【『無能なナナ』ネタバレ考察】第8巻のキーワード< >が示す意味は?【人類の敵の正体?】

※注意※
※単行本派による考察です。
※第8巻までのネタバレが含まれます。
※原作を確認してはいますが個人の妄想に近いものなので、信憑性は保証できません。
※本文にはネタバレありますが、未読派の方に配慮した表記を心掛けています。
以上、ご了承の上どうぞ~。

前回第8巻の考察を書きましたが、あの時の私ってば、考えが浅いにもほどがありますね! Twitterでフォロワーさんとお話ししているうちに、「おれのかんがえたさいきょうのかせつ」を思いついて1人で興奮したので、ここにしたためます!

一応前回の考察を読んでからの方がわかりやすいかと思われます。よかったらどうぞ。

※追記:この記事の考察は概ねハズレです。第9巻で判明しているので、読む価値はありません。


考察1|新キャラ殺害事件のキーワードは<古株>!

第8巻を読んですぐは、正直、「今さら能力者同士のいざこざなんかどーでもえーわ」と、若干うんざりしたほどでした。モエの戦線離脱に重ねて、ナナが能力者たちからの信頼を失っていく展開のための布石ではないかと、前回の考察では書きました。

しかし今回の事件では、大事なキーワードが出ていたのです。それが、<古株>

これまでも折に触れ、能力者たちは同時期にまとめてではなく、随時島に送られてきたことは仄めかされてきました。今回新たに分かったのは、前巻からの新キャラである前園サチコ、清水キヨミ、相馬ダイスケ、西城タケオの4人は島では古株の能力者だということです。しかも能力が強いとのこと。当然サチコが同時期に入学したという大地ヒカルも同様と考えるべきでしょう。

ヒカルはナナオのパワーアップを印象づけ、その役を果たしてから殺害されました。また本土に渡るタイミングで登場した三島コハルも、ナナの過去の記憶を呼び覚ますキーパーソンでした。

このように、少しずつ重大な真実が明かされてきた今の段階で、単なる引き延ばしのための新キャラが投入されるわけがないのですよ!

この考えに基づいて、現時点での謎や疑問点に対し、それぞれ仮説を立ててみましょう。

考察2|相馬がモエに見られた“アレ”とは?

「サチコちゃんの瞬間移動みたいに古株の人ってさ
能力がシンプルに強いらしいんだよね」
出典:『無能なナナ』( 作:るーすぼーい / 古屋 庵 スクウェア・エニックス発行 ガンガンコミックス)第8巻65ページ

サチコの瞬間移動は確かに距離などを考えると強いといえるかもしれません。キヨミの糸も、どんな重いものでもぶら下げられるという点を評価するなら同様です。相馬は自己申告ではかなり強い電気の能力を持っているとのこと(第8巻193ページ)。西条のガラスの能力は現在の情報だけでは判断できません。

気になるのは、古株の男子2人の能力がはっきりしないことです。わざわざ「強い」と説明し、しかも能力の詳細は明かされない。そして少なくとも相馬の能力は、今回の殺害事件に関係している…?

ということは?

「……アレを
見られたのは想定外だったが
どうとでもなる」
出典:『無能なナナ』( 作:るーすぼーい / 古屋 庵 スクウェア・エニックス発行 ガンガンコミックス)第8巻129ページ

「まあ
真壁(サル)はきっちり
シメておくか」
出典:『無能なナナ』( 作:るーすぼーい / 古屋 庵 スクウェア・エニックス発行 ガンガンコミックス)第8巻132ページ

この、相馬がモエに見られた“アレ”とは、相馬の本当の能力のことなのでは? 勿論その能力は超強力な筈です。そして相馬が徹底的に隠したいほどの能力を持っているのなら、他の古株たちも同程度の能力を隠している可能性もあります。

「真壁」に「サル」とルビを振るほど、他の能力者(と思っている同窓生たち)を見下しているのも、その強力な力ゆえなのでは?

まあ妄想ですけどね!

考察3|“アレ”を見られて都合が悪い理由とは?

“アレ”が強力な能力と仮定して(実際モエが理解したかどうかは別として)、では何故それをこの期に及んで隠そうとするのか。普通に考えれば、今後その力を存分に振るう予定があるからです。

その具体的な目的とは?

ここからは、物語が刻々と核心に迫っているとの前提の下に考察します。つまり、今頃出てくる新キャラには必ず重大な役割があるという想定です。

さてまず、古株の中で最もその考えや行動が明らかになっている相馬に注目しましょう。彼の言動から、目的を推察できそうな要素をピックアップします。

相馬の目的・行動原理
・本土に渡って早々、振り込め詐欺の事務所を乗っ取った(第8巻99ページ)
・金と力が好き(真意でない可能性もあり?)(第8巻99ページ)
・人を服従させ支配する力、即ち権力が欲しい(第8巻99ページ)
「どんな強能力者も人間の集団にはかなわない」という考え(第8巻100ページ)

まとめると、「人間の集団と戦うことも想定して金や権力が欲しい」ということでしょうか?

