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街ブラをした日

9時起床。
7時間ぐらい寝た。
お盆休み2日目だ。
6日間のうちの2日目。
重たい身体を起こす。
エアコンはつけっぱなし。
外はもう暑そうだ。
カーテンの隙間から差す日差しの強さでわかる。
目が眩むのでカーテンは開けない。
ちょびっと開ける。

気がついたら前回の日記から一ヶ月が経過している。
まいった。
一ヶ月は経過しないようにと思っていたのに。
一ヶ月だけは経過しないようにとあれほど口酸っぱく言ったのに。

まあいいじゃないか。
色々忙しかったし。
お仕事とかお遊びとかで。
遊びに「お」をつけると良くない響きになるのね。

濃密に過ごせた一日ほど日記に記して残しておきたいのに、濃密な一日ほど疲れるからその日の夜に日記を書こうなどと思えないものなのだな。
だからまあ次の日とかに書けばいいかと思っていると、その日は単純に体調が悪くて書けなかったりして、そうこうしているうちにまた次の濃密な一日がやってきたりして、ああ前の濃密な一日の日記も書いていないのにまた濃密な一日を過ごしちゃったよ、となって、じゃあもう書けないよ毎日日記なんか、誰だよ日記を書くとか言い出したの、と自分一人で責任の押し付け合いが始まって、結局こうやって一ヶ月が経過してしまうよね往々にして。

今日は日記を書こうと意識しながら、朝のコーヒーを飲む。
コーヒーは毎朝飲んでいて、毎回コーヒーを飲むことを日記に書いているから、コーヒーを飲むときに日記を書くことを意識させられる。

今日は何をしようと考える。
お盆休み、6日間あるけど1日たりとも予定がない。
地方から上京してきている人は帰省したりするのだろう。
東京出身なのでそんな選択肢は生まれつき無い。
友達は帰省している人が多いわけで、遊びに誘えるような人がいない。
一人でダラダラ過ごして連休を無駄にしそうである。
ダラダラ過ごしたとしても無駄ではないんだけど。

出かけるにしても天気が不安定だとよろしくない。
最近は基本的には晴天続きだが、ゲリラ的な雨が降る時がある。
そういえば「ゲリラ豪雨」って数年前に使われ出した言葉だけど、それ以前はあまり無かった現象なのかしら。

今日は雨は降らなそう。
台風来てたりするけど今日は大丈夫みたいだ。
予定立てにくいんだよ天気が不安定だと。
とにかく今日は外に出よう。

行ったことのない駅で降りて、街ブラ散歩でもしようと決める。
なんとなく買いたいものはあるので、それらしきものが売っているらしき店らしき建物があるらしき街をブラブラ歩こう。

昼過ぎに出発。
最寄駅へと歩くが、途中で図書館に入る。
暑いからである。
セーブポイントが必要だ。
時々曇るけど基本的には晴天。
青い空と入道雲。
夏真っ盛りだ。
日焼け止めに帽子にサングラス。
日傘を持ってくるのを忘れた。

広い図書館は意外とそんなに強く冷房が効いていなかった。
コンビニとかの方がひんやりしている。
仕方なく、長居する。
膨大な量の書籍が並ぶ本棚を眺める。
そういえばあの本をパラパラ読みたいな、と思いつく。
でも今この図書館には置いていないようだった。
じゃあしょうがない、と思って、駅とは反対方向の本屋さんへと向かう。

商業施設内の本屋さんはその最上階にある。
エスカレーターで階上へ登っていくと、途中の階の洋服屋さんが気になった。
エスカレーターを下車する。
下車とは言わないか。
下スカレーターする。

最近は無地のTシャツしか着ていなかったけど、ガラとかイラストのあるやつが着たくなってきた。
気に入ったものがあったので購入した。
値段も手頃だし、デザインも良いので満足だ。
さあ帰ろう。

違う、何しに外に出たんだっけ、と考える。
そうだ本屋さんに行って気になっていた本を立ち読みするためだ。
いや違う、図書館で読書をしようと思っていたんだ。
いやいや違うわ、街ブラだよ今日の目的は。
と思い至る。

図書館は涼むために入っただけだ。
電車に乗って行ったことない駅へ向かうのだ。
なのに気がついたら最寄りの商業施設でTシャツを購入していた。
不思議な現象を目の当たりにしている。
気温が上がれば服屋が儲かる。
うん、なんか、普通のことだな。

最上階の本屋さんで本を立ち読みする。
漫画、児童書コーナー以外全部見る。
特に投資関連の本を読む。
株関連の本を書く人はヘンテコなペンネームの人が多いけど、意外とそういう人の方が信頼性が高かったりする、という私の所見。
なぜなら普段は普通の企業に勤めていて、それでいて投資でも成功しているという人である可能性が高いから。
会社には内緒でこういう本を出版しているわけだ。
運を味方につけて成功した専業の投資家より、仕事は辞めずにちゃんと働きながら資産を増やす堅実な投資法を教えてくれる。

本屋を出て一階で下スカレーターして商業施設を出る。
そしてやっと駅へと向かう。
普段より幾分か人は多い。
お盆の時期は、都会の方は人や車が閑散とするらしいが、自分が住むエリアは微妙なところである。
帰省する人が多くて一気に街から人が減る、みたいなことはない。

さすがに暑いので人が密集していない場所ではマスクは外しているが、電車の中では念のため付けるようにしている。
帽子にマスクにサングラスで、変質者極まりないのだが仕方ない。

目的の駅で下車。
駅周辺をぶらぶら歩く。
へー、こんな街なんだー、という一辺倒な感想を抱きながら歩く。
駅周辺は高い建物が多いが、少し離れると閑静な住宅街になる。
電車で都心へ出るのにも不便はないし、生活には困らなそう。
娯楽施設は多くはないけど、ファミリー層が定住するにはちょうど良さそうな雰囲気の街だ。
というありきたりで勝手な印象を持つ。

とにかく暑いので、少し歩いてはコンビニなどに入る。
涼むだけで特に何も買わないつもりだけど、何かを探しているふりをして、涼み終えたら、その何かが売っていなかったかのようなガッカリ感を身体にまとって店を出る。
そんな客を何人も見ているだろうから、店員さんには全部バレバレなのもわかっていつつ。

店側にとって、客が用もなく入店することは歓迎できることではない。
しかし涼むだけの目的とはいえ、店内を歩くうちに不意に欲しいものが見つかって購入してくれる可能性はあるのだから、それを拒むことはできない。
客としても、涼むだけ涼んで何も購入せず店を出ることに一抹の罪悪感を覚えてはいる。
それをあからさまな態度で行うのはあまりにも忍びなく、せめて目当ての商品が見つからなかったガッカリ感をまとう芝居の一つでもさせてくれというスタンスだ。熱中症になる危険があるくらいの暑さだ。
それを和らげてくれた店側に感謝の意を表すためのバレバレの芝居。
それはある種のマナーだ。
店側と客側の暗黙の了解でこのシークエンスは成り立っている。
客が店側を冷やかしているのではなく、客が自分自身を冷やしているだけのシーンである。

絶えず、暑い眩しいという感想に終始した街ブラを終えて、夕方ごろ帰宅した。
欲しいものは買えた。
夕食は冷凍餃子をフライパンで焼こうと思ったけど面倒くさくなってもっと手軽なレトルト食品にした。
グレープフルーツサワーを飲んで、本を読んだりSNSを触ったりYouTubeを見たりして、そうだ日記を書こうと思って書き始めたらなかなかな文字数になってしまった。
明日は何をしよう。

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