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努力の方向性

金曜日の夕方、私は手作りコロッケをせっせと揚げていた。
機嫌の悪いきぷく(娘・9ヶ月)を背負い、まころ(息子・2歳11ヶ月)にお腹空いたと騒がれながら。
平日のワンオペ時間に何でこんな手間のかかることしてんねん、と自分で自分にツッコミながら。

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「最近、なんか急に忙しくなった気がする。家事をするので精一杯って言うか、それすらままなってない感じ。
きぷくともっとゆっくり遊びたいし、noteも書きたいし、読みたい本もいっぱいあるし、徹底的に断捨離して家の中をスッキリ片付けたい、と思っとるのに何も捗らへんわー。」

そうしけちゃ(夫)に呟くと
「そりゃあ仕事増えてるからねえ」
とあっさり返された。 

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ああーーー!そうやった!と、言われて気がついた。

少し前から、きぷくの離乳食が2回に増えたのだ。
まころの時の経験を活かして、基本的には味噌汁の具の取り分けで、なるべく手間が増えないようにはしている。
とは言えお粥を作ったり温めたり、具材をすり潰したりと外せない工程もある。
スタイをつけたり、お手拭きを用意したり、汚れた服を着替えさせたり、手を洗ったり、、、一つ一つのことは大した作業でなくとも、つもり積もれば結構な時間になる。

夏の酷暑の時期は車で行っていたまころの保育所の送り迎えも、気候が良くなってからは歩いて行くようになっていた。
大人の足で歩けば15分弱の距離も、まころと歩くと30分はかかる。
少し遠回りになるスーパーに寄ったり、公園に寄ったりすることもあるので、なかなか帰ってこられないのが日常だ。
まさに日が暮れるやなあ、、、と思いながら白目になりそうなのを堪えたことも1度や2度ではない。

さらに、きぷくには【おかあちゃんセンサー】が搭載されているので、昼寝も抱っこのことが多いし、夜も布団を抜け出すと1時間おきに呼ばれる。
寝かしつけでの寝落ちを免れたとしても、ついついこのタイミングで誘惑に負けて寝てしまうことも多々だ。

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そんなジレンマも感じていたけれど、先日の田中裕子さんの記事を見て、救われる思いがした。

そうか、私は今子どもたちを守り育むことに努力をしているのか、と。

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効率だけを考えて動くならば、もっと簡素化することは出来る。
出来合いの離乳食は種類豊富にあるし、汚れた服をそのまま着ていても困るとこもない。
保育所の送り迎えは車で行けばいいし、食材をすべて宅配で頼むことだって出来る。

でもそれぞれの行動の裏には、意識していないけれど理由もあった。

日々ご飯を作ること、旬のものを食べること、素材そのものの味を知ること。
身なりを整えること。
たくさん歩いて、しっかりと動ける身体をつくること。
交通ルールを知ること、注意をはらいながら歩けるようになること。
スーパーに何があるのか見ること、買い物の仕方を知ること。
景色の中に、季節のうつろいを見出すこと。
そして、家族のあたたかさを感じること。

全てこれからの生活に繋がってくるものばかりで、子どもたちの基礎の部分になって欲しいと、私の願いが込められていたのだ。

冒頭でコロッケを揚げていたのも、スーパーのお惣菜コーナーでコロッケを食べたいと言ったまころに、明日作るから、と言っていたからだ。
約束を守ること。
これも大切なことだから、蔑ろに出来なかったのだ。

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子どもは親の背中を見て育つ、とか、子どもは育てたようにしか育たない、という言葉を、全く別の場所・別のタイミングで尊敬する方たちからいただいていた。
そのメッセージを体現することが今は自分の努力の方向性で、そうしていたいんだな、と振り返ってみて感じた。

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この努力の方向性は維持しつつも、やっぱりやりたいことはやりたい。
今度は隙間時間を有効に活用することにも、努力してみようかな。

ここまで読んでくれたあなたは神なのかな。