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挑戦者のためのGPTs〜なにを・なぜ・どう作るか

独自ChatGPTを、プログラミングなしで作れる「GPTs」が発表されました。知的労働の革命が起こっている今、挑戦者こそ、この仕組みを活用すべきです。


はじめに

ChatGPTが知的労働の革命を起こしています。ChatGPTは、汎用的な生成AIモデルをベースとしており、大きなプラスの可能性を秘めています。一方で、たまにつくウソ(ハルシネーション)やセキュリティの懸念など、マイナスの可能性も抱えています。

ポテンシャルがある=リスクがあるということは、大きなプラスとマイナスの両方の可能性があることを意味します。

  • リスクを嫌う人は、マイナスの可能性を小さくしようとして、プラスの可能性も失います

  • リスクを好む人は、マイナスの可能性を受け入れて、プラスの可能性を最大化します

ChatGPTは、リスクを好む挑戦者にとって、最大の武器になります。ここで言う挑戦者は、資本の力で急成長するスタートアップから、挑戦する個人事業主や中小企業、大企業でもがく新規事業など、リスクを取ることを好む人たちです。

そこで、挑戦者のために、独自ChatGPTを作れる「GPTs」について、なにを・なぜ・どのように作るか紹介します。

(補足)
・現時点で、GPTsは、ChatGPT Plusの有料ユーザーにのみ限定公開
・モバイルアプリは、最新バージョンにアップデートが必要

なにを、GPTsで作るか?

仕事、生活、遊びの3つで、それぞれ自分にとって必要なアシスタントを考えてみましょう。

仕事のためのアシスタント(10選)

挑戦者は、広い範囲の仕事を一人でこなす必要があります。しかし、できれば事業のコアな価値を生み出すことに注力したいですし、自分の専門外の領域は他の人に任せたいです。なので、他の人をGPTsで置き換えましょう。

それぞれ作成したGPTsのリンクも貼るので、試して具体的なイメージをつけてみてください。

今までは、仕事の多くの時間を、会議・1on1・メール・チャットなどの他の人のコミュニケーションに使ってきました。それらをGPTsに置き換えることで、生産性が爆上がりするでしょう。

ベンチャーキャピタル Y Combinatorの創業者であるポール・グレアム氏は、「クリエーターのスケジュールと、マネージャーのスケジュールは、大きく異なる」ことを指摘しています。クリエーターとしての価値の創造に時間を増やし、マネージャーとしてのコミュニケーションの時間を減らしていきましょう。

生活のアシスタント(18選)

日常生活で頼りたい専門家を召喚するのが良いでしょう。調理、医療、学習などの18のアシスタントを作ったので、試してみてください。

調理系

医療系

学習系

その他支援系

遊びのためのアシスタント

クリエイターとして仕事をするには、遊び=余白も重要です。自分の趣味につながるようなアシスタントも作りましょう。

スポーツが好きな方は、ルールブックをGPTに学習させてはどうでしょう?例えば、僕が個人的にお手伝いしている、サッカー選手の本田圭佑さんが立ち上げた4対4のサッカー大会「4v4」のアシスタントを作ってみました。

また、文学が好きな方は、文庫本をGPTに学習させてはどうでしょう?例えば、有名な3人の文豪を召喚してみました。

GPTのためのアシスタント

GTPの活用で困ったら、GPTの公式ガイドを読みましょう。ただ、多くの人はガイドを読むことを避けるので、そのためのアシスタントも用意しておきました。

それぞれ作成したGPTsのリンクも貼るので、試してみてください。

なぜ、GPTsを作るか?

ちなみに、なぜ特化型のGPTsを作るか?・・・それは、なぜ汎用的なChatGPTでは不十分なのか?を問うことでもあります。それには、AI側の理由と人間側の理由があります。

AI側の理由

ChatGPTは、汎用性があまりにも高いので、特定の目的で利用するには、プロンプトを工夫する必要があります。そして、個々のプロンプトを横断した共通指示として「Custom Instruction」があります。

そのCustom Instructionでは、特定の目的に沿ったペルソナ(例:営業)を設定すると、回答の品質が向上することが分かっています。

GTPsは、特定のペルソナを持つアシスタント (= a GPT)を、自分用に複数のアシスタント (= My GPTs) として召喚できる仕組み、と考えれば分かりやすいです。

人間側の理由

何かのタスクを依頼するとき、品質にこだわるなら、総合窓口に相談するより、専門家に直接お願いした方が早いでしょう。総合窓口がChatGPT、専門家がGPTsだとすると、GPTsの方が指示するのも簡単です。

ChatGPTでのプロンプト
あなたは営業事務です。○○○ができます。△△△に対応します。・・・
見積書を作成してください。

GPTsでのプロンプト
見積書を作成してください。

また、先ほどご紹介したアシスタントの例は、すべて職業の単位にしています(例:営業)。それは、人間がタスクを他人に依頼するのに慣れている、ちょうど良い単位だからです。

どのように、GPTsを作るか?

GPTsを作る流れを、GPT Builderの画面イメージを見ながら確認してみましょう。

1.ExploreのCreate a GPTをクリックして、GPT Builderを開く

2.GPT BuilderのConfigureをクリックして、設定項目を確認する

3.必須項目を設定する

4.任意項目を設定する

  • Conversation Starters: 代表的なサンプルのプロンプトをプリセット

  • Knowledge: 追加したい知識データ(※PDFはアップロードできた)

  • Capabilities

    • Web Browsing: 最新データをBingで検索

    • DALL-E Image Generation: 画像生成

    • Code Interpreter: GPTが生成したコードを実行

  • Actions: 3rd PartyのAPIの呼び出し

5.Saveをクリックして、登録する

(補足)
・GPT Builderの画面は、ほぼ毎日進化しており、今後も大きく変わる可能性あり
・さまざまなエラーが起きたり、アクセス集中で止まるが、心折れずに挑戦あるのみ

おわりに

ChatGPTのカスタマイズを、プログラミングなしで出来る時代がやってきました。ぜひ皆さんも自分のGPTsを作ってみましょう。

もちろん、より便利なサービスにするには、説明を省いたActionsで、3rd PartyのAPIを呼び出す必要があります。また、よりきめ細やかなサービスにするには、開発者向けのAssistants APIを利用する必要があります。それでも、他のLangChainなどのツールを使っていた時より、開発が容易になりました。

リスクを好む挑戦者の皆様、この新しい時代の幕開けを、一緒に楽しみましょう!

生成AIについて、より広く深く考察したnoteもあるので、知的好奇心がある方はどうぞ。

1.サイエンス:生成AIはどれだけ人間に近づいた?
2. テクノロジー:いまの生成AIの技術でどこまで進化する?
3. アート:AIの時代、人間はどうあるべき?
4. デザイン:人間とAIが共生するカタチは?


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