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夜のピクニック

夕食を食べ終えてレストランの外に出ると、ようやく少し涼しい風が吹く。

人通りの多くなった道を、流れに乗って歩く。


目的地の広場には、日没を迎えて断食のあけた人たちがあふれている。

日中の熱を蓄えて、まだほんのりとあたたかい噴水のへりに腰掛ける。

隣では黒いチャドルを着た女性同士が、話に熱中している。

自転車に乗った子が目の前を通り過ぎたと思うと、今度はサッカーボールが転がってくる。

芝生の上に座った家族連れは、お茶とお菓子を楽しんでいるようだ。


ああ、夜のピクニックだな。

ここが暗くなってからも女性や子どもが出歩ける土地だなんて、過去のわたしには想像が及ばなかった。


ああ、なんて平和。

旅先でのその実感は、これまでのイメージを簡単に覆し塗り替えてくれる。


隣の女性たちがお裾分けしてくれたピスタチオをぽりぽりとかじりながら、しばらく幸せな光景を眺めていた。




ここまで読んでくれたあなたは神なのかな。