Weekly R-style Magazine 「読む・書く・考えるの探求」 2018/03/19 第388号
はじめに
はじめましての方、はじめまして。毎度おなじみの方、ありがとうございます。
コラボでの新連載がスタートしました。
◇働く人のMP戦略|nokiba|note
https://note.mu/nokiba/m/m3221b02820a1
のきばトークでお馴染みの、佐々木正悟&倉下忠憲のコンビでお送りする連載です。
「MP戦略」とは一体何なのか? については、以下の過去記事をご覧になればざっくりとご理解いただけるかと思います。
◇セルフコントロール力との付き合い方 あるいはMP戦略 | R-style
https://rashita.net/blog/?p=9730
この記事がベースというわけではありませんが、近い話はどこかで展開されるでしょう。
おおむね、認知・タスク管理・セルフマネジメント周りの話がされるかと思います。乞うご期待。
〜〜〜連載の効能〜〜〜
上記のように往復連載をスタートさせたのですが、当初はもっと書き下ろしに近い形での進め方も検討していました。
どちらの進め方でも、本一冊分の原稿(≒文字数)を書かなければならないのは共通しています。が、連載の方がはるかに楽なのです。
連載の場合、その原稿について考えるのは週に一回で済みます。順番が回ってくる→その週の原稿を書く。以上です。意識のフォーカスは、一週間に一度そこに向けるだけでOKです。
これが書き下ろしだと、話が変わります。その対象について、ずっと考え続けることになるのです。本文について、構成について、検討する話題には事欠きません。常駐型アプリケーションにずっとメモリが浸食されている感覚です。
もちろん、そのように頭を使うからこそ、一貫性のある「本」ができあがるわけですが、複数の原稿を進めていく場合は、限界があります。そんなにたくさんの常駐型アプリケーションは同時に起動できないのです。
だからこそ、連載の形にして、認知を向けるタイミングを限定(有限化)させるのが有効です──ということもまた、MP戦略と言えるかもしれませんね。
〜〜〜ツール自作という娯楽〜〜〜
ここ最近、新しいツールを使っています。7wrinerと同じように、Webブラウザで使える執筆補助ツールです。
一つは、「WritingSpot」というツールで、7×7の領域を持った不思議なエディタです。こちらは近々公開予定。
もう一つは、「textLine」といって、ただひたすらに、一直線に、ずーっと、メモを並べていくツールです。
メモを保存するツールはたくさんありますが、「任意で順番入れ替えが可能」であり、「個別ページに入らなくても編集可能」なツールってほとんどありません。というか皆無といってよいでしょう。
すべてをフラットに並べ、それらすべてを同じように編集できるメモツール。そういうツールがあったら面白そうだなと思って、作りました。
こちらも公開するつもりはあるのですが、どの端末からアクセスしても同一のデータを表示させるために、サーバーにデータを保存しているので、これまでのツールと同じようにはいきません(これまではデータを各ブラウザに保存させているので、簡単に公開できたのです)。
とりあえず、公開まではもう少し時間がかかりそうですが、やはり自分の手に馴染むツールは良いものですし、そうしたツールを作るのは最高の娯楽の一つだと思います。
ちょっとだけ実用性が加味された娯楽。文句のつけようがありません。
〜〜〜宿題とパズル〜〜〜
たとえば、宿題ならば、他の誰かに代わってもらいたいと思うことがありますよね。
でも、クロスワード・パズルとかナンクロを解くことは、代わってもらいたいとあまり思いません。
でも、パズルを解いた後の懸賞のみが目的なら、誰かに代わってもらいたいと思うことはあるでしょう。
自分で使うためのツールのアルゴリズムを考えることって、面倒ではあるのですが、楽しいですし、他人に丸投げしたいともあまり思いません。
ということは、パズルに近いものなのでしょう。
〜〜〜脳のモード〜〜〜
どうにも、脳にはモードがあるなと感じます。文章を書いていると特に強く感じます。
何かしらの説明文をぎっしり書いた直後だと、小説(創作文)が非常に書きにくくなります。逆に、小説を書いた後だと、説明文が不十分になりがちです。
基本的に、その二つの文章の製作は頭の使い方が異なっているのです。
説明文は、階段を一段一段上るように説明を(あるいは論理を)組み立てていく。一方小説は、そこにある世界を読者さんが頭の中に構築できるように描写していく。求められている要件は、雑草刈りと盆栽ぐらい違っています(適切なたとえかどうかは疑問)。
※だから『数学ガール』シリーズはすごいと感じています。落ち着いた内容ですが、私にはアクロバティックにすら感じます。
こういうことは前々から気がついていたのですが、最近頻繁にコードを書いていて、別の違いにも気がつきました。
頭がコード書きモードになっていると、ふと思いつく着想が、言葉を用いた文章ではなく、概念同士の関係性として頭に浮かぶのです。
説明文モードのときは、書き言葉か話し言葉でアイデアが浮かびます。小説モードのときは、シーン(風景+人物)のイメージとして浮かびます。
コードのときはそのどちらでもなく、機能と関係性として浮かぶのです。それは描写すれば図式になりますが、実際は図ではなく、なんとも言えない感覚で思い浮かびます。
そういうことがわかったからといって、どんな利得があるのかはわかりませんが、メモするためのツールに多様性が必要なことは確認できます。大切なことです。
〜〜〜Q〜〜〜
さて、今週のQ(キュー)です。正解のない単なる問いかけなので、頭のウォーミングアップ代わりにでも考えてみてください。
Q. 「独学」の反対の言葉はなんでしょうか。反対はどのように解釈していただいても構いません。
では、メルマガ本編をスタートしましょう。
今週も「考える」コンテンツをお楽しみくださいませ。
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2018/03/19 388号の目次
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○「タスク管理システムの実装」 #BizArts3rd #タスク管理
タスク管理を掘り下げていく企画。連載のまとめに入っています。
○「哲学的ゾンビ」 #ショートショート
読み切りのショートショートです。
○「新しいサイトの形」 #知的生産の技術
○「フロー、ストック、グロー[1]」 #やがて悲しきインターネット
※質問、ツッコミ、要望、etc.お待ちしております。
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