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夢に舞うは胡蝶、現に横たわるは蚕蛾 -51- #ppslgr

巨砲を右腕に置き換えた機体による、烈光の帯がこの宙域に追加出現した宙間艦隊を先手を打って悉く薙ぎ払っていく。
銀河の果てまで届かんばかりに放たれた光の奔流は、怒涛その物のエネルギー量でもって後続の艦もまた焼き薙いでは熱量による爆発を引き起こした。

「多少の障害が増えた所で私の優位が揺らぐ訳ではない……!」

荒ぶる神の如く振舞う焼却者は、その二対の腕を駄々っ子の様に振るえばさらなる敵勢力を召喚する。霧めいたマボロシが実体を持つように凝固して形作られたのは、伝承に語られし神と悪魔の姿を持つ軍団。

「また新手か!」

しめ縄を拡大したかのような緑鱗の竜があぎとを開き、六枚羽根の天使が錫杖を掲げ雷をまとい、刺々しく鋭角な甲冑をまとった悪魔が氷の結晶を展開する。

だが、それらの脅威に向かってたった一発、たった一発の銃弾が放たれた。
放たれた銃弾は光を帯びるほどの慣性をおびては神と悪魔の軍団、その先鋒である緑鱗の竜の口腔に着弾したかと思えば高回転によるラセン余波でドリルめいて次々に後続の軍勢をまとめて撃ち貫き、悉く粉砕していく。

「B・R!」
「間に合った!ここは俺に任せて!」
「頼む!」

恐るべき威力の銃弾を放ったB・Rの機体は、メリハリの利いた形状の人型兵器であり、背と腰に姿勢制御と推進システムを兼ねた翼型ユニットをマウント。全身には血脈の流れめいて光のエネルギーラインが明滅してはその身に秘められた力を誇示する。

彼が機体を翻して翼型ユニットを展開、そこから放たれたるは幾条にも棚引いて湾曲しながら敵対者に襲い掛かるホーミングレーザー!合わせて俺もまたイクサの両掌底より蒼光のホーミングレーザーを放つ!二色の光の帯が流星雨の如く態勢の整っていない神魔軍団に着弾すれば解放されたエネルギーが球状爆破を起こす!

「まだまだ、この程度ではない!」

焼却者の印切りによって今度は辺り一面の空間が赤と黒で彩られたコントラストの恐怖心を煽るおぞましい虚無の世界へと変わる。
周辺には目を模したと思しき意匠を刻まれた球体、正方形、三角錐などの奇怪物体が浮遊すれば焼却者の前方に隊列を組み防衛を図った。

「しつこいな全く……!」
「ならば我らもまた、力を貸そう」

不意にかけられた声に続き、号令と共に銃撃の火線が目を瞬かせて攻撃を行おうとした奇怪物体群に突き刺さる!色付きの風となって一際大きな正三角に斧を叩きつけ粉砕したのはドゥマだ!

「ドゥマ殿!」
「この賊には我らもまた貸しがある、黙って帰したとあってばバルダンの名が廃るという物」
「俺達も居るぜ!」

歓声を上げ、勇猛なるバルダン兵達は吼え声と共に自ら携える火器の悉くを駆使して奇怪物体群に迎撃を仕掛けていく!ひび割れ砕け、次々に爆砕していく奇怪物体!

彼らだけではない、この一体宙域では所せましと差し向けられた軍勢とパルプスリンガーの猛反抗が絶え間ない衝突と爆発を伴ってせめぎ合っている。
焼却者と俺達の距離は後わずかだが、それでもまだ障害となる敵勢力は多い!

【夢に舞うは胡蝶、現に横たわるは蚕蛾 -51-:終わり:その-52-へ続く

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