ジャズ」のゲストキャラクター・グレンはサックス奏者で、その彼が作中に「Julia」という曲を演奏するのだが、そのメロディが「SPACE LION」の冒頭のサックスソロのメロディである。この「Julia」という曲には彼の因縁と思いが込められており、作品の中でも何度か登場し、印象的な曲として残る。

話は少しそれるが、この「COWBOY BEBOP」にはシッティング・ブルをもじったラフィング・ブルというネイティブ・アメリカン(インディアン)がたまに登場する。彼は意味深な言葉を吐くだけで、物語の進行を手助けするわけではないが、この作品の哲学を現している存在の一人だ。彼はこの12話の冒頭、13話の最後に全く同じセリフを吐く。「グレート・スピリット(ワカン・タンカ)」に言及しているが、その言葉そのものの意味があるというより、その言葉が出たきっかけが重要だ。夜空をひとつの星が流れ、少年がブルに声をかける。「星が落ちたよ、ブル」

13話のラスト、ブルと少年の静かな会話後、EDの「SPACE LION」の音量が大きくなり、そのままエンドロールになる。ブルが見上げた星空がやがて宇宙へ絵が変わる。この曲は鎮魂歌だ。誰の、とは作品を見てほしい。

このエンディングの素晴らしさは、やはり作品を通して見て、感じてほしい。当該感動したセッションも貼っておくが、シリーズ通して鑑賞してこのエンディングに気持ちを傾けてほしい。

ああ、何度見ても中学3年の頃に気持ちが戻ってしまう。(「COWBOY BEBOP」の何十回目かの鑑賞中なう)あの放映時、そしてサントラを手に入れてフル尺7分を聞いた時。鳥肌が止まらなかった。全神経が映像に、音楽に釘付けだった。あの瞬間の感動は、何をしても越えられない。それくらい衝撃的だった。

だから、今回のセッションにぼう然としてしまうのは、致し方ないのである。この2020年に新録が聞けるなんて!?

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幸せすぎて、脳みそパンク状態なう。

菅野よう子様、SEATBELTS様、他関わってくださった皆様、本当ありがとうございます。心より御礼申し上げます。

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