ブックオフとフリマアプリ

フリマアプリを通じた中古品売買は、スマートフォンで済む手軽さがある。しかも買い取り価格はメルカリが優位だ。
だがフリマアプリを使うと個人間で価格交渉をしたり、配送や梱包をしたりする。手続きを面倒と考える消費者が実店舗に戻り始めた

当たり前だけども、ブックオフの買い取り価格がフリマアプリよりも安いのは、この配送やら梱包やらを売り手がやらなくてもいいからだ。でもって、その時点で買い手がいない商品も受けつけてくれる(在庫リスクを引き受けてくれる)という点も、見逃せない。そういうのが積もり積もって、ブックオフの買い取り価格になっている。フリマアプリで売ることに比べると「買いたたかれている」と感じるかもしれないが、実際はいろいろなコストがかかっているのである。家で作るご飯と外食の違いを考えてみれば明らかだろう。

で、売りたい物が少なかったり、あるいは中古販売店で取り扱ってくれないものであれば、フリマアプリが存分に活躍してくれるのだが、そうでない場合はある。

あと、たとえば、ブックオフとフリマアプリで300円くらいの違いがあるにして(金額はいくらでもいい)、その人の「時給」がそれよりも高いなら、フリマアプリに手間を掛けるのは、コスト的に見合わない、ということもあるだろう。

といったもろもろを考えると、販売金額の拡大には一定の上限があるように思われる。ある人たち(あるいはある商品群)には有効だが、そうでないものもあるのだ、という意味において。

だからこれは「デジタル疲れ」といったものではない、という観点で捉えておく必要があるのではないだろうか。

#COMEMO #NIKKEI

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