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ぼくが受託デザインを辞めた理由

noteは久しぶりの更新です。

先日、目黒通りを車で走っていたら、碑文谷あたりで行列が目に入った。なんとなく後で調べてみたら、知人のデザイナーさんが手がけている洋菓子店だった。ビックリ!

どうぶつをモチーフとしたかわいい洋菓子で、デザインと世界観が素晴らしく、デザイナーさんが直接関わられていることが感じられる完成度の高さ。お話をお伺いした時はまだまだ大変という話をされていたのに、あっという間に行列のできるお店に!

さて、ぼくは以前はグラフィックデザイナーをしていて、社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)というご立派な協会に所属していた。そこで知り合ったのが長谷川さん。当時はコピーライティングとグラフィックデザインをされていた。

その長谷川さんも自社で「コムクレープ」というクレープ屋さんを営んでいて、いまでは国内に複数店舗を構えている行列必至の人気店!

長谷川さんとの話で印象に残っていたのが

「コピーもできるし、グラフィックもできる。だったらその力を自分のために使ったほうがいいんじゃないの、と思った。」

という話。

ぼくも2005年に会社を辞めてフリーでデザインの仕事を始めたものの、その仕事のスタイルに疑問を感じていた。仕事をご依頼いただき、デザインする。当たり前の話ではあるのだが、時には余計な修正作業で徹夜したり、担当の方の移動で仕事が途絶えたり。

また、2008年のリーマンショックやソフト、サービスの進化・成長により、デザインという仕事の単価は下がり、その中でどう仕事を得るかという、言ってみればレッドオーシャン化していく。様々な外的な要因が大きく仕事に影響し、特に社会の変化を自分の力で変えるのは不可能に近い。

だから、自分ですべてをコントロールできる「自社コンテンツ」の必要性を大きく感じていた。自分の持てる力を、自分が成したいことに使う。先に書いた長谷川さんの一言はまさに真理を捉えていて、リスキーではあるけれど、やり甲斐や浪漫は大きい。

受託業務を否定しているわけではない。仕事や発想の幅を広げてくれるし、共に作り上げる喜びもある。ただ、向き不向きはあり、ぼくには多分不向きだったのだろう。ぼくがやらなくても、いくらでもやってくれるデザイナーはいる。だったら、自分の理想とするブルーオーシャンを探したい。

「自社コンテンツの割合が売上の50%を超えたら、一気にそちらに力を入れるべき」

これも長谷川さんの言葉。たしかに可能性を感じられるのであれば、限られた労力をすべて投入したほうが成功への近道となるだろう。長谷川さんは真理をいろいろと教えてくれる。

今は「Mountain Martial Arts」という自社コンテンツがぼくの仕事の100%で、受託案件はほぼ0。たまに知人や古いクライアント様からのご依頼をいただくくらい。

自分がクライアントとなり、自分の持てる力を自社コンテンツに使う。理不尽な修正も、代理店の無用な茶々も入らない(いい代理店さんもいるけど、ぼくは基本的に代理店は苦手)。すべては自分の能力によるリスクとリターン。

今は働き方も様々な時代。こんなスタイルもあると、もし悶々としているデザイナーさんの参考になれば、という話でした。

#ブランディング #デザイン #アートディレクション #ビジネス #仕事 #自営業 #ファッション #フリーランス #独立

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