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「伊豆急行」の話。

正月休みに伊豆へ行った。

伊豆の南端の下田というところで、全室オーシャンビュー客室のプリンスホテルでゆったり過ごしてきた。雨男の割に珍しく晴れて、紺碧の伊豆の海を眺めながらなかなか幸先の良い年始だワイと思ったりした(翌日はしっかり雨が降ったが)。

往復ともに特急踊り子号の旅だった。
のんびりぶらぶら行き当たりばったりの旅程にしたくて、復路の特急チケットは取らず、伊豆高原駅近くにあるテディベア・ミュージアムに寄り道した後にタブレットから「えきねっと」というJRの予約サービスにアクセスして、復路のチケットを予約した。
さぁ、もうこれで安心と伊豆高原駅に戻ってチケットを発券しようとしたのだが、券売機では取り扱えないという。ならばと有人カウンターへ赴き予約したチケットを発行してくれと頼むと、なんとビックリ「ここは伊豆急行なのでJRの企画商品は取り扱えない」と言うではないか。
私:「え。。。それじゃ、どうすれば?」
駅員:「えきねっとの予約はキャンセルして、ここで買いなおしてください」
私:「ウッソでしょ?キャンセル料ってかかっちゃうんですか?」
駅員:「かかりますね」
私:「……!」
これは酷い。
そもそも特急踊り子号は伊東までがJRの運行領域であり、それ以南は伊豆急行の運行だから我々はJRのWebで決済したものは関知しませんよ、という話だ。そんなユーザーをほったらかしにした話があるだろうか。

文句を言っても仕方ないので、その場でJRの客室サービスに電話して予約を取り消し、カウンターで再購入ということになった。
しかし、ここでまた一難。
伊豆高原駅ではクレジットカード決済ができないというのだ。今どき街の個人商店でもクレカ決済は当たり前だというのに…。私はあまり現金を持ち歩かないので、持ち金が足らず、駅から徒歩20分くらいかかるセブンイレブンまでとぼとぼ歩いてATMでお金をおろしまた戻ってくるという羽目になってしまった。
なかなかの散々な目で、テディ・ベアで癒された私の心はすっかりすさんでしまった事は言うまでもない。

楽しい旅行に水を差されたエピソードには【ユーザビリティの無視】・【決済インフラの遅れ】という2つの問題点が含まれている。残念なレベルなサービス水準であり、せっかくの商機であるインバウンド需要をみすみす逃すうえに外国人観光客の不満も買うだろうと思った。
今どき現物の特急券なんて持たずともWebで決済した時点で席の埋まり状況は把握できるのだから、端末認証を整えないのは単に電鉄会社の怠慢ではないかと憤ったりもした。
また政府もキャッシュレスを国策として推進するなら、こんな状況を許してはならない。

…と新年早々ひとり伊豆で愚痴に浸ったのだった。

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