サンシタ・デイズ -スズメ・デイ6-

「店主=サン、どしたんだい?なんか上の空で」

コメバタケ防衛アルバイトを終えた翌日、いつも通りにソウカイヤのスシ・ショップに出勤したレインボーフードはまたも増えたニンジャアニマルとの因縁に気を取られていた。

そんな彼の様子を怪訝に思って声をかけたのは、身長190につば広帽、胡散臭い感じのサイバー丸ゴーグルをかけたニンジャである。

「ああ、すみませんマインドセット=サン」
「なんか悩み事でもあるのかい?」
「悩み事、というか」

どうしたものか、特に隠す様な事でもないのだが、スシ職人としてはスシもそぞろにニンジャアニマル存在しんじつに気をとられているというのは中々おおっぴらに言いづらくもあった。

「いえ、大丈夫です。何にしましょう」
「店主=サンのオススメを包んでくれるとありがたい、アジトの連中にも持っていくんで」
「カシコマリマシッター!」

オーダーを受諾すると、マインドセットと称するうろんなニンジャはスシ・ショップの壁に設置されたミッションの掲示板に視線を移している。

あのミッション掲示板はソウカイヤの公式ミッションとは異なり、シタッパのニンジャ同士で頼み事を融通したり、あるいはソウカイヤ配下のヤクザからの依頼などが張り出されている言わば伝言板だ。

Unixにおおっぴらに流すには色々な意味ではばかられる様な内容のものもあり、マインドセットはこの掲示板の依頼をこなしに来ることが多かったとレインボーフードは記憶していた。

(ソウカイヤの直接ミッションってちょっと気が引けますもんね、ワカル)

ソウカイヤアジト内の店とあって来られるのも基本ニンジャかヤクザに限られており、徐々に来店ニンジャの特徴を覚えるのもレインボーフードに取っては自然な事であった。

「ハッハーッ!やったやった大成功だぜー!」
「ラッシャーセーッ!」

続いて上機嫌でノレンを潜ってきた典型的ニンジャ装束姿のニンジャにアイサツを飛ばすレインボーフード。
新しく入店したニンジャはスリケンタロウというニンジャネームの、レインボーフードの同期である。

スリケンタロウはイマイチうだつの上がらないパッとしないレインボーフードと異なり、いくつものミッションを成功させた腕利き(とレインボーフードは認識している)のニンジャであった。

「ヨッ!店主!ケモビール三本にアッパー・スシ一人前な!」
「ハイヨロコンデー!」

景気の良い注文を受けたレインボーフードはニンジャ敏捷性を駆使してお持ち帰り寿司詰めとビール瓶出しとアッパー・スシ一人前をすぐさま作り上げてカウンターに提示する。

「プッハー!やっぱここで飲み食いするスシは最高だぜ!ところで俺がカンパしたスリケンは役にたったか?」
「はい、それはもう…アリガトゴザマス!」
「良いって良いって!同期のヨシミってやつよ!タマゴ追加で!」
「ハイヨロコンデー!」

酒の勢いのままにまくし立てるスリケンタロウに対し、深くオジギするレインボーフード。
一方で大量のスリケンカンパというワードが引っ掛かったのか、マインドセットがカウンターへ向き直ると一言口を挟む。

「なあ店主=サン、大量のスリケンって何に使ったんだ?」
「それはその……コメバタケを襲うバイオスズメにですね。ニンジャのスズメとかも出たので皆さんのスリケンがなかったら危ないところでした」

レインボーフードの回答に、余り付き合いは無いものの思わず目を見合わせるマインドセットとスリケンタロウ。そして改めてレインボーフードの方に向き直ると真剣な表情で続けた。

「なあレインボーフード=サン、アンタ最近働き過ぎなんじゃね?」
「俺もそう思う、なにせソウカイヤミッションにスシにアルバイトだろ。ちょっと休んでも文句でないと思うぜ?」

どっちも真剣な表情その物で諭して来るので本当にスズメ・ニンジャと戦ったとも抗弁出来ず、苦笑いでちゃんと休むと答えてスシを差し出すレインボーフードであった。

【サンシタデイズ スズメデイ6 終わり】

プレイシナリオはこちらです、アリガトゴザマス!

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