見出し画像

イベント見聞録|エンタの街ベガスで感じた展示会の未来 CES2024

皆さんお久しぶりです。
株式会社レイ コミニュケーションデザインユニット、プロデューサーの竹中です。
今回はなんと!念願のCESに行ってきました!
 
会社でも「CESに行ってみたいなぁ…」となんとなくアピールし続けていたこともあり、この度念願叶って開催2週間前に行けることが決まり、大急ぎでパスポート更新やらESTA申請やらを済ませて何とかぎりぎり間に合っていくことができました。

今年でなんと100周年!たまたまですが、良いタイミングでした。

過去にCESの現場経験のある会社の上司や先輩たちからは「CESはレベルが違う!」、「竹中も実際に見てきた方が良い!」などと言われていたので、世界最大規模の展示会とも言われているCESとは一体どんなものなのか、仕事上、イベントやコンテンツ制作に携わるプロデューサーとしても一度この目で見ておきたく、今回視察に行かせていただきました。

ということで、
そんな弾丸スタートで参加してきた、CES2024のレポートをイベント見聞録としてまとめていきたいと思います。


CES2024
毎年1月にアメリカのラスベガスで開催される、世界最大のテックイベント。
家電製品をはじめとする電子機器やオーディオデバイスなどのプロダクト、モビリティ分野における最先端のセンシング技術など、あらゆる領域における最先端テクノロジー見本市として例年世界中から注目されています。

開催:アメリカ合衆国ネバタ州ラスベガス
会期:2024年1月9日〜1月12日
主催:CTA(Consumer Technology Association)




CES2024視察における3つのポイント


ポイント1. モビリティ関連メーカーの最新技術を際立たせる演出
【Tech East - West Hall】に多く出展されていたモビリティ関連メーカー。
周囲をセンシングして安全に移動する次世代モビリティには欠かせない「LiDAR」メーカーが多く出展していました。これまで日本の展示会などでも注目してきましたが、CESでは、センサーを活用した体験型コンテンツを展開していて、各メーカーの工夫が垣間見られました。

車両搭載のカメラで搭乗者の顔分析をしている実演デモをこっそり後ろから覗いてみると…


ポイント2. 嫌でも目を惹くブースデザインとプロダクト
大手家電メーカーであるLGSamsung、大手自動車メーカーのHYUNDAIはもちろんのこと、SKグループはラスベガスの新名所スフィアを模した?大型の球体L E Dをダイナミックに展示していたり、様々な大型機材を駆使した迫力あるブースデザイン・演出がいくつもあり、今回CES全体を通して韓国企業全体に勢いを感じました。

とにかくデカい!綺麗!このサイズありなの!?


ポイント3. 大規模な展示会だからこそ味わえるワクワク感
今回初めて視察に行ったCES初心者としての感想は、「日本では体験できない大型展示会」と「プロダクトを際立たせるダイナミックな演出」でした。また、各メーカーのブースは最新プロダクトをお披露目する場でありながらも、ブース全体で来場者に「新しい体験価値」を提供することに対する桁外れな演出に心躍りました。

先輩たちと逸れて迷子になってでも一人夢中になって眺めた映像コンテンツ。まさに没入。



モビリティ関連メーカーの最新技術を際立たせる演出

今回、全体を通して最も時間を費やしたモビリティ関連ブースですが、どの企業もブース全体の造作やライブデモ演出、技術を身近なものに感じさせるちょっとしたコンテンツ展開など、CESに限らず各社自社製品・技術をいかに効果的にアピールできるかしのぎを削っているのだなぁと改めて感じました。どの企業が抜きに出て、人々の常識を覆す技術を開発するのか?はたまた近未来的モビリティ(空飛ぶ車)は実現するのか??次世代モビリティの進化は今後も注目していきたい分野です。


あり得ない動きで自由自在にぐるぐると動き回るコンセプトカー

今回のCESで初のお披露目となる、次世代「eコーナーシステム」モーションテクノロジーを搭載した「MOBION」電気自動車(E V)。
ブース内では横方向や斜め方向の動き、ピボットターンなど、見たことのない方法でぐるぐる移動する実演デモがおこなわれており、具体的な新機能をブース上部のモニターで分かりやすく紹介していて、走行技術を紹介する手法として効果的な演出だなぁと思いました。