この考え方と、彼が古株であること。この2つから、1つの仮説(という名の妄想)が立ちませんか。

相馬たち古株の5人(ヒカル含む)は、5年前のサイキックウォーを知っているのでは? 実際に参加したかはわかりませんが、ジンが島に残っていること、多くの能力者たちの死体が島に残っていることを考えると、そのきっかけや顛末を知っていても不思議はありません。それどころか、彼らの能力の強さはサイキックウォーを生き残った証明ということもあり得ます。

つまり彼らは少なくとも、ほんの些細なきっかけから最悪の事態を引き起こすことを知っており、且つその場合、大人たちは何の救いも出してくれないということも知っているはずです。そこから相馬の人生哲学が形成されたとすれば、他の古株たちも、同じくらいの危機意識は持っていて当然ではないでしょうか。

ならば古株たちは結託して、1つの目的に向かっているのでは!?(多少の内部分裂はあったかも?)(あるいは内部分裂の結果が今回の殺人?) そして相馬の行動に鑑みるに、それはおそらく来るべき第2次サイキックウォーへの備え

ちょっとややこしくなってきましたが、私の考察3の結論は以下の通り。

少なくとも相馬、サチコは結託していて、西条殺害において共犯。
・キヨミと西条も途中まで、あるいは今でも相馬とサチコの共犯の可能性あり。
・彼らの目的は近々起こるであろう能力者・無能力者双方との戦いへの備えであり、サチコがナナ側についたように見えるのも、おそらくヒカル殺害もそのための布石

どうでしょうか…。


※「最後の仲間が死んだあと」(第3巻274ページ)というジンの台詞から、生き残りという線は薄いです。しかし“仲間”が“自陣営の能力者“という意味なら、ヒカルはサイキックウォーの生き残りの1人なので、

「派手にやってるね
五年前を思い出すよ」
出典:『無能なナナ』( 作:るーすぼーい / 古屋 庵 スクウェア・エニックス発行 ガンガンコミックス)第5巻285ページ

このジンの台詞をあえて入れたことに、特別な意味があったことになります。

また、「生き残るのは強いものではなく変わっていける者」(第3巻273ページ)という台詞の“変わっていける者”が自分以外の生き残りたちも指しているとしたら、古株たちの能力の拡張を示唆しているかも…?

考察4|古株たちが“生き残り”なら■■との関係は?

さあ、相馬たちがサイキックウォーの生き残りかそれに準ずる者たちであり、次の戦いに備えているのだとすれば、何故ジン(変身)だけは彼らと別行動をしているのでしょうか。

それぞれの特性を生かして分担で行動しているとも考えられますが、その線は個人的に考察が捗らないので置いときます。

ここはもう結論から。

ジン(変身)と相馬陣営は、ジン(本体)をめぐる敵同士なのでは?

ジン(変身)は、本土にアジトを持っていたり車を運転したりと、そこそこの活動基盤を備えています。相馬が反社会的勢力の事務所を乗っ取ったり車を盗んだりしているのは、ジン(変身)に対抗するためと考えると、(物語世界に不釣り合いにも思える)あの描写に説明がつきませんか? 車は西条殺害のためかもしれませんが、振り込め詐欺の事務所なんて他に何のために必要なのか。

ジン(変身)に対抗し、ジン(本体)を探すためなら、裏社会に精通した反社会勢力は間違いなく役に立ちます。

更にいえば、鶴岡も(今では)ジン(本体)を手に入れようと動いているかもしれない…?

ジン(本体)についてはほとんど何もわかっていませんが、昏睡状態になっても生かされていることから、何らかの大きな力を持っていることは間違いないでしょう。それは異能力とは限りません。ただ、戦局を大きく動かすような何かです。

相馬たちはジン(本体)の力をある程度知っていて、戦いを生き残るためには彼が必要だと思っているのでしょう。そしてジン(本体)がジン(変身)の手にあることも知っているのかもしれません。相馬たちが知っているのなら、ジンと1度対峙した鶴岡が知らないほうが不自然です。

ということはナナが目的を失っている現在、水面下では鶴岡VSジン(変身)VS相馬陣営の三つ巴の戦いが繰り広げられている…?(ナナオを入れなかったのは鶴岡がナナオに計画全てを話しているとも思えないから)

考察5|仮にサチコが“あの少女”だとしたら…?

5年前のサイキックウォーの始まりは、1人の少女の恋心からでした(第3巻269ページ)。もしその少女が、前園サチコだったとしたら?

いえ、原作を読めば分かりますが、その少女は残酷なリンチの後に殺されたとジン(変身)の口から語られています(第3巻270ページ)。

しかしどうしても、第8巻で出てきた“古株”という言葉が気になるのです。加えて、彼らはシンプルに能力が強いという情報も。何故古株に限って能力が強いのか? 大した訓練も課せられない島での生活が少しくらい長いからといって、能力が成長するとは思えません。

さあここで、いつものハイパー鶴岡蘇生能力者タイム

※ここからは、また言っとるわくらいの生ぬるい目で見てください※

古株たちは、“生き残り”ではなく“生き返り”なのでは? 5年前のサイキックウォーで1度殺され、蘇生させられた命なのでは? その際に能力が強いから蘇生対象として選ばれたか、蘇生によって能力が拡張したかなのでは? そう、ナナオと同じようにね!

この鶴岡蘇生能力者説、今、3回目書いて気づきましたが何でもありですね。だって蘇生ですもんね。でもなー、ミチルへの銃撃とか“約束”とか、“能力の拡張”とか、ジン(変身)がナナオに変身できるようになったこととか、今回のキーワード“古株”とか、次々そう判断できる要素が積み上げられてる気がするんだよなー。

島に死体がほったらかされてるのも、鶴岡のキープかもしれないじゃないですか? それにジンの5年前の話とも矛盾しないですし。

相馬(か西条かヒカル)がケツアゴだったらもっとこの説に自信を持てたんですけど。

では、また次回!

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