新・幻想小話
烏の沈黙④
そういえば
手拭いを被る、そんな女がいたなと思い出す
最初は手拭いを絡げて
二度目は綿帽子で目を隠し
三度となく四角に折り込んだ箱頭巾を被り
洗濯物やら干していた
猫又は
死体をまたぎ
死に血を吸う
呪いをかけて成り代わる
むんとした夕刻
神などいない

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