洗練されたデザインから、海外メーカーらしさを感じたブース

「LiDAR」や「ADAS」をはじめとする自動運転技術を開発する企業。
このブースで感じたのは、「映像演出などで使用されていた鮮やかなブルーを基調とした、ブースデザインの統一性」と「透過ディスプレイやコンテンツの洗練されたU Iの綺麗さ」。透過ディスプレイを活用したモビリティ技術の紹介は日本でもよく見られますが、車体に搭載された技術・部品を説明する手法としては効果的だなぁと思いつつも、演出的にクルマ丸ごと透過ディスプレイで覆っちゃたりとか、自分だったらこういう使い方してみたいなぁと考えながら眺めていました。
僕がこのブースで感じた事は、モノ造りに対する日本と海外とのこだわり違い。みたいなものを考えさせられた気がして、何だかんだ1時間以上滞在していました。(たしか2日連続で見に行ったかも)


今後に期待できる「LiDAR」技術を活用した体験型コンテンツ

先述のセンサー「LiDAR」技術を効果的に活用した体験型コンテンツ。
ブースのファサードに設置された体験エリアに立つと、「LiDAR」内蔵のカメラが取得した体験者の点群データを目の前の画面に表示。ここからがこのコンテンツのポイントで、最終的には体験者ごとの点群データをコラージュ作品的に一つの映像コンテンツとしてリアルタイムにビジュアル化していて、他メーカーにはない個性を出してきているなぁと感心しました。


勿論、国内メーカーでも「LiDAR」搭載の製品を紹介するライブデモを実施

世界的に高いシェアを誇る、国内ランプメーカー小糸製作所
ブース内3箇所に「LiDAR」技術を搭載した移動体検知システム「ILLUMIERE(イルミエル)」を設置し、リアルタイムで来場者の動向や混雑状況を把握するライブデモを実施していました。まずは、ブース内を歩き回って3体の「ILLUMIERE」を確認。デモ画面だけでなく、街中や駐車場など、交通インフラでの活用シーンを映像と共に紹介していて、近い未来の実現性をイメージできる説得力のある展示でした。
 
今後も次世代モビリティにおいて欠かせない技術となる「LiDAR」関連分野。今後いかに自社の技術をアピールしてくるか、どんな効果的な展示手法やコンテンツを出してくるか個人的には楽しみです。


嫌でも目を惹くブースデザインとプロダクト


散々聞いてはいたものの、想像以上の華やかさに「今自分はラスベガスにいるんだなぁ…」と改めて実感

巨大でド派手な展示ブースが軒を連ね、毎回CESの顔として多くのメディアで多く取り上げられている【Central Hall】。
その入り口を入ってすぐに、ドーンと構える巨大な映像演出が目に入り、すかさず、なんだこれは!?と覗いてみると、15台の透過ディスプレイが連動し、前後に可動する巨大な映像演出で出迎えるLGブース。【Central Hall】の顔として相応しい雰囲気を醸し出していました。
ブース内では、ホームリビングや店舗を模したショーケース展示空間に透過ディスプレイが効果的に配置され、活用シーンのイメージができる説得力のある展示でした。


注目を集めるブースとはこういうものか…

世界最大規模の水素燃料電池を製造する重工業企業DOOSAN
ロボットアームの開発にも力を入れている企業らしく、ロボットアームを活用した体験型コンテンツや、ダンサーとコラボしたロボットアームのショーケースがおこなわれていて、多くの来場者が惹きつけられ集まっている印象でした。
その中でも、ソリューション紹介に活用されていた画面自体が波打つように動く可動式大型L E Dは、僕自身初めて間近で見たということもあり、映像と連動したその滑らかな動きに感動して見入っちゃいました。
(いつか演出で使ってみたいなぁ…)


大規模な展示会だからこそ味わえるワクワク感

ここまで2日間で、合計30km以上!歩いてきて、そろそろ先輩たちも疲れきたかなと思いながらも、今日も歩くぞ!と挑んだ視察3日目の最終日。2日目は大賑わいで体験する事ができなかったSONYのコンテンツを朝イチで体験したり、ドローンサッカーの試合を観戦したりしました。


体験してみた|SONY「Sensing & Interactive Technology Showcase」

列に並んで待つこと10分程。壁面3面+床のプロジェクションで囲われた部屋に案内され、演技派のスタッフの説明のもと「ゴーストバスターズ」をテーマにしたコンテンツがスタート。床面(映像)にはビンや新聞、マンホールなどが配置され、足で踏んだり蹴ったりすると映像と音が連動するだけかと思いきや、映像と音と同時に床面から振動が伝わって来る!楽しくてつい夢中になって色んなものを蹴飛ばしていました。


