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ノースシ・ノーライフ(3-6)

 モハヤコレマデ!とハイクを考え始めたレインボーフードの前に爆発の煙を払って人影が歩み出る。

「なーにやってんスか、レインボーフード=サン」

 敵では、なかった。苦笑しながら姿を現したのはレインボーフードの同期であるデッドレインだった。もっともレインボーフードとデッドレインは親と子に近いくらい歳の差があるが。

「ど、ドーモ、デッドレイン=サン。それより何故ここへ?」
「レインボーフード=サンがここに向かった後に一番近かったのが俺だったんス。それでソニックブーム=サンから俺も向かえって指示されまして」

 へへ、と笑って見せるデッドレインに安堵するレインボーフード。そして簡潔に状況を説明する。具体的にはここに秘密UNIXらしき物があるが、ハッキングに失敗したことを。それと危険を感じたらすぐに撤退して良い事も。

 レインボーフードの説明を聞いて頷くデッドレイン。

「じゃ、ヤバイの来たらお互いすぐ逃げるって事で。それで、UNIXって、コレっス?」
「はい、でも自分のハッキングじゃLANつないだ途端にこのアリサマで」

 未だ鳴り続けるアラートを指さすと、その瞬間にアラートは止まった。デッドレインがすかさずスリケンを投げたのだ。砕け散ってホラーめいた部屋に散らばる赤い破片。パチンコ玉感覚でスリケンを使うデッドレインについつい関心してしまうレインボーフード。

「自分が試してみるっス、集中するんでレインボーフード=サンはあたりを警戒しててくれまスか?」
「ハイヨロコンデー」

 ついスシを握っている時の調子で受けごたえしてしまいつつも通路に立って周辺を警戒する。今の所ニンジャ第六感には検知できる気配はない。人影らしき存在も見受けられないが……ニンジャ野伏力に優れるニンジャであればぱっと見ではわからない可能性もある。

 緊張感に硬直するレインボーフードを尻目にデッドレインはあっさりUNIXのハックに成功していた。鳴るログイン音。

「結構手ごわかったっスけど何とかなったっス」
「ケッコウナ、オテマエデ!」

 年若いデッドレインの優れたニンジャ活動力に素直に賞賛するレインボーフード。辺りに流れる敵地らしからぬ和やかな雰囲気。

「そこの論理錠が付いたドアもUNIX経由で開けといたんで中を見てもらえまス?こっちはディレクトリ漁ってめぼしいデータ回収するっス」
「ハイヨロコンデー」

 またもいつもの癖で返してしまいつつ、ロックの空いたドアに向かう。ニンジャ第六感を研ぎ澄ますも壁が分厚いせいか中の様子をイマイチうまく感じ取る事が出来ない。だが、敵ニンジャがこの先の部屋に潜んでいるならとっくに出て来てもいいころだろう。

 レインボーフードは意を決して重く閉じられた鋼鉄製のドアを慎重に開いた。

【ノースシ・ノーライフ(3-6):終わり:3-7に続く

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レインボーフードエピソード第一話についてはこちら。

元になったTRPGソロシナリオについてはこちらをご参照のほどを。

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