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サンシタ・デイズ -スズメ・デイ5-

そのスズメは大きく、いかつく、不格好なまでのデカさそのままに威嚇するかの如く大きく翼を広げた。その姿にレインボーフードの記憶が呼び起される、敗北の記憶が。

「おまえはあの時の……!」
「ヂュンッ!」

そう、前回のバイオスズメ駆除の時には最後の最後で現れた大型の雀に防衛対象のコメを食いつくされて敗れたのだ。だが目の前のバイオスズメはあの時よりもさらに三回りほどは体躯で上回っている。

レインボーフードの前に立った偉容なるバイオスズメは器用に羽を合掌めいて合わせアイサツを繰り出した。

「ヂュヂュン!(ドーモ、ライスイーターです)」
「エッ!ド、ドーモ、ライスイーター=サン。レインボーフードです」

突然のアイサツ、しかも超自然の念話に動揺しつつもアイサツを返すレインボーフード。

しかし、彼の動揺を他所にアイサツを終えた直後にライスイーターから攻撃を仕掛けてきた!

「ヂュンッ!」

スズメカラテシャウトと共に飛び上がったライスイーターが放ったのは……スズメの羽スリケンである!
三枚一組の鋭いダートめいたそれはかろうじてバク転回避を行ったレインボーフードから外れて、バイオスズメの死骸に大穴を空ける!

「アイエッ……」
「ヂュンッ!ヂュヂュンッ!!(臆したかレインボーフード=サン!我らの食事を阻んでおいて今さら素知らぬふりをしたりはすまいなっ!?)」

ライスイーターの一喝がレインボーフードに降りかかる!そう、スズメからすればレインボーフードはスズメスレイヤーも同然!戦う以外に道はなし!

「クッ……イヤーッ!」
「ヂュンッ!」

スシ職人ニンジャとスズメニンジャのカラテシャウトが交錯しスリケンが宙で衝突する!

「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」
「ヂュンッ!ヂュンッ!ヂュンッ!」

おおみよ!モータルにはもはや色つきの風が衝突しあっているように見えるほどの早さで投げつけられるスリケンの嵐を!

一投ごとにスリケンがぶつかり砕けては両者の間で火花を散らす!

「ヂュンッ!(どうしたレインボーフード=サン!我らを滅ぼした者の力はその程度か!?)」
「それは大体スズメキラーのおかげでイヤーッ!」

一進一退のスリケン対決だがレインボーフードとライスイーターのスリケン威力は拮抗していた!このままではデイ・オブ・ザ・サウザンドバトルとなってしまうのか……いや、レインボーフードには切り札がある!

「イイイヤァーッ!」

レインボーフードはフトコロより一際大きな大型スリケンを取り出せば渾身の力でライスイーターへと投げ放つ!

「ヂュンッ!?」

空を、羽スリケンを切り裂いた大型マッスルスリケンはライスイーターが回避するよりも早くそのスズメボディに着弾!深々と羽毛を切り裂きライスイーターへと決定的なダメージを与えた!

「ヂュンッ……(ここまでか……見事だレインボーフード=サン!この勝負預けたぞ!)」

致命傷までには至らぬ物の、無視出来ぬダメージを負ったと判断したライスイーターは見事なまでの状況判断で飛翔!朝の青空を飛び立っていく!

空を飛ぶことは出来ぬレインボーフードはただただ疾風のごときスズメ・ニンジャを見送るしか出来なかった。

「スズメの、ニンジャアニマル……」

【サンシタデイズ スズメデイ5終わり:6へ続く】

作者注記

ここからはちょっと話を盛り立てるために独自にアレンジを加えているのでご了承いただきたい。

ゲーム自体は元のシナリオ通りに進行したものの、リプレイ化にあたってちょっと捻らせていただき最後のボススズメはスズメ・ニンジャだったという事にさせていただいた。

マグロニンジャ、そしてスズメニンジャ。どちらもスシを作る上では障害となるニンジャなので今後も気が向いたら出てきたりするかもしれない。

今回はここまでだ。またな。

プレイシナリオはこちらです、アリガトゴザマス!

現在は以下の作品を連載中!

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主にロボットが出てきて戦うとかニンジャとかを提供しているぞ!

#小説 #毎日投稿 #ニンジャスレイヤーTRPG #TRPGリプレイ

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