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いざなうはワールド・コーン・ラビリンス -14- #ppslgr

アグレッシブなコーン頭の虫にたかられたマッスルコアラの死骸は芽を出したコーンの苗の群れに瞬く間に覆いつくされると、苗は早送り映像めいて急成長し一本の樹木のとなってうごめく樹海を構成する一部に変わった。

「おいおい、もしかして周囲の木って全部コレかよ?」
「いや、この樹海が生じてから高々一週間だ。野次馬が来たとしても数が多すぎる……大地も生き物もお構いなしの方が実情に近いだろう」
「どっちにしても気が滅入るぜ」

マッスルコアラが犠牲になった為か、初回の襲来分は全てそちらに向かったようで一旦コーンフライの襲来は途切れた。だが一発でも被弾すればあえなくコーンの苗床としてこの森の一部となるのは間違いない。

「王子、申し訳ないがあのコーンの襲来には気を配っておいてほしい。奇襲を受けたら終わりだ」
「任せてくれたまえ、如何なる兆候も私の耳は逃しはしない」

彼の心強い回答に信頼感を感じるも、自分自身でも周囲に気を配る事は決して忘れない。周りの木々は相変わらずこちらをあざ笑うかの如くざわめいて、葉のさざめきを絶え間なく響かせている。

「R・V、あのでっかい親玉トウモロコシまであとドン位だ?」
「イクサからの観測では後500メートルもないくらいだ。もっともこの怪奇樹林の500メートルは平地のそれとは比べ物にならないくらい長い道のりだろうな」
「おーう……俺っちもうヘトヘトだ、本命に入る前に休めねぇ?」

A・Kからの要望に頭の中でこの一帯の地形を紐解く。あの巨大トウモロコシはゆえあってかそれともたまたまか、岩山のど真ん中に鎮座している。占拠された岩山はなだらかな小山程度の高さで、壁面には幾つか洞窟があるという事だった。

「親玉の占拠している山のふもとにいくつか洞窟があるようだ。コーン樹海に侵食されていなければそこでキャンプしよう」
「オーケイ、賛成。どっちみちこんなきしょい木々のど真ん中じゃ休めねぇしはやくすすもうぜ」
「ああ、だがその前に、だ」

先頭を立って進んでいた俺が木々をくぐり抜けて発見したそれは、周囲の木々とは明らかに異なる生命体だ。それは毛糸玉の糸をツルに置き換えた上で、先端にコーンの実をつけた首を複数本鎌首をもたげるように掲げるコーン・ヒュドラとでもいうべき威容だ。

「え、ナンデ?ナンデコイツがいるのわからなかったんだ?」
「落ち着きたまえ、私が感知できなかったのはこの怪物が微動だにしていなかったからだ」

つまり、このコーン・ヒュドラは王子の感知能力を掻い潜って俺達を待ち受けていた事になる。たまたまか、それとも意図的な物か……俺の疑問に答えるように俺達が接敵した途端にヒュドラは活発的にうごめきだし、そのコーンヘッドを持ち上げて振動威嚇を行う。まるでガラガラヘビの尾の様だ。

「もう一頑張り、やるとするか!」
「あいよー、死なない程度にやるわ」

相方の緊張感のない返しにこちらも肩を落としそうになるが、それよりも先にコーン・ヒュドラが襲い掛かってくる方が早い!

【いざなうはワールド・コーン・ラビリンス -14-終わり:その-15-へ続く

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