庵野さんの魅力

庵野さんは若い頃からなぜか
モテていた、
という話は有名なんだけど、
最初聞いた時は理解できなかった。

風呂にはなかなか入らないし、
髪型も決まってないし、
服もオシャレどころか
家では仮面ライダーのベルトを巻いてるし、
筋金入りのオタクだし、
スポーツとか得意には見えないし、
傷つきやすくて
すぐ鬱になって
自殺したいって言い出すし、

若い頃の顔を見ると確かにシュッとしてて
独特の怪しい雰囲気とかカッコよさはあるけど、
いわゆるモテそうな感じではない。

最近、
映画製作、撮影のドキュメンタリーとか
庵野さんの奥さんの漫画を見て
庵野さんの人柄を感じて、
モテたのがなんかわかるな、
と思った。

庵野さんは人を惹きつけるものがある。

太宰治がモテたのと同じで、
弱いところ、傷つきやすかったり、
ダメなところがあって、
それを隠しきれないところが
あって、
強いところは天才的に尖っているんだけど、

弱いところは本当に弱いっていう、

この落差というか
ギャップというか、
「俺は強いしひとりでなんでもできる」
だった宮崎駿のタイプとは違った
傷つきやすいがゆえの柔らかさがあるというか、
だから宮崎駿も庵野さんが好きなんだろうと思う。

しかも、庵野さんは批判の的になって自分が傷つくことになるのを恐れずに、
やりたいことを堂々とやって、
それで傷つきながらでも
尖った作品を作り続けるっていう、
「強さと弱さ、
天才性と凡人性、
勇敢さと脆さ」
が両方ともあるっていう、
ここがまさに主人公的というか、
人間の弱い部分とか脆さ、愚かさ
卑しい部分もあるんだけど、
高潔さとか勇敢さもあるっていう
のが魅力的。

器用に安定した人生を生きるより、
リスクの海で傷つきながらも
個性とか才気を輝かせながら
生きるっていうのに
危なっかしいけどなんか惹かれるみたいな
魅力を
周りの人間は感じていたんだろう。

真っ直ぐ伸びた、クセがない杉の木より、

曲がりくねって伸びた松の木の魅力、

偏っていてひずんで、ゆがんでいるがゆえの
魅力というか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?