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「今日はこれをするぞ!」は結構ダメパターン

もちろん、うまくいくこともあるわけですが、そうでない場合の方が多いのではないでしょうか。

3つのパーツに分解して考えてみます。

「今日は__これをする__ぞ!」

今日は

今日っていつですか。いや、今日ですよ。そりゃそうです。

00:00から23:59までが今日です。人によっては04:00くらいまでが今日かもしれません。

少なく見積もっても、24時間の幅があります。これが曲者です。

第一に、二つ以上の「やること」がある場合(≒「やること」が競合した場合)、時間の幅が広い方が後回しにされます。そりゃそうですよね。午前中にやることと、今日中にやることなら、先に手を付けるのは? 前者です。

そう考えると、「今日やる」という時間の幅が広いものは、圧倒的に先送りされます。「あとで、あとで、あとで」。そうして一日が終わってしまいます。

第二に、競合する「やること」が他になくても、なんとなく手を付けにくいものです。「まあ、今日やればいいか」と切迫感がないのです。実際それは、(理屈の上では)その通りなのですから。一日の行動をつぶさに観察すれば、実際取りかかれる時間的スペースはその辺にしかなくても、脳はそんな細かいことを気にしたりはしません。余裕綽々のスペースがそこにあるように感じられます。だから、結局取りかからない。

そういうことが、非常によく起こります。

これをする

これって、なんですか。いや、これですよ。そりゃそうです。

たいてい、そういう決意が成されるときは、この「これ」の粒度は大きいものです。GTD的に言えば、プロジェクト的なもの(ex.作業机を片付ける)。あるいは、もっと大雑把な場合もあります(ex.部屋を片付ける)。

もちろん、この決意に間違いはないのですが、「実際に取れる具体的な行動」がそこには欠落しているので、どうしても着手しにくい状況が生まれます。これが曲者です。

また、実際に取れる具体的な行動がわからないので、「どのくらい時間がかかるのか」もわかりません。そうなると、別の「やること」が出てきたら、そしてその時間見積もりができるなら、「まあ、こっちからやろうか」という気持ちになってしまいます。先ほど書いたことと相乗効果を発揮して、先送りが加速していきます。

ぞ!

この「ぞ!」が厄介なのです。一見小者というか、お刺身に添えてある菊の花のように思えますがそうではありません。

こういう強い決意は、一見よい効能をもたらしそうですが、結構トラップが多いのです。

第一に、こういう決意のもとでは、選択される大量の粒度は大きくなりがちです。「部屋を徹底的に片付けるぞ!」、とか。そうなると、「やること」にかかる時間が増え、必要な行動の量も増えます。すると、不思議なときに、決意したときの自分ではなく、行動するときの自分がそれを嫌になるのです。

片方に超大きい荷物があり、もう片方に手軽な小さい荷物があったとしましょう。とりあえず、運ぶならまずどちらから?

そうですね。後者ですね。で、日常には手軽な小さい荷物がわんさかあるので、そればっかりと運ぶことになります。超大きい荷物は常に待機中です。

強い決意は、荷物を大きく作りがちです。それってとりかかるのがかなり難しいのです。もちろん、不可能というわけではありませんし、なんとかやり遂げれば「達成感」というご褒美が待っていますが、実はかなりのエネルギーを消耗しちゃっています。

そうせざるを得ないような仕事・作業の場合は仕方がありませんが、そうでないならばわざわざこの道を進む必要はないかもしれません。あと、ピーク・エンドの法則により、この達成感ばかりが記憶に残るので、それが繰り返されるトラップもあります。これはこれで別種の問題を抱えています。

さいごに

とりあえずはセクション法です。

最低でも、午前中とか、午後5時までとかの区切りを入れましょう。開始時刻を決めてしまうのが一番手っ取り早いです。

でもって、具体的な行動を明らかにしましょう。「作業机を片付ける」は、到達したい状態の指針としては機能しますが、これだけでは「やること」は判然としません。「不要な電源ケーブルを引き出しに直す」「詰んである本を本棚に」「散らばっている小銭を財布に」あたりにまで具体化しておけばOKです。

できれば、こういう行動はきちんと紙に書き出してリスト化するのがよいのですが、面倒ならば回避しても構いません。ただ、一度は「具体的に何をするのか」ということを脳内でいいので考えておきましょう。あるいは、その思考こそが一番最初の「やること」と言えるかもしれません。

あとは、まあ、強い決意ではなく、「ちょっと〜〜でもやろうか」とか「最低限これくらいはできたらいいかな」くらいの弱いテンションで臨めれば、あんまり疲れません。もちろん、ぜひ疲れたい!というならば、強いテンションでもOKです。

※この記事はR-styleに掲載した記事のクロスポストです。

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