星1つのレビュー

この話をどこに書こうかちょっと迷いました。

ブログに書くと、まるでレビューを書いてくれた人を攻撃しているみたいに受け取られるかもしれない。それは本意ではありません。かといって、メルマガに書いてしまうと陰口をたたいているような印象を与えるかもしれない。

というわけで、noteに書いてみることにしました。

もう一度書いておきますが、別に攻撃的なエントリーでは一切ありません。そういう含みすらありません。ストレートな考察です。

物書きが向き合わなければならないのは、__己の技術不足と__他者からの評価です。

で、Amazonのレビューというのはまさに他者からの評価です。星5つ頂ければものすごく嬉しいですし、星1つをもらってしまうとすごく落ち込みます。時には傷ついたり、精神状態が不安定なら、怒りを感じることすらあるでしょう。

他人の評価とはままならないものですから、どうしようもないとはいえ、理性だけで割り切れるものでもないな、と思っていました。

さて、先日セルフパブリッシングで発売したとある本に、最初のレビューを頂きました。星1つのレビューです。

で、そのレビューを見た時、自分の心理的なショックがずいぶん少ないことに驚きを感じました。本を書き始めた頃に星1つを頂いたときには、もっとぐらついていたような記憶があります。

そういうとき、「なぜ、そうなるのだろうか」という点に私の興味は向きます。心の動き方が気になるのです。

第一の仮説としては、「慣れた」があげられるでしょう。ひよっことはいえ、数年物書きをやっているのです。「おもしろくない」という評価にたくさん触れれば、心が動揺する度合いも減るでしょう。

第二の仮説としては、「そのレビューが的を得ていた」があります。はい、たしかに表紙デザインはダサイです。お金がかかっていません。文章の編集も甘いと言われれば、強く反論もできません。プロの編集が入っているわけではないのです。

この二つはありそうな仮説ですが、もう少し別の仮説を探してみると、第三の仮説が浮かんできます。

それは、「本の形態が違う」という点です。本の形態とは、紙の本と電子書籍、ということではなく、出版社を通じた出版と、セルフパブリッシングの違いについてです。

私はこの本を作るとき、ニッチであることを強く意識しました。「誰にでも読まれるものではないな」と。もっといえば「普段本をたくさん読んでいる人には物足りないだろうな」と。それらの弱点を踏まえた上で、「普段文字の多い本を読まない、仕事術の本もあまり読んだことがない人」向けに本書のコンテンツデザインを行いました。

レビューの内容と文章力を見るに、レビューを書いていただいた人は、どうやらこの本の対象読者とは違うようです。語弊を承知で書けば「ちゃんとした本読み」であることが窺えます(皮肉ではありません)。だから、この本に星1つのレビューを付けられるのは、しごく当たり前のように感じたのです。だから、心の動揺も__ゼロではないにせよ__少なかった。

もちろん、対象読者ではないからレビューは頭から無視する、ということではありません。表紙デザインは、気をつけた方がよいでしょうし、読了後の満足を感じられるように編集を意識した方がよいでしょう。そういうのは反省材料になります。

また、レビューを書いてくれた人向けに本を書くならもっとボリューム&内容の厚みがあるものにしたほうがよい、ということもわかりました。

なんとなく若い頃は__今も若いですが__「こいつはわかっていない」的処理で心に防壁を張っていましたが、一つの貴重な意見として受け入れられるようになった__ような気がします。気がするだけです。

とりあえず、何を書いても星5つもらえてしまうようなら、それはフィードバックが機能していないのとイコールです。

強がりではなく、星1つであってもレビューをいただけるのはありがたいことだと思います。

※以上で9割のお話は終わりました。以下、500字ほど「おまけ」的続きがありますので、気になった方はご購入くださいませ。

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