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おばさんと電車と死体【言い訳②: 質問の答え】

ひよこ初心者さんからの質問です↓

Q: 恐らく1話目を書き出した時に、ある程度のストーリーラインとラストは考えられていたのではと想像していますが、そこから大きくかけ離れたのでしょうか? それともある程度そこへ軌道修正できましたか?
Q: 一番苦労された部分を教えて下さい。
Q: 逆に他の方が書かれたことで相乗効果のあった設定などがあれば教えて下さい。

考えてみれば、私はリレー小説ならそこそこ経験があるほうなので…

「夢見る猫はしっぽで笑う」(拝啓あんこぼーろさんと共著)
「駅のトイレ。」(拝啓あんこぼーろさんと共著)
「ノモリクヲノミカ」(拝啓あんこぼーろさん+葵さんと共著)
 (※下記マガジンに収録↓)

みんなが読んでくれたこの機会にちょっと考えて、答えてみますね。なんか参考になるかも。ならないかも。


Q: 恐らく1話目を書き出した時に、ある程度のストーリーラインとラストは考えられていたのではと想像していますが、そこから大きくかけ離れたのでしょうか? それともある程度そこへ軌道修正できましたか?

1話目を書いた時点では…

ラスト→まったく考えてない。だってどうなるかわかりませんからね…

なぜミステリっぽい導入にしたかというと、noteはミステリ好きも多いだろうから、喰いついていろいろ考えてくれるかもしれない。と思ったから。そして後で後悔することになる。
[教訓 リレー小説でミステリは覚悟がいります]

ストーリーライン→ばくぜんと思ってたのは

①王道密室ミステリ…1両しかない電車内で周りも海。まさか密室殺人!?推理を展開する二人。そのなかで(ふたりが現実世界で抱えていた問題としての)世代間ギャップも緩和。コミュケーションって大事だね展開。
②ゾンビもの…おじさんがゾンビになって蘇る。パニックホラーか、ナンセンスコメディに展開。
③銀河鉄道の夜的ファンタジー…この電車はあの世に行く三途の川の渡り船のような存在。おばさんと主人公のほかに、もうひとり猫の案内人が現れる。回想多めの、でたとこ勝負展開。

──みたいな感じです。
おばさんと中嶋のドラマパート(⑫話、⑬話)に③の痕跡が残っているかな?あとCATが猫なのも、アニメ版「銀河鉄道の夜」がますむらひろしの猫のキャラをもとにしたものだったから、かも。

杉井ギザブロー監督版 劇場アニメ。超名作。


Q: 一番苦労された部分を教えて下さい。

⑭話です。大場が、自分のやっている事の悪質さを自覚して、悔い改めるところ。そろそろ話を現実世界のほうに持っていく必要があったので。CATと大場を対決させて、どちらか、又はふたりで、主人公を助ける展開にしようと。で、陳腐だけど大場の良心と悪心(利己心?)の対決にしました。

Q: 逆に他の方が書かれたことで相乗効果のあった設定などがあれば教えて下さい。

・ひよこ初心者さんの②話

今、気がついた。おばさんの薄いグレーのロングワンピースはまだら模様が入っているのではない。返り血だ

ここでミステリ的展開「おじさんを殺した犯人は誰だ」から、デスゲーム展開「おじさんを殺したのはおばさん」へとシフト。
こうきたか……面白い、という感じ。

・はそやmさんの⑤話

(おじさんの台詞)「お前らが俺の夢の中の人だろ?男とおばさんの同乗なんてオーダーしてないがな」

ここわりと頭抱えたかもです(笑)おじさんが、主人公はともかくおばさんとも全くつながりがないとなると、彼が何者なのか、なぜここにいるのか、の説明も考えなきゃならんし。
で、大場の回想で、おじさんがダイブしすぎて大場に会ってもすぐには認識できなかった、という描写につながります。ダイブしすぎると健忘症のような影響を脳におよぼす、という設定のつもり。
⑧話で、この台詞にも関わらず、おじさんはおばさん&マイメロほか三人と知り合いだった、的な展開になってたでしょ。上の台詞と整合性が取れてないけど、それも記憶が混乱してるせいっていう……説明は入れることができなかったなあ。

・スズムラさんの⑥話

第三者視点から電車の様子をみている描写

ここも頭抱えました。もうひとり(電車内を見ていた)登場人物を出すべきかそれとも…という。で、大場がハッキングした影響がまわりの回線にも及ぶ→混線。という設定ができました。
混線の設定は、ウサギ赤シャツ山猫が仲間入りしたのは混線で大場の夢に迷い込んできたことがきっかけ、という風につなげることができた…という効用です。


ちなみに。ドリーム“ダイブ”の用語は、柴田ヨクサルの漫画「ハチワンダイバー」を参考に(パクるともいう)しました。
主人公が将棋を指すとき、限界まで集中して将棋の手の先の先まで読むことを「ダイブ」と表現するんですが。そのときの潜るイメージをいただきました。

「ハチワンダイバー」(柴田ヨクサル/集英社)
たぶんいちばんぶっ飛んでいる将棋漫画


ちょっと質問から話がそれますが、言い訳の記事で、カラスのリレー小説のパターンが、みたいなことを書きました。
名付けて「クライマックスを回想にしがち」パターン。です。

「駅のトイレ。」のときも、後半に新しいキャラ(銀:主人公の幼馴染の友人)を出して
主人公の回想ドラマ→主人公と銀のいさかいの経緯→主人公の葛藤からの改心→目覚めて銀との関係修復。

という流れだったのですよ。
ばくぜんと分かっていたけど改めてしっかり認識しました。これ話を考えるときの私の癖というかパターンだなー。気を付けよう…。


ひよこ初心者さん。ちゃんとお答えできたでしょうか。
現在は挿絵を描いております。字を書くことを続けていたのでお絵描きが楽しいです。

いまはそんな感じです。


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