見出し画像

夢に舞うは胡蝶、現に横たわるは蚕蛾 -53- #ppslgr

「くっふ、ははっ、ハハハハハハ!そうか!お前達は私もリスクを冒さなくては勝てない相手と言う訳だな!」
「この期に及んでまだ悪足搔きか?」
「足掻くとも!人間らしく、浅ましくな!」

タガの外れた狂笑と共に、焼却者は覚悟を決めた口調であざ笑うとその身を中心として世界その物を黒紫に侵食していく!各宙域で交戦していた無数の敵性体もまた黒紫の虚無へと飲み込まれていけば、今までとは異なるおぞましい何かが現れようとしていた。

「正気かい?その存在は明らかに僕達の手に負える存在じゃない、次元侵食体なんてここに持ち込めばすべての可能性値が零になる。そうなれば地球を軸とした並行世界は全て消滅するんだよ!」
「クハッ、望む所だ!私自身の目で世界の終わりが見届けられないのは残念だが、目的は達せられる!ハハハハハハハハハ!」
「させないわ!そんな事!」

狂気に取りつかれて空間その物を脅威に変えようとした焼却者、そのコントロールユニットである疑似地球を済んでの所で強大な光の矢が中心部を射抜いた!

「ハ……は……?」
「アンタの身勝手な野望なんてもう沢山!もうどの世界にだって、ちょっかいは出させないわ!」
「貴様、貴様はあの実験地の……!?何故だ、何故取るに足らないはずの原生生物が私の障害に……!」
「生きる事を邪魔されたら、誰だって怒るでしょう!?」
「よく言った!」

中心ど真ん中を射抜かれて亀裂が入る蒼球、その遥か上方に向かってイクサ・プロウラを流星の如く尾をたなびかせて疾駆。瓦解しつつあるコントロールユニット目掛け引き絞られた矢の様に大剣振りかぶって突貫!

「己が過ち、地獄で悟るが良い!万象!必!滅!」

イクサのエネルギーラインから光を注ぎ込まれた竜種大剣は、それこそ暁その物の輝きを放つと斬撃の瞬間に敵内部で莫大なエネルギーを解き放つ!
剣を振り抜いた俺の後方で眩い爆発が起きる!

「まだ、まだだ……!」
「いいや、もう終わりにしよう」

当人は消滅必至の一撃を受けてなお機体に意識を移しでもしたか、ジャンク同然の焼却者を奮い立たせてもがく。
だが、ソロモン指揮の元で今や眩いばかりの多重魔法陣結界が焼却者を取り囲んでいる!

「よせ!この機体が失われれば世界を意のままに出来る叡智が!」
「君が一度作れたんだから、人類はいつかその技術を再現出来るさ。そして今はまだそんな力を手にするには早すぎる。君が暴走したようにね」
「やめ……!」

焼却者の世迷言は一切聞き入れずに、M・Kは決断的に掲げたソロモンの腕を振り下ろした!

「世界よ、祈りと共にあれ……!『アルス・ノヴァ』!!!」

幾重にも折り重なった魔法陣は、その中央部から太陽にも勝るほどの白光をもって焼却者をその名の通りに焼き尽くしていく……!それだけではない、高まり拡大していく光はいつしか変質させられた空間をおも飲み込み、塗りつぶしていく。

やがて、光が収まった後に視界に移った景色は俺達が良く知る日本の森林山地。あの俺とシャンティカが出会ったこの事件の始まりの場所だった。

【夢に舞うは胡蝶、現に横たわるは蚕蛾 -53-:終わり:その-54-へ続く

第一話はこちらからどうぞ

まとめマガジンはこちらからどうぞ

弊アカウントゥーの投稿はほぼ毎日朝7時夕17時の二回更新!
主にロボットが出てきて戦うとかニンジャとかを提供しているぞ!

#小説 #パルプスリンガーズ #スーパーロボット #毎日更新

ドネートは基本おれのせいかつに使われる。 生計以上のドネートはほかのパルプ・スリンガーにドネートされたり恵まれぬ人々に寄付したりする、つもりだ。 amazonのドネートまどぐちはこちらから。 https://bit.ly/2ULpdyL