本の地図で旅する #burningthepage

本は死なない』第五章のブックマーク<「SNS」で本を探す>より。

この4sqを書店に応用するというのはどうだろう。

4sqとは、Foursquareのこと。GPS機能を使ったチェックインサービスですが、今はアプリが二つに分離してしまってややこしいことになっています。

が、それはそれとして、この提案は面白いですね。

たとえば行きつけの本屋さんの特定のコーナーでチェックインし、その一角の書店員、あるいは「主」(4sqでいうところのMayor)として、友人におすすめの本を提示したり、その一角にある本に関する情報をコメントにして残したりという形が考えられる。

書店員さんは、たとえばPOPなどで本、あるいはコーナーに関するメタ情報を提示できるわけですが、この書店4sqでも似たようなことはできるでしょう。

ただ、それ以上に面白いのが「主」の存在です。つまり、その書店を頻繁に利用している人からのコメントです。

たとえばあるコーナーで買った本が面白かったら、それを紹介する。4sqでも駅にチェックインすると、美味しい立ち食いそばの情報が提示されたりしますが、それと似たようなものです。

あるいは、「主」からの、「棚にないけど、こんな本も面白いよ」「なぜ、このコーナーにこの本が置いていないんだ」というコメントも、きっと書店探索の楽しさをアップさせてくれるでしょう。しかも、見たくない人は、そのツールを使わなければよいのです(ここがPOPとの違い)。

リアル書店を盛り上げるために、デジタルを完全に排するのではなく、うまくそれを取り込み・巻き込んでいくようなやり方が模索されると良いですね。

という話とはまったく別に、「位置情報」という概念を転用してみたくなりました。

今のところ、Kindleで本を読了すると、何かしらのオススメが提示されます。同じ著者の本であったり、同じジャンルの本であったり、自分と読書傾向が似ている人が読んでいる本であったりと、さまざまな可能性がありえますが、それらは細いリンクでしかありません。

それを地図にまで広げることができたらどうでしょうか。

言い方を変えれば、一冊の本が「どこに位置しているのか」が視覚的に把握できるサービスがあったらいいな、という話です。

あるジャンルの中でどういうポジションになっているのか、著者の作品歴の中ではどうか。そうした他の本との関連が読み取れるようなサービスがあると、読書沼にはまり込んでいく人がどんどん増えていくでしょう。業界的にはパイが大きくなっていうことなしです。

たとえば、「読書術」の本を買ったら、その他の読書術の本が平面的にざっと配置されていて、何かしらの指標で人気順がわかったり、時系列で並び替えたりできる。また、著者の作品をずらっと並べたり、あるいはその本がどのような本から影響を受けているのかが一覧できたり、といったことが可能になるわけです。

現時点でも、視覚的にマッピングする方向性のサービスはありますが、十分ではありません。広大な本の領域のマップを作ろうと思えば、ウィキペディア的な仕組みが必要でしょう。もちろん、そこにはウィキペディア的問題も同時に発生します。

だから、安易な桃源郷を語ることは避けますが、もし実現したら、本を読むことがもっと面白く(あるいは奥深く)なっていく気がします。

『ハイブリッド読書術』を選択したら、一番上のレイヤーで、読書術系の本がずらっと並び、次のレイヤーでは私の著作リストが時系列で並べられ、その次のレイヤーでは、『パイドロス』や『メディア論』などの参考文献・関連文献が並んでいる。

そうした「本の地図」を使い、本読みが本の世界を旅していく。

なかなか楽しそうではありませんか。

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倉下忠憲

『本は死なない』を読む

ジェイソン・マーコスキーの『本は死なない』の感想を綴っていくマガジン。
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