観戦してみた|FIDA「ドローンサッカー」

視察3日目、今回の視察を終え、CESの会場からおさらばしようとしたところ、何やら激しいマシン音と共に会場を盛り上げるスポーツ実況解説のような声が聞こえてくるではないですか!人垣の隙間を掻い潜って覗いてみると、ドローンサッカーの試合が繰り広げられていました。どうやら2025年開催予定のドローンサッカーW杯のデモ(5対5)を実施していたようで、後々調べてみて分かりましたが、韓国発祥の競技で、日本でもドローンサッカー連盟が発足しているようです。プロジェクション演出と組み合わせたりしたら、より新感覚を味わえるスポーツになっていきそうだなと思いました。今後に期待です。


各ブース内の凝った造作やデザイン、様々な機材による演出一つ一つを気になって見たりしているとあっという間に時間が過ぎ、「次のブースを見に行かなきゃ!」と少し慌ただしく視察をしながらも、刺激的な展示会でした。今回の視察を通して、個人的に僕が印象に残っているお気に入りブースやプロダクトを参考に、弊社として新しい価値を発信していきたい!と思ったコンテンツを紹介します。

今回一番印象に残ったブース、トルコの E V メーカー「Togg」

植栽と無数のL E Dによって構成された色鮮やかなブースは、自然と人工物の独創的な世界観が個人的には好きでした。特に、湾曲L E Dを活用した映像コンテンツは、作り込まれた綺麗なCGが壁面と天井面に設置されたミラーに反射していて、クリエイティブ心をくすぐられる空間でカッコ良かったです。


その他印象に残った展示やプロダクト

これは初体験!ぜひ使ってみたいと思った球体型タッチコンテンツ。


ちゃんと触れているのか不思議な感覚になった非接触ホログラムディスプレイ。


先輩たちはあまり興味を示さなかったが、想像以上の立体感に個人的には驚き。


自宅でも愛用しているメーカーTCLの湾曲 L E D。玄関の出迎え演出にちょっと欲しい。


2年前に社内の共有会で紹介したホログラムデバイス。やっと実物が見れた。


U S B接続でカイロ的機能をこの薄さで実現。想像以上に暖かくて実用性◎


まとめ

今年で100年目となったCES2024。
各メーカーの最先端プロダクトはもちろんのこと、凝ったブース造作やコンテンツ展開など、展示会として世界規模のクリエイティブに興奮させられました。また、会場全体を歩き回りながら様々なブースを視察していく中で、世界中から集まる各メーカー関係者や技術者のプロダクトに対する熱い思いにも圧倒され、意見交換・商談の場としての盛り上がりにも感心しました。
新しい体験作りにおいて、体験者にちょっとした喜びと興奮を提供するためにはどんなプラスのアイデアと技術を盛り込めば良いのか、僕自身もデジタル技術を使った制作・開発に携わる身として、よりエンターテイメント性を探求していかなければいけないなぁと改めて実感しました。
 
本場ラスベガスでの大規模展示会の視察を終えて、3日間歩き疲れたのも事実ですが、「五感を使って体験する」というリアルイベントならではのの醍醐味を味わえて、前回オンラインでSXSWに参加した身としては新鮮で刺激的でした。今後のイベント業界のあり方について、リアル・オンライン両方の形式で海外2つの大規模展示会に参加した僕の予想は、リアルな会場がメインとなりつつも、バーチャル空間などを活用した「CESモビリティワールド」や「テックスポーツ分野のオンライン観戦」など、エンターテイメント的な要素として盛り込まれてくる日が来るのではないかなぁと思っています。
 
今回初のCES視察となりましたが、想像以上の規模感で到底3日間では全てをじっくり見ることはできなかったので、4日間と言わずに1週間くらいは開催してほしいものだなぁと個人的に思いました。
(まあカツカツなタイムスケジュールを組んだのは自分なので、次回はもっと余裕を持ったCES視察にしたいと思います。)

ベンツブースのトークショーに突如現れた、
The Black Eyed Peasのメンバーwill.i.amに大興奮


勿論、ラスベガスの新名所、Sphere(スフィア)にも行ってきました!

CES会場からもずっと見えていたので早く行きたくて視察中ずっとウズウズしていました。
いざ中に入ってみると、想像を遥かに超えるダイナミックさと没入感。とりあえずオペ卓の位置やら360度ホール内をチェック。
40分間くらいのシンプルな映像だったのは少し残念でしたが、自分が1個のデッカい球体の中に入っている感覚と、上面まで覆われたLED空間での音響演出は圧巻でした。チケットを予約してくれた先輩達には感謝感激です。


それでは、またの「イベント見聞録」をお楽しみに!
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が参加している募集

イベントレポ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?