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エンドウマメとおじいちゃんと

GW最終日。今日もこどもふたりを連れて、実家に転がりこむ。

ふとテーブルの上を見ると収穫されたエンドウマメ。
両親の畑では、今マメ類が最盛期だ。
今年はちょっとなりが遅い(ような気がする)。

母に「筋取りしたい!」と言うと「へっ!?」と驚かれた。
いつも家事育児に追われているわたしを想って、両親が筋取り済みのものを分けてくれる。
それはパパっと料理に使えるので、とてもとてもありがたい。
でも今日は子どもを見ていてくれる両親がいるから、久しぶりにやりたい。
わたしはこの作業が好きなのだ。

ヘタをプチンとちぎり、スーと筋を取る。
今度はおしりの部分をプチンとちぎり、またスー。
途中でちぎれずに筋が取れると、とても気持ちいい。
だけど筋がないのが、若くて柔らかい証拠。
そんなことを思いながら、プチン、スー、プチン、スー。

ふと、おじいちゃんの姿が蘇る。
今両親がしている畑は、元々は同居していたわたしの祖父(父の父)がしていたものだ。
祖父はとてもマメな人で、エンドウマメの筋取りはいつも祖父がやっていた。
両親が共働きで、祖母が物心ついた頃には寝たきりだったこともあって、わたしたち姉弟はおじいちゃん子だ。
だからよくおじいちゃんの隣に座って、筋取りをした記憶がある。

エンドウマメは収穫時期を少し逃すと、サイズが大きくなり、マメが膨らみ、皮も固くなる。
葉がわさわさに茂っている木は死角も多く、毎日のように収穫に行っても取り逃しが出来てしまうので、いろいろなサイズのものが帰ってきていた。
それを祖父は筋取りしながら、若くて小さいもの、普通サイズ、大きくてマメの膨らんだものと3種類くらいに分けていた。
調理がしやすくなるように、との祖父の配慮だ。

母に「これしとると、おじいちゃん思い出すわ。」と言いつつ、「このマメはどっち(の大きさの分類)に入れよかな…。」と呟くと
「おじいちゃんもそうやって言いながら、分けてくれてたわ。」と返ってきた。
そうか。おじいちゃんもそうやったっけ。

やさしい記憶が、またひとつ増えた。
おじいちゃんはやっぱり、おじいちゃんだった。

ここまで読んでくれたあなたは神なのかな。